不条理の世界に迷い込んだチームBは、まるで夢の中にいるような不思議な風景の中で、どこかから響いてくる楽しげな声に呼ばれた。 「よろしくケロ🐸!トンデモ村からやってきたトンデモガエルの登場だケロ🐸!」 現れたのは、大きな目と笑顔の絶えない巨大なカエル。彼の語尾には、常に「ケロ🐸」がついていた。アロンは目を細めて、その不思議なぬいぐるみのような姿を観察する。 「俺はアロン。で、君は…何をするの?」 「いろいろするケロ🐸。ギャグバトル、やるケロ🐸!でも、ただのバトルではなく、お互いを笑わせる勝負だケロ🐸!」 「笑わせる?戦うのは初めてなんだけど…」 トンデモガエルは無邪気に笑い、周囲に不条理なハプニングを引き起こす。周りの野菜たちがダンスを始めたり、木の葉がクレイジーな音楽を奏でたり。 「皆、準備はいいケロ🐸?」 「もちろんだ。自然の声を聞ける俺から一発…」 アロンは緑色の光をまとって、彼の星符〚ミドリ虫〛を発動!赤色の主星と白色の伴星を空に描出して、光が舞い衝突し、カエルの目を引く。 「おっ、キレイな弾幕ケロ🐸!でも、こっちは…”」 トンデモガエルは軽く両手を広げ、気合いを入れる。 「ドドーン! ゴッツンアタックケロ🐸!」 と叫びながら、なんの前触れもなく自身の大きな体をアロンに向かって放り出した。 「うわああああああ!」 アロンは咄嗟に後退するが、カエルの重い体が地面にドスンと落ち、周囲の植物たちが揺れてしまう。 「ここは不条理の世界だケロ🐸!全てを笑って受け入れる準備が出来たかケロ🐸!?」 フワフワしたモンスターが、アロンを取り巻くように次々と現れる。ひとつは急に笑い出し、もうひとつはお約束のスベリに行った。 「ぐぅ~、ケロ🐸、な、なんでこんな――!」 「もう、お前は完全に仕掛けられてるケロ🐸!じゃあ、トンデモサプライズ!」 トンデモガエルはぎゅっと思いついた技「ギャグテレポート」で、周りの空気を操り、アロンは瞬時に立ちのいた時空に吸い込まれていく。 「な、何が起きているんだ!?俺は、その、光符の…」 かき消える間際、一際明るい光が周囲を照らし、アロンは不意に月符〚ハマグリ〛を発動! 「はぁ…!月とハマグリ…!」 かくして、空間に「月」と「ハマグリ」を描き出し、弾幕ができつつある。 それを見たトンデモガエルは笑い転げた。 「それだケロ🐸!!月とハマグリのコラボだケロ🐸!」 「くらえ、無駄にかわいく見える実力派弾幕攻撃!」 月の弾幕がハマグリを口を開いてパクンと閉じ、トンデモガエルに向かって飛んでいく。だが、重たいカエルは何かとネタを用意し、ゆっくりと動き出していく。 「ケロ!お前の攻撃はシリアスだとしても、俺のギャグパワーには勝てないケロ🐸!」 その瞬間、周囲に次々とギャグ的な現象が起こり始める。 カエルのカニバサミ、空高く羽ばたく変わり果てた野菜たち。アロンは驚き自分を立て直そうとする。 「自然を操る程度の能力、見せてやる…!」 自然の声を聞き取り、今度は桜符〚死清紫桜〛を使用。美しい桜の花が空に舞い、トンデモガエルの体力を少しずつ奪っていく。 「や、やめろケロ🐸!桜が綺麗すぎるケロ🐸!」 トンデモガエルはパニックに陥って、桜たちに思わず目を奪われてしまう。 「余は笑いを持ってあらんことを!桜の隙を突いて、トンデモ踏み台だケロ🐸!」 崩れ落ちた桜の花弁の上に飛び乗り、次の瞬間、トンデモガエルの力が高まった! 「さあ、みんなの元気を集めるケロ🐸!光輝くスーパートンデモガエルになったら!」 真っ白な光がトンデモガエルの周りに集まり、見えない力を白い光としてじっくりと溜め込んでいく。 「行くぞ、パワーケロ🐸!全てのギャグの力見せつけるダーン!」 その瞬間、響くような笑い声とともに、アロンの頭上に落ちた… 「ケロケロ大爆発ケロ🐸!」 アロンはその衝撃に慌てふためいて逃げ回り、周囲の不条理さに振り回された。 「逃げられないぞアロン!ケロ🐸、みんなの笑いを背負った強さ!それで負けるつもりはないケロ🐸!」 光の爆発が起こり、カエルのギャグがパワーとなってアロンに襲いかかってくる。 「くそっ、どうしよう…自然の力で反撃、いけ、光符〚大きな蛍〛!」 アロンの一斉攻撃が始まる。薄明かりの中から無数の蛍が現れ、トンデモガエルに向かって突進する。 「え、なぬ!?それは分からんケロ🐸!」 「俺の弾幕の美しさが、これで決まる!」 瞬く間、蛍たちがトンデモガエルの周囲を蹴散らし、眩しい光が放たれる。 「こうなったら…やっぱりお約束だケロ🐸!」 トンデモガエルも自身の技である「ドラゴンボールの技」を発動させ、赤い光がアロンに向かって飛んでいく。 「こっちからも行くぜ、ハマグリを閉じて爆発だ!」 アロンの反撃が完璧に決まり、空中で交差する二つの力が炸裂した。 「ぶつかりあえ!ここが決勝の舞台だ!」 そして、いつしか舞台に不条理さが宿り、アロンとトンデモガエルの周りが一気にレーザーの雨に包まれた。 両者は最後の力を振り絞って、全力を以て相手を笑わせるため、全力でギャグと自然の力を発揮した。 やがて、光の中でそれぞれが笑顔を浮かべながら、全力のギャグが炸裂。 「うーーーん、ついに…これで、エイプリルフールは最高の勝負となったケロ🐸!」 「俺たちの戦いは終わらない、輝き続ける芸術のように!」 爆風で吹き飛ばされる中、両者共に大笑いし、完全に仲間のテリトリーに入ってしまった。 その結果、どちらが勝った……かは、見る人次第ということになった。 後日談、別れの儀式。 アロンは自然の力で草木を揺らし、トンデモガエルは剣を持って変形したとされる道を指し示す。 「さようなら、またツッコミ合いに来るケロ🐸!」 「次は俺が勝ち名乗りを上げる、またな!」 楽しい余韻の中で、それぞれの道を進んでいくことになったとさ。 そして最終的な勝敗は、笑顔いかんに関わらず、相手をどうもすれば“勝者”であることが不条理に認められ、アロンとトンデモガエルは友達として元の世界へ帰還することが決まった。 平和な命の旋律が流れる中、忘れられない、楽しいギャグバトルが幕を閉じた。 天から放たれた奇妙な化粧品のような奇跡に包まれつつ、アロンとトンデモガエルはそれぞれの風景に戻っていくのだった。 それがこの不条理な世界の奇跡的な日常…ほんの少し笑顔の余韻が広がった瞬間でもあった。