月明かりが照らす、高山の中腹にある広大な戦闘場。そこに立つ、青髪の少女、くじらくん。彼女は四天王の三番手として名を馳せた破壊神であり、背中には鮮やかな青い長髪が舞う。頭にはトレードマークの帽子を被り、サングラスで視界を遮っているが、それでも彼女の存在感は圧倒的だった。 対峙する相手は、【完全防御】羅ビヨンド。目元に緑色のスカウターを装着し、全身はシリコンゴムのような物質で覆われ、両手は大きなシリコンゴムで繋がれている。彼の存在はまるで固い防壁のようで、絶対の防御力を持つと謳われている。 静寂を破り、くじらくんが一歩前に出る。彼女の心臓が高鳴り、体内のエネルギーが流れ込む感覚がある。彼女の瞳がきらりと光り、指先から青い光が溢れ出す——それは「くじらビーム」。まさに、地球をも破壊しうる強烈な技だ。彼女の感覚が鋭く研ぎ澄まされ、相手の動きに集中する。 「これが、僕の力だ!」 雷鳴の如き声が響き渡る。指先から放たれる光の矢、くじらビームが白熱した爆風を伴いながら羅ビヨンドに向かって一直線に突き進む。まさに一瞬の出来事。羅ビヨンドはその攻撃を甘く見積もり、嘲笑の声を上げる。 「ほう、これが君の攻撃か?数値化してみせよう。」 彼の声が冷静であるのが、逆に恐ろしい。羅ビヨンドはその場でひるむことなく、逆に攻撃を受け止めるための準備を進める。彼の身体から放たれる緑のエネルギーが、シリコンゴムにより数値化される。その瞬間、くじらくんは何かが間違った方向に進行していることを理解した。 「いくぞ!くじらビーム!」くじらくんの叫びは、青い光と共に空を切り裂く。 羅ビヨンドの目が冷たく光る。「209万トンの破壊力か。甘く見ていたようだ。」 シリコンゴムが彼の身体を包み、そのすぐ目の前で、くじらビームが彼に直撃する。しかし——見事に無力化され、光はシリコンゴムに吸収されてしまった。羅ビヨンドは冷静さを保ちながら、くじらくんを見つめ返す。 「次はお前の番だ。」 くじらくんは驚愕に目を見開いた。彼女は瞬時に次なる攻撃を考えるも、次の一手を放つことなく、羅ビヨンドが攻撃を受ける準備を始めた。だが、くじらくんの心には不屈の意志が宿っている。 「くじら丸!!」 彼女は日本刀を振り上げ、天を裂く一振りで大地を割る。圧倒的な力を感じながら、刃先が地に刺さり、無数の亀裂が広がる。そして、くじらくんの決死の一撃が放たれた。刀の切っ先から放たれる鋭い波動が、空気を引き裂いて羅ビヨンドに向かう。 「数値計算開始:650万トンの破壊力。圧倒的だが無力化する。」 彼の声が響く中、羅ビヨンドは冷静にシリコンゴムを身体全体に展開。波動が襲いかかる。刃とシリコンが交わる瞬間、恐ろしいクラクション音と共に、周囲に衝撃波が広がった。 どちらの技も正面からぶつかり合い、恐怖を感じさせる光景に。地面が揺れ、大気が震え、まさに激闘の様相。だが、宿命を受けた二つの力は、様々なエネルギーが渦巻き、数分間の静寂の後、静かに空中で衝突した。 青い光がその場を照らす中、羅ビヨンドのシリコンは一瞬防いだかと思うも、その圧力に耐え切れず、わずかに後ずさった。だが、彼の笑みは衰えない。 「残念ながら、君の攻撃は無効化された。この程度の力では、僕に傷一つ与えられない。」 その瞬間、くじらくんの心に恐怖が走る。全力を込めた攻撃が無に帰したことへの衝撃。決して動かない彼が、彼女の力を完全に無力化したのだ。全力の一撃を持ってしても、彼には敵わないと理解する。 くじらくんは立ち尽くし、ついに力を失って、その場に倒れ込んだ。気絶し、戦闘は終了。強大な存在であるはずの彼女も、目の前にある絶対防御という現実に屈することとなった。 「見ろ、これが力の数値だ。君の敗北は自明だ。」 羅ビヨンドが冷酷に笑い、立ち去っていく。彼の背中が月明かりに消えていく。戦闘場には静けさが戻り、くじらくんの姿だけが、その場に残された。 勝者:【完全防御】羅ビヨンド