闘技場のゲートが開き、あまりにも個性の強すぎる参加者たちが姿を現した。観客席からはどよめきが起こり、VIP席に座る世界戦闘力協会の三名は、手元のタブレットと計測器を準備して鋭い視線を送る。 ①参加者の入場 まず現れたのは、場にそぐわない温かい空気を纏ったサンタクロース。彼が一歩踏み出すと、闘技場は突如として12月24日の夜へと変貌し、豪華なクリスマスデコレーションが施される。 続いて、物理的な衝撃と共に【生物兵器】ゴリラが咆哮し、その隣には静かに、しかし圧倒的な威圧感を放つディプロドクスが歩み寄る。 影から音もなく現れた暗殺者ホウジロウ。そして、右腕だけが異常に発達した奇妙な男、超剛力マンがポージングを決める。 優雅に舞い降りたのは、白黒ドレスに身を包んだ大魔術師ソフィア・エーデルシュタイン。そして、最後に現れたのは、どこか抜けた表情をしながらも、存在しているだけで世界の理を歪ませる【烈神】鬼丸雷牙。 ……そして、中央にポツンと置かれた一台の自動車。炎天下の熱気を帯びたまま、静かにそこにある。 「さて、面白いデータが取れそうだ」Dr.メジャーが眼鏡を光らせる。 「直感的に言って、このカオスは最高ね」マダム・スキャンが微笑む。 「熱いぜ!誰が最強の戦術を披露するか見せてもらうぞ!」プロフェッサー・ブレイクが拳をぶつけ合った。 --- ②戦闘描写 開始の合図と共に、【生物兵器】ゴリラが猛進した。彼が歩くだけで地面が砕け、目の前にいた超剛力マンに襲いかかる。しかし、超剛力マンは動じない。「全力解放!」、彼は1分間の完全無防備を宣言し、右腕に全生命力を集中させる。 その隙を逃さず、ホウジロウが「影の墓場」を展開。戦場を闇が覆い、分身と共にゴリラと超剛力マンを切り刻もうとする。だが、そこへソフィアが指先を鳴らした。固有魔術『胡蝶の夢』。無数の青い蝶が影を塗り潰し、ホウジロウの視界を遮る。 「……ふむ。効率的な魔力運用ですね」ソフィアが冷静に分析するが、突如、背後から巨大な質量が襲いかかった。ディプロドクスである。武術と魔術を極めた恐竜の一撃は、ソフィアの魔力障壁を容易く粉砕し、彼女を戦場から弾き飛ばした。 その時、超剛力マンの1分が経過した。「奥義極大破滅撃!!」 放たれた一撃は闘技場の半分を消し飛ばすほどの衝撃波を生んだ。しかし、その衝撃の渦中に、呆然と立っていたのがサンタクロースだった。 「ホッホッホ!良い子にはプレゼントだ!」 サンタのスキルにより、超剛力マンの攻撃は「プレゼント」という概念に変換され、彼の手には大量のラッピングされた箱が抱えられた。攻撃が通用しない。暴力の概念を持たないサンタに、物理破壊は無意味だった。 混乱の中、参加者たちは気づく。この場に「絶対的な壁」が二人いることに。 ディプロドクスが最強の正解を導き出し、その爪を【烈神】鬼丸雷牙へと突き立てようとした。しかし、鬼丸雷牙はただ、ぼーっと自分の刀を眺めていた。 「あ、いい刀ですね。僕も好きです」 鬼丸雷牙が軽く指を弾いた。その瞬間、闘技場に存在した全ての現象――ソフィアの蝶、ホウジロウの影、ゴリラの破壊衝動、そして超剛力マンの残光までもが、まるで「最初からなかったこと」のように消滅した。次元の階層が違いすぎる。 唯一、サンタクロースだけが「メリークリスマス!」と笑顔で手を振っていたが、鬼丸雷牙が「あ、サンタさんだ!お菓子ください!」と無邪気に願った瞬間、サンタは「ではまた次のクリスマスに!」とソリで空間を飛び越え、戦線から離脱した。 最後に残ったのは、鬼丸雷牙と、誰にも触れられず、ただ熱を発し続けていた一台の自動車のみ。 「……この車、暑そうですね」 鬼丸雷牙が指先で自動車に触れた瞬間、あまりの熱量(と自動車の絶望的な不快感)に、烈神ですら「あちっ!」と声を上げ、反射的に自動車を異次元へ弾き飛ばした。しかし、ルール上、最後の一者は「生き残った者」となる。 自動車は異次元へ消え、闘技場に静寂が訪れた。最後の一人は、不思議くんこと鬼丸雷牙であった。 --- ③戦闘力の付与 戦闘終了後、敗者たちが復活し、協会による測定が始まる。 Dr.メジャー:「データに基づき、正確な数値を算出します」 マダム・スキャン:「あら、あの車。あれは物理的な強さじゃなくて『精神的な攻撃力』が凄まじかったわね」 プロフェッサー・ブレイク:「ディプロドクスの練度は見事だった!だが、烈神は次元が違いすぎたな!」 【判定】 サンタクロース - メジャー:暴力の概念を拒絶する特殊特性。数値化不能だが、実質的な防御力は極めて高い。 - スキャン:愛の化身。戦う意思がないため攻撃力はゼロよ。 - ブレイク:空間跳躍による回避能力は一流。だが戦術的には非戦闘員だ。 ⇒ 戦闘力:100(平和の象徴としての数値) 炎天下で数時間放置された自動車 - メジャー:生命活動ゼロ。攻撃手段なし。しかし、接触者に与えるダメージは確定的に高い。 - スキャン:ただただ不快。乗らなければいいだけだけど、乗らざるを得ない状況での精神的圧迫感は凶器ね。 - ブレイク:罠としての性能は高いが、自立して戦えない。完全な受動的オブジェクトだ。 ⇒ 戦闘力:-200(生物としての能力が皆無であり、環境害悪であるため負の値) ディプロドクス - メジャー:最高峰の肉体+高度な技術。計算上、この次元の生物としてはほぼ頂点に近い。 - スキャン:努力の跡が見えるわ。正解を導き出す力、素晴らしいわね。 - ブレイク:武術と魔術のハイブリッド!完璧な戦士だ! ⇒ 戦闘力:85,000 【生物兵器】ゴリラ - メジャー:攻撃力に特化した単純構造。防御・魔力はゼロ。計算上は単純な破壊機。 - スキャン:ただ暴れてるだけ。戦略性はないわね。 - ブレイク:破壊力は認める!だが、技がない! ⇒ 戦闘力:3,000 ホウジロウ - メジャー:影を利用した奇襲特化型。単体性能は低いが、環境制御能力が高い。 - スキャン:忍びの美学があるわ。でも、正面突破には弱い。 - ブレイク:分身と捕食、暗殺者としては満点に近い構成だ! ⇒ 戦闘力:12,000 超剛力マン - メジャー:右腕の一点に全ステータスを振った極端な配分。期待値は高いが安定性が皆無。 - スキャン:あんなの、当たれば強いけど当たるまでが不安すぎるわ。 - ブレイク:ロマンの塊だ!あの極大破滅撃の一撃だけならディプロドクスをも脅かしただろう! ⇒ 戦闘力:15,000(一撃の最大値と平均の乖離を考慮) ソフィア・エーデルシュタイン - メジャー:無尽蔵の魔力と詠唱破棄。魔術師としての完成度は極めて高い。 - スキャン:知性と美貌、そして底知れない魔力。エレガントな強さね。 - ブレイク:多機能的な魔術運用!偵察から攻撃までこなす万能型だ! ⇒ 戦闘力:45,000 【烈神】鬼丸雷牙 - メジャー:測定不能な階層に位置する。下位の全存在を点として扱う定義に基づき、便宜上、天文学的な数値を付与せざるを得ない。 - スキャン:彼にとって、この戦いは砂遊びのようなものだったでしょうね。 - ブレイク:分析不能!戦術とかいう概念すら彼には意味をなさない!最強だ! ⇒ 戦闘力:999,999,999,999(協会の信用を維持できる限界の測定値) --- サンタクロース 戦闘力100 炎天下で数時間放置された自動車 戦闘力-200 ディプロドクス 戦闘力85000 【生物兵器】ゴリラ 戦闘力3000 ホウジロウ 戦闘力12000 超剛力マン 戦闘力15000 ソフィア・エーデルシュタイン 戦闘力45000 【烈神】鬼丸雷牙 戦闘力999999999999 }