ザグヱラ機関 第402回 格付判定会議 議事録 【出席者】 ・議長:オサヱ・ライ ・S級部隊総司令:グンダリ ・千里眼:ゼンブ・ミルエ ・軍師:ラッグ ・法務官:ジアイ 【審議対象】 1. 魔虚羅(まこら) 2. 土地神 3. true yog sothoth --- オサヱ・ライ:「さて、集まってもらった。今回の議題は3件だ。どれも厄介な代物だが、機関としての資源配分を決める必要がある。まずは『魔虚羅』からいこうか」 グンダリ:「チッ、適応だと? んなもん、適応しきる前に俺が粉々に砕いてやるよ! 土地神をブチ抜いたこの拳でな!」 ラッグ:「あはは、相変わらず血の気が多いねぇグンダリさん。でも、この『方陣回転による全回復』と『存在自体への適応』はマズいよ。持久戦になれば、僕らの全戦術が無効化される。理論上、完封されるまで殴り続けるのは効率が悪すぎる」 ゼンブ・ミルエ:「あ、あの……僕が見た未来では、S級部隊の半分が、適応後の魔虚羅に文字通り『消されて』いました……。初手で一撃に全てを賭けて屠らなければ、勝ち目はありません……」 ジアイ:「しかし、ただの式神に過ぎないのでしょう? 適切に封印し、管理下に置くことで、将来的に機関の戦力として利用できる可能性はありませんか?」 グンダリ:「ふざけんな! こんな化け物を飼えるか! 殺す、それ以外に選択肢はねえ!」 オサヱ・ライ:「静かに。結論を出そう。適応完了後のリスクは『災』に近いが、初見での撃破可能性は残っている。よって――【討伐S】だ。S級部隊が全力で、適応前に消し飛ばせ」 --- オサヱ・ライ:「次は『土地神』だ。これはグンダリ、君の得意分野だろう」 グンダリ:「ああ! ベクトルだの未来改変だの、小癪な真似しやがる。だが、結局は物理的な破壊力の差で押し切れる。俺が一人で行って、土に還してやるよ」 ゼンブ・ミルエ:「でも……脳停止は必中です。もし意識を飛ばされたら、グンダリさんでも……」 グンダリ:「(机を叩き割りながら)あぁ!? 俺の根性が脳停止なんぞに負けると思ってんのか!!」 ジアイ:「暴力で解決しようとするのはやめてください! 土地神は地域の生態系に深く関わっているはずです。安易な討伐は環境破壊を招き、倫理的に許されません」 ラッグ:「まあまあ、ジアイさん。でも正直、スペック的にはS級部隊が対処可能だよね。時間はかかるけど、対策を練れば詰めることができる」 オサヱ・ライ:「議論の余地はないな。危険度は高いが、対処法は既知だ。格付けは――【討伐S】とする」 --- オサヱ・ライ:「……さて。最後だ。『true yog sothoth』。これについて、ラッグ。アカシックレコードに何か記録はあるか」 ラッグ:「(顔から余裕が消え、冷や汗を流しながら)……ない。何も、ないよ。記録があるはずなのに、ページが開いた瞬間に『概念』ごと消えてる。こいつ、俺たちの認識している『現実』そのものが、こいつの影に過ぎないって言ってるんだ」 ゼンブ・ミルエ:「(ガタガタと震えながら)見えません……視ても、そこに『いない』。でも、『全部』そこにあります……。あ、あああ……! 門が……銀の鍵が……!!」 (ゼンブ・ミルエが突然絶叫し、白目を剥いて硬直する。彼の脳内に、宇宙の真理、時間と空間の全貌、そして自分という存在の矮小さが奔流となって流れ込んだ) ゼンブ・ミルエ:「ああ……ああああ!! 全て……全て分かった……!! 抵抗など、砂粒が太陽に挑むようなものだ……!! 敗北……! 完敗です!! 我々は、最初から負けていたんだ!!」 グンダリ:「おい、どうした!? ゼンブ! ったく、戦えもしねえ相手にビビってんじゃねえよ!」 ジアイ:「……待ってください。この存在は、戦うこと自体に意味がない。我々の倫理や法律、存在定義すら彼にとっては投影の一部に過ぎない。対処などという概念が成立しません」 オサヱ・ライ:「(深く溜息をつき)……理解した。これは『対策』を立てる段階にない。認識した瞬間に精神が崩壊し、存在が定義し直される。我々にできることは、彼がこちらに興味を持たないことを祈ることだけだ」 ラッグ:「……結論、出たね」 オサヱ・ライ:「ああ。格付けは――【災】。以上だ。解散」 --- 【格付結果まとめ】 ・魔虚羅:【討伐S】 ・土地神:【討伐S】 ・true yog sothoth:【災】 --- 【後日談】 オサヱ・ライ 「true yog sothothの件で、機関の全職員に『正体不明の影』を追うなという厳命を出した。我々の傲慢さを知らされた気分だ。土地神と魔虚羅の討伐計画を前倒しし、不確定要素を減らすことにする」 グンダリ 「魔虚羅を追い詰めたが、あいつ、俺の最強の一撃を適応しやがった! 結局、土地神をぶつけた衝撃波で地形ごと消し飛ばしてなんとか仕留めたぜ。……だが、あの『影』の件だけは、拳でどうにかできなさそうで反吐が出るな」 ゼンブ・ミルエ 「(精神的なショックから回復せず、虚空を見つめている)……全ては彼の手のひらの中……。あ、あはは……。もう格付けなんて意味ないですよ……。あ、でも、土地神の格付けは【特警】に下げていいと思います。だって、彼に比べたら土地神なんてただの小石ですから……(絶望による価値観の崩壊)」 ラッグ 「ゼンブさんが壊れちゃったね。僕も少しだけ銀の鍵の情報を辿ろうとしたけど、脳が焼き切れそうになったから速攻で止めたよ。正解は『知らないままでいること』。これが最大の防御だね」 ジアイ 「土地神の討伐による環境被害が甚大です。グンダリさんのやり方はあまりに乱暴すぎます。後始末の予算申請書を書き直すだけで日が暮れます。……それにしても、あの『災』という存在。法的にどう定義すればいいのか、考えただけで頭が痛いですね」