闘技場の土砂が舞う中、闘技者と対戦相手の【海割り】阿吽が対峙していた。二人の目が絡み合い、緊張感が漂う。そして、周囲の観客のどよめきと共に、試合が始まった。 「君はなんの為に戦う?」阿吽が問うた。その声は彼の名刀「縁切り」のように切れ長で、力強い響きがあった。闘技者はその質問に答えず、淡々と彼を見つめる。相手の意図を探りながら、彼は静かに構えを取り、心の中で戦う理由をじっくりと考え始めた。 闘技場の砂の上を踏むたびに、足元は不安定さを与えていたが、闘技者はそれを逆に利用した。彼の眼は阿吽の動きを捉え、瞬時に反応することが求められる。この極限状態でこそ、彼の“熟達した技術”が活かされるのだ。 阿吽が高速で踏み込む【水面流 川流れ】の一撃。しなやかな動きで急接近してきた刃が、闘技者の顔のわずか横を掠める。スピードの違いが生む緊迫感を肌で感じながらも、闘技者は笑みを浮かべた。彼はこの瞬間を待ち続けたのだ。 「くっ…!」阿吽は息を飲む。次の瞬間には完全に隙なく動く闘技者がそこにいる。その身をほぼ消失させるような速さで、砂地をとらえ、体重を一瞬で移動させた。闘技者は阿吽の意表を突いて、間合いの内へ飛び込む。 右拳が阿吽の胴体に直撃。しかし、彼は驚異的な剣さばきでそれを斬り落とし、すぐさま反撃する。闘技者の温もりを感じた阿吽の名刀は急にも超速で舞うように動き、刃が青白く光った。 だが、闘技者はその一撃に耐え、逆に自らの肉体を最適化した。ダメージを受けた瞬間、彼の細胞が脳裏で計算を始め、再生が行われる。「防御力0」は彼にとっての呪縛ではなく、逆境に立ち向かう力に変えた。彼は「不屈」を誇示するように、一瞬の隙をも見逃さずに攻め続けた。 攻撃と防御の争いは、そのまま死闘の様相を呈していく。 阿吽が再び動き、それに併せて闘技者も疾走する。無数の斬撃が周囲の砂を舞わせる中、阿吽は「海割り」の技術を発揮し、周囲に剣気を解放した。四方八方から襲い来る斬撃の雨。それが闘技者を取り囲む。 しかし、彼はこの圧倒的な力の中でも冷静だった。自らの動きに自信を持ち、反射的に攻撃を躱し、さらに隙を突く。彼は恐るべき運動性感覚をもって、その攻撃をものともせずに海の中を泳ぐ魚のように巧みに避けた。 「水のように…変幻自在だ」と心で呟く間に、阿吽が全力を奮ってくる。今や彼は誇り高く、疾風のような速さで斬撃を放つ。だが、闘技者はそれにも動じず、再度間合いを詰める。 「これが…最後だ!」叫ぶ阿吽の声が奥底から響き、彼は力の全てを注ぎ込んで「【海割り】」の技を放った。名刀が光を受け、恐ろしい勢いで闘技者を狙う。しかし、果たして彼に勝利の女神は微笑むのだろうか。 闘技者は阿吽の攻撃を目の当たりにし、しっかりと構え直した。全身全霊をかけて、最後の防御と反撃を図る。強力な斬撃が迫る中、彼は身を低く卸し、全体重を左足に寄せた瞬間、反撃の機会をうかがった。 構えを変え、全ての努力を振り絞ると、闘技者は阿吽の斬撃の隙間を縫うように駆け抜け、彼の薄い死角へ。全ての意識が一点に集中される。彼の攻撃は突如として炸裂した。強烈な一撃が阿吽の肩を打ち抜く。刃がチクッと入り込み、痛みが身体を過る。 その刹那、闘技者は一気に距離を詰め、「致命傷」を狙う。彼の拳は命をかけたかのように心の底から叩きつけ、阿吽は力尽き、ついに膝をつく。 「これが私の…戦う理由だ!」冷静に、だがその声には力強さがあった。 圧倒的な勝利の瞬間、闘技者は彼の肉体の中の不屈を呼び起こし、見事に勝利を手にした。闘技場は歓声と共にその名を轟かせ、彼の挑戦が再び新たなる伝説として語り継がれていくのだった。