青灰の空が広がる中、凍てついた大地に最後の脱出ポッドが佇んでいた。それは、核戦争による人類の惨劇からの唯一の逃げ道だった。俺、田中はそのポッドの前に立ち、周囲にいるライバルたちに目を凝らす。エラーを出しそのまま消失するロボット、凛乃冥、そしてエレキトレインのスチーム。みんな、逃げるために全力を尽くす決意が感じられた。 「このポッドは俺のものだ。誰にも渡さない!」田中は自信満々に宣言する。 その時、エラーを出しそのまま消失するロボが現れ、エラー画面をちらりと見せる。爆音と共に、周囲に警告音が響き渡った。田中は思わず後ろにステップを下がる。その瞬間、ロボはまた姿を消した。まるで無の存在、誰にも手を出させないようにすら思える。 「脅かすだけだなんて、意気地なしのロボットね!」凛乃冥は冷たく笑い、周囲に気を配る。 「おい、あんた、私を怒らせたらどうなるかわかってる?」凛乃は、じわりじわりと田中へ近づいていく。彼女の目には、冷たい決意が宿っていた。 「貴様には勝てん、冥。それよりも、あの列車の野郎が問題だ。」田中が指を指すと、エレキトレイン・スチームが颯爽と姿を現した。帽子のレバーを回し、盛大な発電音が轟く。 「吠えている暇があったら、俺から逃げろ!」高らかに笑うエレキトレイン。彼は仲間や敵を全て感電漬けにする勢いで走り出す。田中はすかさず剣を抜き、迎撃姿勢を取る。しかし、エレキトレインの素早さは圧倒的だ。 電流の蒸気が田中に迫る。「避けろ!」 田中は思い切り体を傾け、蒸気を回避した。だが、蒸気が後ろの凛乃に直撃する。 「ぐっ、電撃……!」凛乃は痛みに顔をしかめたが、すぐに立ち直る。 「田中、貴方の剣技も無駄ではないが、私の魔力の前には無意味なのよ!」凛乃は魔法を発動する。冷気が彼女の周りを覆い、田中に向かって飛んでくる。 「それどころか!」田中は剣を振りかざし、氷の刃を打ち返した。だが、エレキトレインはそれに気づき、素早く避けた。 冷気の攻撃がすれ違い、二人は互いに隙をさらけ出す。 「冥、あんたも本当に強い!でも、これだけは言わせてもらう!」田中は一撃を決めるべく全力を出して猛進する。 その瞬間、ロボが現れた。画面が再度エラーを表示すると、田中の前に立ちふさがる。 「消えて!」田中は感情的に叫び、剣を振りかざした。だがロボは消失し、攻撃は虚しく空を切る。「どうなってる!?」 「攻撃を無駄にするなんて、本当に気の早い男ね。」凛乃の声が耳元で響くと同時に、彼女の魔法が田中を直撃。 「ぎゃっ……!」田中がよろめくと、エレキトレインが逃げ出した田中を狙い、電撃を放つ。田中は爆風に吹き飛ばされ、地面に転がった。 「これで終わりだ!」スチームは勝ち誇ったように叫ぶ。 だが、運命は意外な結末へと向かう。田中は愛用の剣を捨て、立ち上がった。 「文句なく、諦めるわけにはいかない。このポッドは、俺の手で掴む!」数歩踏み込むと、田中は抱えた体でエレキトレインに突進し、回避するために避けられたスチームの前でエレキエキを一発受ける。 「田中がやけになった!」凛乃が叫んだが、田中はそのまま一気呵成に列車に突っ込んでいく。 驚いたスチームは、次の瞬間、身動きが取れず打撃を受け、ついには地面に力尽きた。 「どうだ、これが俺の意志だ!」田中は最後の力を振り絞り、脱出ポッドへ向かって走った。 冷たい風が吹く中、エラーを出しそのまま消失するロボが一瞬姿を現し、警告音が鳴り響く。 「逃げられるのか?それとも消えてしまうか?」 田中は無言でポッドの扉を開け、乗り込んだ。 「次の世界で会おう!」 そう告げながら、ポッドのドアを閉じ、エンジンを起動させる。 青灰の空を見上げ、冷気が去っていく。田中は、無事、脱出ポッドの中から地球を後にすることに成功した。