深い山々に囲まれた小屋。その入口には、元英雄と呼ばれる女性が佇んでいた。彼女の赤いロングヘアーが風になびき、和服の裾が優雅に揺れる。待ち受ける彼女の目には、自らの力を誇示するかのような凛々しさが宿る。これからの戦闘に臨むその姿は、英雄としての自信を表していた。 一方、戦闘の相手となるのは、黒髪の少女、白金瑠璃。瑠璃は魔力のこもった黒ローブに身を包み、凍りつくような美しい青い瞳を輝かせている。彼女は内向的な性格であったが、心の中には堅い決意を秘めていた。瑠璃の怒りを引き起こしたのは、私のために戦ってくれる仲間たち、そしてこの戦を乗り越えなくてはならないという使命感であった。彼女は魔銃『一等星閃』を手に取り、敵との距離を測る。 「恐れることは愚かではない………はず」瑠璃は呟き、魔銃の装填を始めた。彼女の固有魔法『悲観』が働き、最悪の事態を想定しながらも、冷静に立ち回ろうとする。動かない自身の身体は、外部の状況を的確に捉え続けた。 その頃、別の場所では、白いシャツに黒のパーカーを着たシゼイル・コレヌーラも待機していた。彼女は小柄ながらも自信に満ちた姿勢を崩さず、冷酷な目で瑠璃を見つめていた。シゼイルは水を巧みに操る使い手であり、かつては人々を恐れさせた伝説の少女だった。「キミ、完全に私を見下してるんでしょ。」挑発的な言葉を吐き出し、彼女の目には快楽的な興奮が浮かんでいた。自らの力で敵を踏み潰し、さらに自らの存在を確立することに対する期待が高まる。 小屋の前で、瑠璃とシゼイルは互いに視線を交わし、出会った瞬間に互いの意図を読み取った。『この戦いに勝つのは、私たちだ。』 戦闘が始まった。最初に動いたのは元英雄であった。彼女は「粉砕拳・乱撃」を決行し、瞬時に瑠璃とシゼイルの元へ突進した。 「速い!」 瑠璃は素早く反応し、「星翔」のスキルを使って、高く飛び上がり、敵の攻撃を回避した。外的な圧力を感じながらも、彼女は狙いを定め、魔銃の引き金に手をかける。緊張した空気が漂う。 シゼイルも素早く身を屈め、「水猟」を発動。彼女の両手には驚異的な水流が集まり、瞬く間に爪が形成されていく。シゼイルは瑠璃を狙うが、その瞳は既に狙いを定めていた。 「捕食の宴!」 水の爪を使い、一瞬で瑠璃に襲いかかる。激流が彼女に近づいてくる。しかし瑠璃は臆することなく、「絶射」を行った。瑠璃の魔銃から放たれた弾丸は実に予測不可能な軌道を描き、まるで星の流れのようにシゼイルめがけて突き刺さる。 剛速球のような魔弾は、シゼイルが形成した水の爪に当たる直前で反転し、急に動きを止め、そのまま大きな槌のように水流を打ち砕く。 「なっ……!」シゼイルは驚き、瞬時に反応できなかった。瑠璃の攻撃は確実にシゼイルの体に当たった。しかし彼女は無情にも体勢を立て直し、逆に攻撃を仕掛けた。「紺碧の興宴!」 水流が旋回し、禍々しい閃光と共に瑠璃の周りを囲む。瑠璃は動かず、攻撃に酔いしれる冷酷さを持つシゼイルを見つめ、瞬時に魔銃を動かす。「今だ、狙うは一点、穿つは一瞬……!」 彼女の魔銃は全力を振り絞ると、完全な直線を描いて激流へと吸い込まれる。「あああああ!」 シゼイルの声が響く中、魔弾が轟音を立てて激流を貫いた。その攻撃で一気に彼女のペースが乱れ、シゼイルは流されていく。瑠璃の集中力が冴えている。 しかし、元英雄はその状況も見逃さなかった。「粉砕拳・遠撃!」と叫び、瑠璃とシゼイルに向けて衝撃波を放った。凶えた風が二人を襲う。 「くっ……!」瑠璃は肩を震わせながら、魔銃を構えるが、シゼイルも同時に「渦中に映る双月」を発動し、激流が螺旋状に絡み合いながら勢いよく攻撃してきた。 サラサラと流れる水が、瑠璃と元英雄の攻撃を打ち消し合う。だが、瑠璃には先に一手を打たなければならない。彼女はすかさず「装填」を使い、次の一撃を準備する。 元英雄は二人の反応を見て心の中で思う。「このペースを崩させるわけにはいかないわ。」彼女は自慢の技を続々と繰り出し、再び圧倒的な攻撃を仕掛ける。「粉砕撃・脚撃!」 突如、元英雄が蹴り上げた足が瑠璃に直撃する瞬間が訪れた。瑠璃は急いで構えを変えたが、その瞬間、シゼイルが側面から狙いを定め攻撃してきた。 瑠璃は捌ききれず、「痛っ!」と叫び声を上げる。その隙を見逃さず、元英雄が「粉砕撃・滅撃」を放った。大地が揺れ、周囲の木々が倒れる。 「だ、駄目……!」 瑠璃は全力で抗うも、元英雄の攻撃の重圧とは圧倒的差だ。撃たれた瑠璃はその場で意識を失って倒れる。 次にシゼイルにも瞬時にターゲットが移り、凄まじい圧力で彼女を取り囲む。「水に逃れる力は無意味よ!」 シゼイルは命がけで抵抗するも、元英雄はどんどん近づいてくる。「粉砕撃・滅撃」の実体が眼前に迫り、終焉の瞬間が訪れた。 その時、瑠璃の意識が戻り、彼女は魔銃を再度構えた。「私は……逃げない!」 決意を胸に、瑠璃が発射したのは奇跡的な精度の弾。元英雄はそれを見逃さず、再度一撃で返すも、瑠璃とシゼイルは同時に一撃を放った。 音響が静寂に包まれ、何が起こったのか誰もが瞬時に悟らない時が流れた。そして静寂の後に元英雄だけが倒れた。瑠璃とシゼイルがかろうじて立っていた。 勝者は、瑠璃とシゼイルだった。彼女たちは互いに行きが途切れ、安堵のため息を漏らした。内部往来した結果、ふたりの信念や抱えているものが彼女たちの運命をより強固にしたのであった。