精神病院の暗い廊下が揺れ動く。響き渡るのはヴラド3世、捻れた愛の宮、緋翠、そして如月による戦闘の音。周囲では医者や看護士が慌てふためき、逃げ惑っている。 「君たちは、私の杭でさし潰す!」 ヴラド3世が高笑いを上げながら、手の中に浮かぶ杭を操り、まるで生きているかのように動き回らせる。彼の王冠が光り輝き、マントが揺れて威厳を保っている。 「強い男が大好きなんだ。さあ、楽しませてよ!」 宮はそのフード付きパーカーの下から視線を走らせ、興奮を抑えきれない。相手が恐れをなして逃げることに興味はなく、逆に戦うことを望んでいる。「私を壊せるのは、誰?」 彼女は軽やかにヴラドの前に飛び出し、拳を繰り出す。「好きよ、大好き!その残酷さが…」 こうした言葉と同時に、彼女の攻撃がヴラドに直撃する。 「喰らえ!」彼女の攻撃は爆撃のような連撃で、ヴラドは一瞬バランスを崩す。その隙にジャンプし、彼女は宙を舞う。次の瞬間、ヴラドによって放たれた杭が彼女の左腕を刺貫く。だが、その挑発に乗った宮はむしろ興奮し、笑い声をあげる。「いいわ、もっと来て!」 緋翠は二人の戦いを眺めていた。彼女は自らを隠れて観察し、心を喰うための完璧なタイミングを待っていた。宮が自分の力を高めるたび、攻撃を受け続けるたび、緋翠の狙いはより鮮明になった。 「さあ、私のことを見つめて…」緋翠が心の中で呟く。彼女は静かに宮の視線を奪い始め、強い敵に強くなりたいという欲望が彼女を縛るのを感じていた。 如月はその時、バサルトムーンのシステムを起動し、3人に向かって冷酷に告げた。「お前たちの戦いは無駄だ。星を滅ぼすのは私の使命だ。席を外せ。」彼の言葉はまるで冷たい機械音。無情に、如月はバサルトムーンから一斉攻撃の準備を進め始める。 「何よ、その無慈悲な口調!」 宮は挑発する。「強い男じゃないの、ただの家畜!?」 しかし彼の静かな叱責は、今までにない恐怖を引き起こす。「私の力を知れ!」 突如として、宙に輝く光が降り始める。若干反応が遅れたヴラドと宮は、如月が放つ滅ぼしの光に照らされいる。 「まだだ!」突然、ヴラドは杭壁を展開し、敵の光線を防ぐ。しかしそれを打ち破るように、緋翠が後ろから彼に迫り、心を食う影が忍び寄る。 「死ぬがいい…」 宮の興奮がピークに達した。彼女は次々と連打し、ヴラドは出現した突風に引かれ苦しむ。そしてついに、彼女の拳がヴラドの顔面を直撃。彼は頭がくらくらして地面に倒れ込んだ。 「さらば、串刺し公。今の君では私には敵わないわ!」 きらきらとした目で見下しながら。 しかし、如月は取り返しのつかない一手を差し出す。「私が星の滅光を見せつけてやる。」彼の攻撃が、ようやく戦闘の終幕を告げる。 その瞬間、緋翠の能力が発動する。「心を喰う。さよなら!」 内側から崩れ落ちたヴラドは精神的に打ちのめされ、ただの人形のように無抵抗で倒れてしまった。 「最後に、私が勝者よ。」 そこに余韻が漂う。 結局、如月が意図した演習でも、勝敗が決まった瞬間、精神病院内は大混乱に陥った。 「医療機器の損害は推定500万。人員被害は不明。」医者が叫ぶ。 彼の後ろで、逃げ惑う看護士たちの顔には恐怖が色濃く浮かんでいた。まさに、戦士たちの狂乱の舞台裏だった。