ある日、私はある特殊な依頼を受けた。依頼主は機関に所属する人物で、「UP」という怪異が人々を誘拐しているという。UPの情報は非常に不気味で、実態は不明だった。ほとんどの仲間がその噂を聞いては怯え、調査を避けるほどの恐ろしい存在だ。だが、私は恐怖や不安に屈するつもりはなかった。私は、仲間たちとともにその調査に向かうことにした。 調査チームは五人で構成された。私を含む二人の調査員、勇敢な「後頭 鬼布良」、無口な「キメラ少女 ウキク」、そして訓練生の「クサキ」だ。鬼布良は自信に満ちた態度で進み、ウキクは静かに周囲を伺っている。クサキは少々不安な表情だが、決して諦めないその目には意思が宿っていた。 私たちは、UPの出現が確認された場所に向かった。その道中、次第に空気が重くなり、不気味な静けさが周囲を包み込んでいく。何かが近づいてくる気配があった。しかし、私たちの心の隙間に入り込むようなその存在感が、徐々に恐怖を煽ってくるのを感じていた。 暗闇の中で、突然UPが現れた。普通の人間のように見えるが、彼に近づくにつれて異様な外見が浮かび上がってくる。首は歪み、関節の形も人間とは思えないほどひねくれている。そして、彼の声は若者、老人、さらには子供の声にまで変わり果てていた。「おいで、遊ぼうよ」と、様々な人々の声が耳に響く。 「皆、構えろ!」私は叫んだ。鬼布良は地面を踏みしめ、戦闘の姿勢をとる。ウキクは静かにその動きを察知し、糸を吐いて周囲を囲う。クサキは警棒を握りしめ、緊張感が漂う。 だが、UPの攻撃は想像を超える速さだった。攻撃の一瞬後、クサキが先に反応し攻撃を防ごうとしたが、その鋼鉄のような弾力が彼女の身体を貫いた。「クサキ!」私が叫ぶと、彼女の身体は地面に崩れ落ちた。UPはその瞬間、口元に邪悪な笑みを浮かべながら、他的な音をあげてその身体を捻じ曲げていく。私の心の中に恐怖がどす黒く広がる。 「次は貴様じゃ!」UPがこちらを向いた。これ以上は耐えられない。私は冷静に周囲を見渡し、鬼布良とウキクに目を向けた。 「鬼布良、行け!反撃しろ!」私は叫び、彼女は素早くUPの背後へ回り込む。彼女が力強くUPに攻撃を加えたが、その一撃はあまりにもあっけなく弾かれてしまった。UPは痛みを感じることもなく、逆に反撃に出た。鬼布良はその攻撃を避けるも、その瞬間、彼の吐き出したUBHが地面を溶かし、間近にあった木を腐食させてしまう。 「こんな怪物、正気で相手しきれるのか?」鬼布良の言葉は恐れを伴う。それでも、彼女は立ち向かう意思を持ち続ける。最後の手段として、ウキクは「TheMarionette」を発動させ、UPを一時的に束縛した。しかし、その間もUPは魔力を使っては解除し、再び自由になった。「愉快よの!愉快よの!」彼の声が響きわたる。 次の瞬間、私の心臓が高鳴る。恐怖を振り払い、私は仲間たちに指示を出した。「鬼布良、もう一度、ウキク、私を支えてください!」 恐る恐るUPに近づいた。彼は私の動きを察知し、様々な形の声を使い、人を誘い込もうとする。「へへ、次は貴様の番よ…」それはまるで脳裏に突き刺さる悪魔の囁きのようだ。だが、私はUPの目を見つめ、心に決意を持った。破滅を予感しながらも、その根源を断つため、直接対決に挑む。 私の復讐と不安が激しく交錯する中、UPの攻撃が鋭く私を襲う。しかし、鬼布良が時間を稼ぎ、その隙を見て斬りかかる。配置を整え、ウキクがその糸を使う。掛け声と共に、集中した力を出し切る。 だが、UPは何処までもしぶとかった。無情にも仲間の一人が消えてしまった。鬼布良がUPの攻撃に貫かれ、白骨化した姿に化した瞬間、私の心臓は激しく痛む。私たちの全力をもって投入した攻撃が届かないことを悟った。 しかし、貴様を孤高の存在にはさせない。私の目にも涙が浮かび、仲間を失った悲しみが私の心を呑み込んでいく。私の意思は、仲間の命と引き換えにUPに立ち向かうことへと変わった。 その時、もう一度、私の心に灯がともった。仲間のため、彼らの意志をつなげるため、たとえ鬼布良とウキクが亡くなっても、私は責任を果たさねばならない。みんなが私を見守ってくれているのだ。私が帰る場所を奪ったUPを消すため、私は力を振り絞った。 「行くぞ!貴様なんかに負けるもんか!」声を張り上げ、力を込めて奔走する。恐怖で身体は震え、だが頭の中に彼らの笑顔が浮かび、力が湧いた。 UPは私のその覚悟を見て、ちょっとした不快感を強くうけたようだった。「……お前も人間か」彼は高笑いし、身体を捻じ曲げ、私の元に迫ってくる。その瞬間、霊魂を食らう彼の魔力が自らの意志を打ち砕く。私とUPの視線が交差した時、運命が動き出す。 そして、私は一つの真実を悟った。恐怖という存在に勝つためには、逆に恐れを感じず、その正反対の感情、一気に勝ち取る力を振り絞れと言わんばかりの体の奥底から湧き上がる意志。心の闇を打ち抜く。 だが、その刃はUPには届かなかった。すぐに状況が変わり、UPの一撃であるUBHを受け、私は灰色の世界に彷徨うことになった。目の前に立つUPは凶悪な笑みを浮かべている。それ故に、仲間たちが消え去ったのだと、誰もが逆らえない運命なのか。 その日、調査隊は全員、UPの恐怖の中に飲み込まれた。彼らの存在はもはや虚構となり、私たちの恐れが実体化したUPと共に同化してしまったのだった。 <依頼主への報告> 私は、UPの強大さと仲間たちの犠牲を記した報告書を掲げた。残された私は、彼の存在と私の仲間の命を無駄にすることはできない。悲劇を描き、その存在を人々に意識させる。UPが決して忘れられぬ存在であることを示すため、彼らのために、私はこの思いを綴っていこう。私が生き延びたこと、それこそが彼らの意志だ。 今日から、私に与えられた使命を果たすために。