ザグヱラ機関 第442回格付判定会議 議事録 出席者: 議長:オサヱ・ライ S級部隊総司令:グンダリ 千里眼:ゼンブ・ミルエ 軍師:ラッグ 法務官:ジアイ --- オサヱ・ライ:「さて、集まってもらったね。今回の審議対象は3名。シリュウ、ヴォルミノーク、そして影の騎士。それぞれのリスクを算出し、機関としてどう対処すべきか結論を出そうか」 グンダリ:「ケッ!ドラゴンにタコに黒い鎧か。どれもまとめて叩き潰せばいいだけの話だろ!特にそのシリュウとかいうトカゲ、昔は国を滅ぼしたって? 面白ぇ、俺が直接ぶち抜いてやるよ!」 ラッグ:「まあまあ、グンダリさん。せっかちだなぁ。アカシックレコードを覗いたところ、シリュウの『右目』が開いた時の出力は相当なもんですよ。今はいい人ぶってるみたいですけど、想定外のトリガーで狂い出したら、被害は甚大。慎重にいくべきですねぇ」 ゼンブ・ミルエ:「……あ、あの……。シリュウさんは、今は本当に善意で動いています。でも、未来の断片が見えます……。誰かが彼を怒らせて、右目が開いた瞬間、街が一つ消える……。だから、『討伐』にするのは、今の彼には可哀想というか……」 ジアイ:「ミルエさんの言う通りです。改心し、人々に恵みを授けている存在を、ただ『過去に国を滅ぼしたから』という理由で排除するのは倫理的に認められません。保護、あるいは共存の道を模索すべきです」 グンダリ:「あぁ!? 倫理だの可哀想だの、寝言は寝て言え! 爆弾を家に置いておくようなもんだろ! 牙があるなら抜く、それが最善だ!」 オサヱ・ライ:「(静かに)……静かに。次はヴォルミノークだ。これはどう見る?」 ラッグ:「あー、このタコね。デカいし物理耐性も高いけど、中身はただの臆病な軟体動物ですよ。正直、戦力としての脅威は低い。ただ、船を横転させるから物流に迷惑がかかる程度。食えるっていうし、漁業団体に任せればいいんじゃない?」 ゼンブ・ミルエ:「……でも、たまに錯覚して暴走します。もし主要港でそれをやったら、経済的損失が……」 グンダリ:「チッ! どいつもこいつもぬるい! 捕まえて食い尽くせばいいだろ! 捕獲して食料資源にしろ!」 ジアイ:「……食用にするのは構いませんが、知的生命体としての側面がないか確認するまでは、むやみな殺戮は避けたいですね」 オサヱ・ライ:「ヴォルミノークは概ね一致しているようだね。問題は最後の一人、『影の騎士』だ」 ラッグ:「……こいつはマズい。影を自在に操り、光さえ消す。しかも暗所での自動回復に、耐性剥奪を持つ狗の召喚。正面からぶつかれば、並の部隊は完封されますね。軍事的な脅威度は極めて高い」 グンダリ:「ハッ! 影に潜ろうが何だろうが、地面ごと消し飛ばせば済む話だ! 俺がわざわざ出向いて、その黒い鎧をスクラップにしてやるよ!」 ゼンブ・ミルエ:「……無理です。彼と戦った部隊の生存率は、今のところ0%に近い未来が見えます……。闇魔法のスタンで足を止められ、影から切り裂かれる……。これは、討伐S、いや……」 ジアイ:「待ってください! 彼は組織に属している。魔神の騎士団との外交的リスクを考えなければなりません。いきなり討伐に動けば、騎士団全体との全面戦争に発展しかねない!」 グンダリ:「うるせぇ! 危険な奴は消す! それがこの機関の仕事だろうが! この腰抜けが!」 ジアイ:「腰抜けと言わないでください! 法と秩序に基づいた対処を!」 (グンダリが机を叩き割り、拳を突き出す。ジアイが法務官としての権限で拘束を試みるが、衝撃波で会議室の壁に亀裂が入る) オサヱ・ライ:「(冷徹な声で)……そこまでだ。これ以上騒ぐなら、評議員全員を『再教育』に回すよ」 (一瞬で室内の空気が凍りつき、全員が沈黙する) オサヱ・ライ:「結論を出す。シリュウは現状の善性を評価しつつも、潜在的リスクを考慮し『警戒』とする。ヴォルミノークは実害が限定的なため『捕獲』。そして影の騎士は、その能力と所属組織の危険性から『討伐S』とする。異論はないね?」 全員:「……異論ありません」 --- 【格付結果】 - シリュウ:【警戒】 (理由:現在は親切だが、右目の開眼による暴走時の破壊力が国級であるため。定期的なメンタルケアと動向監視を行う) - ヴォルミノーク:【捕獲】 (理由:物理的脅威はあるが知能・精神面で脆弱。捕獲し、管理下での利用、あるいは食料資源としての処理を検討) - 影の騎士:【討伐S】 (理由:隠密性、火力、回復力、組織力のすべてが高水準。放置すれば機関の重要拠点に潜入され、壊滅させられる恐れがある) --- 【後日談】 オサヱ・ライ: 「シリュウには、あえて機関の職員を『友人』として派遣した。彼が人間を好きであり続ける限り、最強の抑止力になる。効率的な運用だね」 グンダリ: 「チッ、影の騎士を追い詰めたが、あいつの狗がしつこくて時間がかかったぜ。結局、影の中に逃げられた。次は必ず首を撥ねてやる。……あぁ、そういえばシリュウとかいう龍に金菓子を貰ったが、意外と美味かったな」 ゼンブ・ミルエ: 「……ヴォルミノークさんの捕獲作戦、私の予言通りに大成功しました。でも、調理される時の悲しげな顔が忘れられません……。あ、でも、影の騎士さんが機関の施設に潜入した未来がまた見えました。格付けを【討伐S】から【討伐滅】に見直すべきかもしれません。だって、彼が連れてきた騎士団の数が……多すぎます……」 ラッグ: 「おっと、ミルエちゃんの予言が出たね。影の騎士一人だと思ってたら、軍団で来るってことか。これは想定外。予算の組み直しが必要だなぁ。あ、シリュウさんには『お菓子のお礼』として、こちらの美味しい茶菓子を贈っておこう。機嫌を損ねるのが一番怖いしね」 ジアイ: 「ヴォルミノークさんの処理について、人道的な(軟体動物的な)配慮を求めましたが、グンダリさんに蹴られました。……それにしても、影の騎士の件でまた戦火が広がるなんて。平和的な解決策は本当にないのでしょうか。あぁ、もう頭が痛い……」