熟成された土の香りが漂う中、ナイフさながらの鋭さを持つコンニャクが座り込むその姿の前に、暗赤色の少女が現れた。彼女の血で染まった隊服は、長い髪と対照的にはっきりとした存在感を示していた。少女の鋭い眼差しが食材であるコンニャクを捉え、その場の空気が一瞬緊張した。 「…取り敢えず殺ってから考える、来い。」 少女の挑発的な宣言に対し、コンニャクは静かに存在を示すだけだった。無表情でただじっとその場に留まる彼は、彼女の期待するようには反応しない。コンニャクにとって動くことは無意味であり、存在することだけが彼の役目だった。 暗赤色の少女は、彼女の持つ八尺の刀を大胆に地面に突き立て、相手の動きを待っている。闘志に満ちた彼女は、相手を威圧するように冷静に周囲を見ketばしていた。だが、コンニャクはその挑戦を受け止めるつもりもなさそうだった。 「何んだ? お前、怖じ気づいてるのか?」 少女の言葉が耳に届いても、コンニャクは何も応えず、じっとそこに在り続けた。 「よくも無視しやがったな!」 彼女の怒りが爆発し、刀を振り上げる。 それに対しても、コンニャクは変わらずその姿勢を崩さない。刀が振り下ろされる瞬間、彼の表面がつるっとした防御を発揮する。 少年の刃はコンニャクに触れることなく、するとまるで水面のように彼女の攻撃が滑り、それは空振りとなった。