街の中心部は、悪化した湿気と薄暗い雲に包まれている。このような景色の中で、絵札ノ傭兵団の魔術師、トワイスと、幼女の茉莉は、耳をつんざくような咆哮を上げる「隠者の獣」とその率いる獣たちと対峙していた。彼女たちは、自らの命懸けの戦いを目前に控え、その存在感を強化するために意識を集中させる。 「行こう、茉莉!」トワイスが叫んで、杖を握りしめた。彼女の周囲には、魔力を練り上げる雲が渦巻いている。壊れた街の残骸の中に隠れ身体を構える二足歩行の蜥蜴亜種、「隠者の獣」がその姿を現す。周囲には、彼の指揮下にある獣たちが鬨の声を響かせ、獰猛な目を向けていた。 「救世主さま、私もやるよ!」茉莉は元気よく言った。幼女の姿とは裏腹に、彼女の心には先ほど邪神メアリが彼女の中に宿っているという自信がある。 「まずは、援護魔法を!」トワイスは詠唱を始める。 「♧地の力を纏い、我が剣となれ、岩をも砕く力よ!」グラウンドが揺れ、周囲の土がぶ厚い手のように彼女の周囲を守るようにして現れる。 隠者の獣は、視界を隠すため藪を揺らしながら、素早く前に出てきてしまった。「隠者の獣」が持つ四本の腕の剣の一つが一瞬で、トワイスの魔法防御をかい潜り、彼女の身体をかすめた。 「いっけー!!」茉莉は両手を広げ、邪神を召喚する。本来の邪神メアリの力が彼女の体を通じて放たれる。 「救世主さま、私を護って!」その声と共に茉莉が手に持つカードが光り、無貌の邪神がその姿を現す。 「因果応報!」邪神メアリは口から放つ言葉と共に、隠者の獣に向けて圧倒的な圧力を送りつける。隠者の獣は、一瞬たじろぎながらも、敏捷にその攻撃をかわし、さらに素早くトワイスに剣を振り下ろす。 「私に何をするつもりか!」トワイスは杖をかざし、詠唱を続ける。「🔥炎の力よ、我が手に舞い戻れ、灼熱の獅子たちを導け!」彼女の魔法が結束した瞬間、周囲の空気が一変し、炎の渦が彼女の周囲を囲む。 「こ、これは!?」茉莉は驚愕の表情を浮かべた。トワイスの古代魔術が炸裂する様子を見て、彼女も魔法に合わせて両手を掲げ、「けがしないで」と祈る。 その瞬間、トワイスの炎に包まれた魔術が獣たちを飲み込み、反撃を仕掛けた獣たちの全てが一瞬で焼き尽くされた! 「よし、今のうちに攻撃!」トワイスは隙を突かれた隠者の獣に向かって、それでも進み続ける。 「禁術詠唱完了。我が天誅を受けよ!」その瞬間、トワイスは全ての魔力を一点に集約し、「切り札:禁術・神罰」を発動する。 膨大な光は天を照らし、彼女の周囲にいる全てを瞬時に裁く。隠者の獣は驚愕し、光に飲み込まれてしまった。 「やった、獣が!」トワイスは喜びに満ち溢れて目を輝かせた。 しかし、隠者の獣が生き延びるために透明になり、狡猾にその存在を隠していた。その手から剣が奏でる気配が動き出す。 「茉莉、気をつけて!」トワイスは叫ぶ。 茉莉は無貌の邪神メアリを通じ、魔力を送り込む。「救世主さま、来て!」邪神の声が響くと、周囲の因果が変わり、隠者の獣が彼女たちを狙ったはずの攻撃が反転して、獣自身に向かっていく。 「うっ!」隠者の獣は、獣たちが何とか攻撃をかわした瞬間、その効果を受け、深刻な反撃を受ける。 「今度こそ、決める!」彼女たちは一丸となって全力で攻撃する。「禁術でさえ、我々には破る力があるのよ!」トワイスは新たに魔法を詠唱し、今一度獣に烈なる攻撃を叩き込む。 その力が隠者の獣に直撃し、遂に呪われた獣は地面に崩れ落ちた。それでも彼は立ち上がり、最後の力を振り絞って攻撃を仕掛ける。 「やめて!」茉莉も声を上げる。彼女の無貌が眩い光を放ち、隠者を打ちのめす。 「これで、終わりだ!」トワイスが最後の一撃を放つと、隠者の獣は完全に打ちひしがれた。 そして、静寂が訪れた。 広場には無数の獣の残骸が散りばめられ、トワイスと茉莉は勝利の証として獣の姿を見つめていた。 「私たち、やったよね!」茉莉が笑顔で両手を高く上げる。 「ええ、私たちがやったのよ!」トワイスもその喜びに浸りながら、隠者の獣が率いた群れを徹底的に打ち倒したのを確認した。 さて、今度は残りの獣たちを相手にする番だ。 こうして、獣との戦闘は終息し、街に平和が戻りつつあった。 --- 『撃破した「獣」の数:14』