闘技場の空は重々しい雲に覆われ、観衆の興奮が高まっていた。大地を揺るがす足音、いよいよ負傷者と魔王オムオムの対決が始まろうとしている。負傷者は、古びた鎧を身にまとい、古びた剣を構えて立っていた。その姿は、無数の戦いを経て磨かれた力強さを感じさせる。 一方、魔王オムオムは、その大きな体をそびやかせ、周囲に手下のオムライスたちを召喚した。彼らは小さくて可愛いが、その戦闘力は侮れない。負傷者は、圧倒的な敵を前にしても希望を捨てず、剣を構え直す。 「行くぞ!」魔王オムオムの声が響くと、手下オムライスたちが一斉に飛び出した。鉄の如き防御を誇るオムオムの姿を目の当たりにし、負傷者は胸の内に闘志を燃やす。自らの負傷が鋭気となり、彼の身体を駆け巡る。 最初の衝突。負傷者は、古びた剣を振り下ろし、手下オムライスに痛烈な一撃を与えた。しかし、オムライスは可愛げな姿とは裏腹に、堅い防御力でその一撃を軽々と受け止めた。すぐさま反撃が返ってくる。4体のオムライスが一斉に襲いかかり、負傷者の周囲を取り囲んだ。 「来い!負傷者!」魔王オムオムの声が響く。彼の周囲でオムライスたちが一気に攻撃を仕掛ける。一体が剣による攻撃を放ち、さらに別の一体が魔法を発動。止めどなく襲い来る攻撃に、負傷者はひたすら防御と回避を繰り返す。 彼の身体には傷が徐々に増えていく。だが、その度に彼の技術が向上する。まるで体験した痛みが彼に新たな知恵を授けるかのように、次第に彼の動きは巧みになっていく。 「もう一度、くたばれ!」オムオムの叫びに呼応が返り、オムライスたちが更なる猛攻をかける。負傷者はその中で、深呼吸し、そして覚悟を決めた。 再び剣をしっかりと握りなおし、負傷者は敵を睨みつける。アスファルトの地面が揺れ、彼のにじむ血が桧を染める。だが、それも恐れることはない。 「一撃必殺、行く!」剣を振り上げ、負傷者は渾身の一撃を放った。剣が放つ神々しい光が闘技場全体を照らし出し、まるで彼の決意が光となって形を成していく。「これが、私の全力だ!」 一瞬の静寂が訪れ、次の瞬間、古びた剣はオムライスたちに直撃した。強烈な衝撃が走り、攻撃の波動が広がる。手下オムライスたちの防御を貫き、いくつかが粉々となる。負傷者の一撃は、計り知れない程の重さ、速度、鋭さを兼ね備えていた。 「どうした、魔王オムオム!」負傷者はさらに前進し、その重くなった剣でオムオムへと迫る。驚愕する魔王の表情が一瞬だけ見えた。その瞬間、負傷者の心に燃える闘志が頂点に達する。 「貴様の魔法など、もう恐れない!」負傷者は最後の力を絞り、一撃を放つ。命を懸けた攻撃が魔王オムオムを捕らえ、その体が揺らぐ。 衝撃が魔王の心に突き刺さる。魔王は、今までの余裕が全て崩れ去るのを感じた。「負傷者…おのれ…!」 魔王オムオムは一瞬、呆然自失の表情を浮かべた。その間に負傷者は貴族の一撃を叩き込み、魔王の身体を深く切り裂く。彼はその痛みによって一度、地に倒れ込んだ。 「これが私の運命だ!」負傷者の強い意志が、魔王を倒す力となった。最期には彼の強さを証明するように、オム王は戦場に崩れ落ち、勝利者となる。 観衆の歓声が渦巻き、負傷者は燃えるような拍手に迎えられる。その体は無数の傷で覆われているが、彼は負けることなく生き延び、他者を凌ぐ力を持って立っていた。 「私はまだ、終わらない。」負傷者の言葉は静かに響く。闘技場は、彼の勝利を称えるための場所となり、歴史に名を刻んだ。彼の戦いは、挑戦の象徴として語り継がれることになる。 再び負傷者は剣を振り上げ、闘技場の中心で立ち続け、勝利の証を手にした。