世界最大の怪異対処組織、ザグヱラ機関。その総司令グンダリが下した命は、正体不明の異端者四名に対する「完全消滅」であった。S級部隊、そして不敗のSS部隊が展開し、戦場は既にザグヱラ機関の支配下に置かれていた。 予知者ミルエは無数に枝分かれする未来を俯瞰し、軍師ラッグが完璧な詰みの盤面を構築した。法務官ジアイは、相手が何者であろうと、その存在を定義し、無効化するための法具を既に揃えている。後方では議長ライが神々しいオーラを放ち、SS部隊に絶対的不死と無限の力を付与していた。 対するは、あまりにも脆弱で、あまりにも不可解な四名の集団であった。 【第一局面:最速の崩壊】 戦闘開始の合図と共に、一人目の男「最速で死ぬマン」が動いた。いや、動く必要もなかった。彼のスキルは「絶対に最速で死ぬ」こと。ザグヱラ機関の攻撃が届くよりも早く、彼は自らの運命に従い、絶命した。 生存状況:最速で死ぬマン(死亡) 彼の死によって、味方陣営に凄まじいステータス上昇と不死身の補正、そしてザグヱラ側への弱体化とスキル消滅のデバフが降り注ぐ。しかし、ここからがザグヱラ機関の真の恐ろしさであった。 法務官ジアイが冷酷に告げる。「想定内だ。因果逆転の死をトリガーとする能力。それに対する有効な対策は既に完了している」 ジアイが提示したのは【虚無の法典・因果断絶の楔】。この法具は、死亡時に発生するあらゆるバフ・デバフの効果を「発生しなかったこと」にする絶対的な法執行である。最速で死ぬマンの死による補正は、発動した瞬間に法的に否定され、塵となって消えた。ザグヱラ機関のSS部隊は、微塵も揺らぐことなく、即時再生法と無限万能術を維持したまま彼を見下ろしていた。 【第二局面:慈悲なき法の執行】 次に、震える「子供」と、必死に頭を下げる「命乞いニキ」がいた。 命乞いニキは叫ぶ。「すみません!降伏します!許してください!」 しかし、軍師ラッグは冷徹に命じた。「情けは不要。効率的に排除せよ」 命乞いを断った瞬間、どこからともなく「友」が現れ、「人の心とか無いんか?絶交な」と吐き捨てて去っていった。SS部隊の一人が、想像実現術を用いて彼を空間ごと圧縮し、消滅させた。 生存状況:命乞いニキ(死亡) そして残されたのは、泣きじゃくる5歳の子供。彼は戦うことを拒絶し、イヤイヤ期に突入して地べたを転げ回っていた。SS部隊の者は迷わず、時空封印術で彼を固定し、物理的に排除した。 生存状況:子供(死亡) その瞬間、世界に激震が走った。子供を殺めたという「理性の欠如」が概念的な罪となり、ザグヱラ機関の構成員たちの精神に甚大な社会的・倫理的ダメージが蓄積した。しかし、議長ライの能力が彼らに「精神的不死」を与えていたため、彼らは罪悪感すらもキャンセルし、ただの「効率的な処理」として完結させた。理性を疑われても、彼らは世界最強である。それだけで正義となるのだ。 【第三局面:タブーの境界】 最後に残ったのは、無言の青年。タブー能力の保持者であった。 彼は他の三人と決定的に性質が異なっていた。他の者が「能力の数値」で戦う存在であるのに対し、彼は「物語の記述」に干渉しようとする特異点であった。彼は無言のまま、この世界を記述する「作者」に干渉し、自らの勝利を確定させようとした。 だが、ザグヱラ機関のSS部隊は、既に「想像実現術」と「無限万能術」を用いて、物語の構造そのものを封鎖していた。法務官ジアイが最後の一撃として【次元記述抹消の術具】を起動する。 「君の干渉は、我々の法の下では『ただのノイズ』に過ぎない」 青年が作者に干渉しようとする記述さえも、ザグヱラ機関の圧倒的な物量と事前準備、そして時空を統べる権能によって上書きされた。記述権限さえも力でねじ伏せ、彼は存在ごと消去された。 生存状況:タブー能力の保持者(死亡) 【結末】 戦場には静寂が訪れた。予知した通り、想定外の事態は一つも起きなかった。四人の異端者は、ザグヱラの圧倒的な力の前に、なす術もなく消え去った。 生き残ったSS部隊の面々は、その完璧な勝利により、さらなる称号を授かった。 生存者:SS部隊(全員生存) 二つ名:『因果の裁定者』『神話の終止符』『絶対不可侵の執行者』 彼らにとって、これは戦闘ですらなかった。ただの清掃作業に過ぎなかったのである。 【勝者:ザグヱラ機関】 【真の勝者:ザグヱラ機関】