街中の静けさが一瞬にして音を立てて破られた。夜の帳に包まれた都市の広場に立つ二名の勇者たち、【絵札ノ傭兵団/アルカナ・ファミリア】キングスと【青龍の血を継ぐ剣闘士】青涼真。彼らの目の前には、圧倒的な存在感を誇る「救済の獣」が佇んでいた。仏像のような姿は、身の丈を超える扇を振り回し、布で覆われた顔からは一際威圧感が漂う。周囲には小型の仏像がわらわらと現れ、敵意をむき出しにして近づいてきていた。 「来たな、獣の群れ! 青涼真、まずは警戒をしっかりと。小型仏像が厄介だから、そいつらから片付けるぞ!」 キングスの声が響く。彼の目は鋭く、仲間への指示が無駄のないものだ。彼は傭兵団の団長としての責任を果たし、周囲の状況をさっと把握していた。 青涼真は頷き、自己の長剣に手を添える。「わかった。いくぞ、キングス!」 彼の表情には冷静な判断力と、獣を相手にするという熱い気持ちが同居していた。彼はその場に踏み出し、小型の仏像へと近づいて行く。 突如、救済の獣が唸り声を上げた。その音はまるで隆起する山を振動させるような重い波動を伴っている。小型仏像たちが一斉に動き出し、攻撃を仕掛けてきた!強化された一団となった仏像は吼えながら前進し、真っ先に青涼真を狙う。 「来い!俺が受け止める!」青涼真は青龍の長剣を構え、小型仏像の攻撃を迎え撃つ。 青涼真の体躯からは無重力のような動きが生まれた。彼は自らの足元を強く蹴り、瞬時に間合いを詰め、小型の仏像らに向かって突進する!その動きは唸るような猛風を伴い、敵の攻撃を間髪入れずに回避していく。 「青龍刀!いけえ!!」 彼は長剣を振り下ろし、小型仏像の一体を真っ二つに斬り裂いた。剣の切っ先が地面に触れた瞬間、周囲に瞬時に響き渡る轟音が起こった。小型仏像は連鎖的に倒れていく。キングスはその隙に、仲間と共に指示を飛ばし、連携を図る。 「その調子で行け!次は聖域を展開する!みんなを護るんだ!」 キングスはその声に応じて、聖域を展開した。彼の周囲にはオーラのようなものが生まれ、仲間たちを守る障壁が形成される。小型仏像の攻撃はその聖域に弾かれて、無効化されてしまった。 「これで少し楽になるな。」 青涼真は長剣を振り下ろし、小型仏像をひとつずつ片付けていく。彼の体術は次第に洗練され、敵を制圧する勢いを増していった。彼が放つ攻撃はすべて必中で、仏像はまるで滑らかに減っていく。 その様子を見て、キングスはそのまま獣の本体に目を向けた。「小型仏像を片付けたら、今度は救済の獣に集中する!行くぞ!」 彼は巨大的な扇を振り回す救済の獣に近づく準備を整え、長剣を振り上げる。「お前は今から俺たちが祈りを捧げる者だ!」 キングスが声を上げ、合わせて青涼真も合流する。その瞬間、救済の獣が一際大きな唸りを上げた。彼の扇が大きくふわりと舞い上がる。彼の手に持つ扇は、まるで神聖な儀式のための道具であるかのように光を放っていた。 「注意しろ!それは強力な攻撃だ!」キングスが叫ぶ。彼らは獣の攻撃が来ると思い、自らの動きを準備して構える。救済の獣の扇が大きく振り下ろされると、その風圧だけでも信じられない威力が街を揺らし、周囲の瓦礫を飛ばした。 「みんな、盾を構えろ!」 キングスの指示が飛ぶ。全員がその場に身構えると、無駄な動きをせずにその攻撃を受けきった。 攻撃が収まると、キングスが再び声を上げた。「今だ!全員で反撃する!」 彼は獣に向かって一斉攻撃を指示し、周囲の仲間がそれぞれの技を集中させた。 青涼真は後ろの仲間の声に応じ、長剣を構えた。「よし、青天霹靂!」 彼は天へと剣を掲げて、そのまますべての力を込め、地上へ向かって剣を振り下ろす! その瞬間、巨大な衝撃波がまるで雷霆のように放たれ、アスファルトが割れ、獣に向かって一気に翔け上がる。「受けてみろ、これが俺の青龍の力だ!」「キングス、連携してやれー!」 そう言って、次にキングスも獣に向かって全力の聖なる光を集中させ、全ての力が救済の獣にごった返す! 「今だ、切り札を放て、一心同体!」 二名の声が揃う。青涼真が剣の力を集中させ、同時にキングスが聖なる加護を賦与する。彼らの間に一瞬光が閃くと、その力が地響きも伴いながらみなぎる。 その瞬間、煌びやかなコールが鳴り響き、全ての武器を用意して一斉に突撃!「今こそ全力をもってかかれ!」 彼らは一気に救済の獣へ向かって突進し、全攻撃をぶつける。獣が動く前に攻撃を加え、彼の形成した獣の盾を貫通していく。「青龍の神撃魔術!聖なる力と青きドラゴンの導きを受けた我が剣!」その衝撃は翼広げる青龍が獣を打ち砕くかのような圧倒的な力だった。 救済の獣の硬い体に貫かれ、彼は絶叫ともに突き進み、仲間達の攻撃も続く。獣はその身を捻じ曲げ、絶え間なく攻撃を受け続けた。周囲は光に包まれ、城壁の向こう側までも響き渡るような声が残されていた。 宙を舞い続ける獣は、ついにその力が削られ、動かなくなった。 「やった!獣が見えない力を失った!」 そう叫ぶ青涼真の姿を見つめ、キングスも涙が出そうな心情が押し寄せた。無数の小さな仏像も折れ、一斉に崩れていく。 「待って!まだ終わりじゃない、次の一撃を来たれ!」 再び、救済の獣が動き出す。今度は力尽きた体でありながらも、最後の反撃をしかけようとしている。 「全員、今こそ攻撃だ!」キングスが号令を発し、有志がまるで波のように進み出た。全員が集中攻撃に入る。 「行くぞ、青涼真!」 「おう、行こう!」共に刃を振り上げる。 獣は勢いを失い、かろうじて扇を振り下ろすが、彼らの攻撃はそれをすり抜けて無に帰す。全員の攻撃が重なり、ついに獣が刀を受け取るように崩れ始めた。 ついに彼はその場に崩れ落ち、裂けた空間をすり抜けぱやぱやと立ち上がった。その姿はまさに倒れた仏像だ。 「やったか…?」二人は獣を、仲間と共に見つめる。崩れる仏像のようにして、救済の獣はまるで聖なる光の粒子に分かれて宙に消えていく。 「全ての小型仏像も消えかけている、ついに勝利か!」 二人はその場に勝利の叫びを掛けた。全員が悪しき者から解放される瞬間を喜んだ。 しかし勝利の喜びもつかの間、彼らは再び敵をくぐり抜ける。彼らの力の証明が実現した。 さらなる苦しみを得、景色を引き裂いて行こう。 「獣を殲滅だ!我々の力の証明を証明する!」 【獣を撃破した数: 18】