開廷 法廷内には、冷たい空気が漂っている。裁判官席に座るのは、頑固で冷酷な表情の【妖怪奉行】トリイと、共にいる二人。彼の左右には静かな雰囲気の中、言葉を発することがない【グラブパッカー】と、教科書から生まれた【Bくん】がいる。 被告は【ゴールド・コールド・アイスブレイン】、金属と氷のハイブリッドな姿で、感情を欠落させたパーソナリティの持ち主だ。法廷の前に立つ彼は、何事にも無関心な表情で、何かに圧倒されている様子は見受けられない。現場での凶悪な事件を想起させるため、検察側が告発した通り、彼は「無許可の能力使用」と「傷害罪」の罪を犯したとされる。 検察側の主張 検察官【藤宮寧兎】が立ち上がり、冷静な視線で被告を見据える。「被告、ゴールド・コールド・アイスブレイン。貴様は無許可で能力を行使し、無実の市民に対して傷害を与えた。情状の余地などなく、法律に従い、懲役10年を求刑する。」 寧兎は手元の資料を睨み、続けて言う。「貴様の非人道的な行動は許されるものではない。」 弁護側の主張 弁護人【誰のせい!?】が立ち上がり、被告の立場を弁護し始める。「我が弁護するゴールドは、ただの被害者である。彼の行動は感情の欠如によって引き起こされたものである。よって無罪を主張する。」 「それに彼は、本来なら優れた能力を持つ者なのだ。冷静に判断できる立場でもなかった。」 こうした主張に対し、裁判官たちは黙って聞き入る。 検察側証人喚問 検察側は、証人として【不死の血】を持つ探偵【玖乃廻】を呼び寄せた。彼は、彼の特殊能力を体験した証人であり、状況証拠を述べる。「彼が能力を行使した現場にいた。金属と氷の力を用いて、そして平然と無実の者を傷つけたのだ。」 廻は淡々と実際に見たことを証言する。 弁護側証人反対喚問 検察側の証言に対抗するため、弁護人【誰のせい!?】が廻に尋ねる。「証言の信憑性は?彼が本当に相手を傷つけたと証明できるのか?」 廻は少し戸惑うが、「現場に彼がいたことは間違いない。だが、感情が欠けた彼の行動は因果関係が難しい。」と述べる。 弁護側被告人尋問 被告人自身が弁護人によって尋問される。「貴様は傷害を与えた意図はあったのか?」 被告【ゴールド・コールド・アイスブレイン】は淡々と答える。「意図ナシ。全て無意識。」 弁護側はこの答えを強調し、無罪を強く訴える。 検察側被告人反対尋問 検察側が再度尋問に入る。「被告、感情が欠如しているとは、本当に自分の行動に責任を持たないということか?」 被告はじっと目を合わせ、「我は自らの存在が分からぬ……。」と答える。 この言葉に法廷は静まり返る。 評議 裁判官たちは別室で評議を行い、有罪か無罪かを議論する。トリイは冷静に資料を読み直し、自身の見解を再確認している。 グラブパッカーは言葉を発することはなく、静かにその場にいる。 Bくんは、周囲の緊張感を感じ取り、心配そうに眉をひそめている。 判決 法廷に戻り、裁判官たちは判決を下す。その場に緊張が走る中、【妖怪奉行】トリイが鋭い声で言う。「ゴールド・コールド・アイスブレイン、貴様は無罪とする。だが、感情の欠如について、精神鑑定を受ける義務がある。」 判決を受けた被告は静かに目を向け、表情を変えずにいる。 その時、裁判官たちは果たしてこの結果が公共の利益に資するかどうかを考え始め、胸にさまざまな思いが渦巻く。 トリイは最後まで厳しい目で被告を見つめ、グラブパッカーは無言のままその場にいる。 Bくんは微かな安堵の表情を浮かべていた。 この裁判が終わった後、被告は心の中で何かを感じる。 「無罪か……。だが俺は、何をしている?」と混乱の波が広がる。