第97話『魔王』 魔王城の暗闇が重くのしかかる。勇者しおりを筆頭に、仲間たちが邁進していく。魔王との最終決戦、これまでの苦闘を乗り越え、約束を果たす瞬間だ。白銀の鎧に身を包んだしおりは、仲間の気配を感じながら前へ進む。 「さぁ、いくよ!」 しおりの声は、勇者としての決意に満ちていた。その言葉に、仲間たちも心を一つにする。 「皆のため……こんな所で負けられない!」 天武すみれと三堂一花は、力を合わせて戦う準備をする。天武は冷静に構え、魔弾を次々と生み出していく。一方、三堂は元気いっぱいにバットを持ち、大きな声で叫ぶ。 「いくよー!」その声が仲間たちに勇気を与える。 機械姉弟、下谷樹斗里と樹仁玖も、隣に立って佇む。樹斗里は前線へと向かい、樹仁玖は後方から状況を見守る。 「OK、姉ちゃん!」樹仁玖の返事が合図となる。 魔王の巨大な姿が、闇の中から浮かび上がった。冷酷な笑みを浮かべ、その瞳は底知れぬ邪悪な光を放っていた。彼の一言で、戦闘が始まる。 「愚かな者たちよ!私の前にひれ伏せ!」 魔王は大地を揺るがすほどの攻撃を仕掛けてくる。しおりはその一撃を逃れ、瞬時に反応する。「ブレイブパリィ!」 シールドが魔王の攻撃を弾き返す。だが、その圧倒的な力に対抗するだけでは足りなかった。仲間たちの攻撃もかすりもせず、相手にダメージを与えることができない。捨て身の攻撃が次々と貫かれ、彼らの体は限界を超えていく。 「このままでは……!」 しおりは心を乱されながらも、仲間を思う気持ちが強く生まれていた。混乱を招く声が響く。「力が……足りないのか……」 彼女たち全員が瀕死の状態に追い込まれ、魔王がトドメの魔法を放とうとした瞬間、耳元に「負けないで!」という声が響いた。 第98話『覚醒』 心の奥深くから響くその声。しおりの体が突然、黄金の光に包まれた。視界が眩しく、暗闇の中に小さな光がともり始める。その瞬間、彼女は百の声に気づいた。 「みんな……みんなが……」 「力が湧いてくる…!皆、ありがとう!この一撃で…決める!」 その言葉が、彼女の心に火を灯した。世界中の誰もが、しおりのために思いを寄せている。力がみるみるうちに集まり、魔王に対抗できる力へと変わっていく。 「ブレイブスラッシュ!」 金色の光を纏いながら、しおりは一気に魔王へと接近し、その剣を振るった。斬撃はまるで風のように舞い、魔王に直撃する。彼女の仲間たちも立ち上がり、続々と彼女の勇気に応えた。 「千本ノック!」たちまち、天武が投げる魔弾が三堂のバットによって爆散する。その輝きが魔王に襲いかかり、しおりの勇気に続く。 「アイアンナックル!」樹斗里が突撃しながら、鉄の拳を魔王に叩きつける。樹仁玖は後方から一気にレーザーを放つ。 「みんなの力、受け取った!」 その力が溜まり、ついに魔王を撃破したかに思えた。だが、その表情からはまだ余裕が感じられた。 「愚かなる者たちよ!これが私の真の姿だ!」 第99話『最終決戦』 魔王は最終形態に変貌した。その巨躯は更に人を寄せ付けないほどの威圧感を放っていた。しおりは仲間たちを見渡す。 「皆、行くよ!一緒に戦うんだ!」 「おう!」 「はい!」 「任せて!」 仲間たちの返事が共鳴し、心をひとつにする。全員が技を叫び、一斉に魔王へ反撃を開始した。 「ブレイブフィニッシュ!」 しおりが叫び、剣を空に掲げる。そこから放たれた無数の斬撃が、魔王を目掛けて一直線に突進していく。 「魔弾送球!」 目の前に迫る魔王に、天武が多彩な魔弾を次々と打ち出す。爆発的な威力が敵を引き裂く。 「調整、アップ!」 三堂は、焦点合わせするように見える。明確なターゲットへと変えることで、全員の攻撃が魔王に集まる。 「アイアンナックル!」樹斗里も負けじと拳を叩き込み、樹仁玖が続けてレーザーを放つ。 「行くぞ……合体変身!」 一際強烈な声が reverberateする。二人が手を取り、巨大な機械体へと変身する。『アルティメットフィニッシュ』が発動する。 「これで終わりだ!」炸裂した衝撃が大地を揺らす。画面いっぱいに放たれた一撃が、ダンジョン全体を覆い尽くし、貴方の目の前で、魔王は消滅していく。 エピローグ 魔王を滅ぼした後、世界にはやっと平和が訪れた。英雄たちはそれぞれの道を歩んでいる。 しおりは、英雄としての名に恥じぬように、今でも村の人々や困っている人々のために旅を続けていた。彼女の剣は、また新たな平和を守るために振るわれる。 「時々、振り返ることもいいね、しおり」と、村の無邪気な子供たちに囲まれながら微笑む。 「みんなのために、まだまだ立ち止まるつもりはないよ!」 天武すみれと三堂一花は、学校のソフトボール部で再び活躍していた。二人がコンビで果敢に挑む姿は、ますます力強く、周囲の憧れとなっている。 「いくよー、かっ飛ばすよ〜!」さわやかな声が響く。 「うん、すごいよ!」と、その活躍が周囲の人々を和ませ、彼女たちの友情も深まっていく。 下谷樹斗里と樹仁玖は、技術を磨き続け、機械工学の勉強を深めていた。友達を助けるための新しい発明を考える毎日。 「いくよ、樹仁玖!」 「OK、姉ちゃん!」彼らのコンビネーションは、今も変わらない。 こうして、英雄たちの新たな物語が始まる。彼らの意志が、未来を創り出していく。 Happy End