【初期位置】 2丁グレネードランチャー:渋谷駅前交差点付近 2丁フルオートショットガンAA-12:道玄坂上 商業施設入口付近 二丁拳銃:センター街中央 雑多な店舗群の中 2丁サブマシンガン:宮益坂 路上付近 14時00分。渋谷の喧騒の中、四つの武装集団が同時に意識を研ぎ澄ませた。彼らに与えられたのは、この街で唯一の生存者となること。互いの存在はまだ未知数であり、人流に紛れて最適のキルゾーンを模索する静かな潜伏時間が始まった。 道玄坂の入り口に位置するAA-12使いは、その圧倒的な面制圧力を最大限に活かすため、視界が開けており、かつ逃げ場の少ない狭い路地へと誘い込む配置を検討していた。彼は銃口を絶えず周囲へ向け、わずかな異変も見逃さない。彼の思考は単純だ。射程50m以内に敵を捉えた瞬間、秒速405mの散弾の濁流で相手を物理的に消し去る。回避条件である秒速210mの横移動を達成できる存在など、この戦場にいるはずがないという確信があった。 一方、センター街の雑踏に潜む二丁拳銃の使い手は、M500の絶大な威力を信じ、単独での奇襲を狙っていた。彼は人混みを遮蔽物として利用し、誰にも気づかれぬよう足音を消して移動する。彼の武器は点での破壊力に特化している。敵が反応する前に、460m/sの弾丸を急所に叩き込む。彼にとっての正解は、相手が自分の存在に気づく「前」に射線を確保し、最短動作で引き金を引くことだった。 宮益坂に位置する2丁サブマシンガンの使い手は、その機動性を活かして外周を回り込もうとしていた。Vectorの凄まじい連射速度は、近接戦において絶対的な制圧力を誇る。彼は蝶が舞い蜂が刺すような高速移動を繰り返し、敵の死角から一気に詰め寄る戦術を計画していた。彼にとって、50m以内は自身の領域であり、そこに入り込んだ敵は毎秒40発の弾丸に晒され、肉片へと変わる。 そして、渋谷駅前交差点に立つグレネードランチャーの使い手は、他の三人とは異なる視点を持っていた。彼は個別の命中よりも、空間そのものを破壊し、拒絶することに特化している。375mという長い有効射程と、爆発半径5〜7mという広範囲への攻撃力。もし敵が密集して現れれば、あるいは遮蔽物に隠れていれば、そこごと吹き飛ばせばいい。彼はあえて目立つ位置に留まり、敵が近づいてくるのを待つのではなく、遠距離から地形を変え、敵の逃げ道を塞ぐ戦い方を想定していた。 14時30分。静寂を破ったのは、宮益坂からセンター街方向へ高速で接近していたサブマシンガンの使い手だった。彼は人流をかき分け、最短距離で敵を排除しようと試みる。しかし、その移動経路は、偶然にも二丁拳銃の使い手が設定していた待ち伏せ圏内に差し掛かっていた。 センター街の路地裏。サブマシンガンの使い手は、右前方から殺気を感じ取った。しかし、その反応潜時は物理的な限界がある。二丁拳銃の使い手は既に銃口を彼に向けていた。最短動作での発砲。初速460m/sの弾丸が空気を切り裂く。サブマシンガンの使い手は超人的な反射神経で横に跳んだが、二丁拳銃の使い手は相手の移動方向を完璧に追跡し、次弾をその回避先へ連続して叩き込んだ。 一発の弾丸がサブマシンガンの使い手の左肩を貫通し、骨ごと粉砕した。衝撃で姿勢を崩した瞬間、さらに二発が腹部と胸部に命中する。M500の絶大な破壊力は、人体を容易に貫通し、背後の壁まで穴を開けた。サブマシンガンの使い手は、その圧倒的なエイム速度と連射の前に、一度も引き金を引くことなく、血の海に沈んだ。反応速度を超越した弾速と、先制攻撃の権利。それが勝敗を分けた。 15時10分。二丁拳銃の使い手は、死体を放置して再び潜伏を開始した。しかし、彼が気づいていなかったのは、その戦闘の音と衝撃が、近隣にいたAA-12の使い手の耳に届いていたことだ。AA-12使いは、音がした方向へと静かに移動を開始した。彼は路地の入り口に陣取り、銃口を路地の奥へと向けたまま、獲物が現れるのを待つ。彼の戦略は単純にして最強だ。狭い路地という制約の中では、散弾の面攻撃こそが正義となる。 15時45分。二丁拳銃の使い手は、慎重に路地を抜けてセンター街を脱出しようとしていた。彼は壁に身を寄せ、死角を確認しながら前進する。しかし、その視界の先に、静止した影が見えた瞬間、絶望が訪れた。AA-12の銃口は既に彼に向けられていた。先制攻撃の条件は完璧に満たされていた。 ガガガガッ!という凄まじい発射音が路地に反響した。秒速405mで飛来する散弾の濁流。二丁拳銃の使い手は回避を試みたが、AA-12の追従性能は毎秒240度。逃げ場などどこにもない。さらに、回避条件である秒速210mの横移動を達成する手段を彼は持っていなかった。また、着弾時間はわずか0.1秒。反応潜時を考慮すれば、対処は不可能だった。 散弾一粒一粒が肉体を消し去る致命的な破壊力を持ち、それが毎秒十発、合計九十粒という密度で浴びせられる。二丁拳銃の使い手は、一瞬にして全身の皮膚と筋肉を削り取られ、骨さえも粉砕されて路地の壁に叩きつけられた。人体収容隙間なき弾幕。彼は悲鳴を上げる間もなく、肉塊へと変わった。 16時20分。これで生存者は二人となった。AA-12使いと、まだ一度も交戦していないグレネードランチャー使いである。AA-12使いは、自らの圧倒的な制圧力を確信し、さらに広い視界を持つ場所へと移動を開始した。彼は道玄坂から渋谷駅前方向へ、ゆっくりと、しかし確実に進む。一方、グレネードランチャー使いは、駅前交差点のビルの屋上へと陣を移していた。地上からよりも、死角なく街全体を俯瞰できるためだ。 17時00分。グレネードランチャー使いは、地上を移動するAA-12使いの姿を捉えた。距離は約300m。これは彼にとって最高の射程圏内である。彼は迷わず、高爆弾(HE)を装填したダネルMGLを構えた。狙いはAA-12使いの足元。命中すれば、半径1〜2mの即死圏、そして5〜7mの戦闘不能圏が形成される。 ドォォォン! 激しい爆発音が渋谷の街に轟いた。コンクリートの地面が激しく盛り上がり、破片が四方八方に飛び散る。破片の速度は秒速二千メートル。これは物理的に回避不可能な速度である。AA-12使いは爆発の直前に異変に気づき、全力で横に跳んだが、爆発半径の広さが仇となった。破片が彼の右脚と左肩を深く切り裂き、衝撃波が内臓を揺さぶった。 しかし、彼は死ななかった。爆心地から数メートルの位置にいたため、即死圏からは外れていた。だが、激しい負傷により、機動力は著しく低下した。彼は咄嗟に近くの街路樹と看板の陰に身を隠し、激痛に耐えながら銃を構えた。しかし、彼の武器であるAA-12の有効射程は50m。対して、敵は300m先の屋上にいる。今、この瞬間、絶望的な射程差が生まれた。 17時15分。グレネードランチャー使いは、敵が完全に潰えたとは判断せず、さらに二発のグレネードを連射した。一発は閃光弾、もう一発は高爆弾。閃光弾がAA-12使いの隠れている看板の直上で炸裂し、強烈な光と音が彼の視覚と聴覚を奪った。視界が白く染まり、平衡感覚を失ったAA-12使いに対し、間髪入れずに高爆弾が着弾した。 今度は直撃に近い。爆風が看板をなぎ倒し、AA-12使いを空中に放り投げた。致死半径1〜2mの衝撃が彼の胴体を直撃し、肺と心臓が破裂した。彼は地面に叩きつけられ、痙攣しながら事切れた。回避不能な破片の速度と、逃げ場のない爆発半径。射程外からの攻撃に対し、近接制圧特化の武器では対抗する手段がなかった。 17時30分。渋谷の街に静寂が戻った。生き残ったのは、たった一人。高所から戦場を俯瞰し、圧倒的な射程と面破壊力で敵を排除し続けたグレネードランチャー使いのみであった。彼は静かにMGLを肩に担ぎ、夕闇に包まれ始めた渋谷の街を後にした。 【勝者】 2丁グレネードランチャー