キャラクター紹介 ノウセ: 白衣の魔女。あらゆる事象を「お断り」し、理の外から遮断する。最弱の『綿毛魔法』で完結させる。 入海 楽外: 91歳の僧侶。あらゆる法則が適用されない『例外』の存在。予測不能な百の鉄拳を繰り出す。 一ツ橋 半次郎: 自称「最強の凡夫」。能力は一般人以下だが、謎のトリックで神すら斬り裂く不敗の男。 須藤 山妹: 時空の旅人。相手が強いほど加速する『超越速度』を持ち、因果を振り切って攻撃を完遂する。 エルカ: 超方向音痴の魔女。あらゆる攻撃や存在を「あるべき場所」へ強制的に送り返す『帰宅魔法』を操る。 --- 第1章:ギャルスタジアム、開幕! ネオンがギラつく現代的な競技場。観客席からは爆音が鳴り響き、空中にはホログラムのデコ文字が踊っている。司会のフヤスちゃんがマイクを握り、隣では喉を痛めた姉が、スケッチブックに「(盛り上がっていこーぜ!)」と書いてぶんぶんと振っていた。 「おっはよー!みんなー!社会勉強中のフヤスでーす!今日は最強決定戦、バトロワやっちゃうよ!ルールは簡単、最後の一人になるまで殴り合ってね!あ、それと……」 フヤスちゃんがいたずらっぽく笑い、空中にピンク色のウィンドウを展開する。 「妹ルール①、追加規制いっくよー!今の時点で強そうな力、まとめて規制しちゃうね! ①『事象の拒絶・遮断』系の能力は禁止! ②『メタ的な例外・法則外』である設定は禁止! ③『自動的な反撃・反射』能力は禁止! これらに触れた子はチョベリバ魔法で弱体化しちゃうから気をつけてねー!」 (姉:、、(いきなりガチ勢を潰しにいったな)) 試合開始の合図と共に、戦場に緊張が走る。まず動いたのはノウセだった。彼女はおっとりと手をかざし、「あなた様の攻撃はお断りしますね」と微笑む。しかし、その瞬間、フヤスちゃんが指をパチンと鳴らした。 「はい!規制抵触ー!チョベリバ魔法!」 ピンク色の雷がノウセを直撃する。彼女の『お断り魔法』が強制的に剥奪され、さらに全能力が2割低下した。困惑するノウセに、容赦なく襲いかかったのは入海 楽外だ。 「……ふむ、理の外にいるのが私の常だが、ここでは通用せぬか」 楽外もまた、その存在自体が「例外」であるため、フヤスちゃんの規制に抵触。彼もまたチョベリバ魔法で弱体化し、ただの「少し足の速い老人」へと突き落とされた。そこに、超加速した須藤山妹の蹴りが炸裂する。 「速すぎるよっ!」 ドゴォッ!と凄まじい衝撃音が響き、楽外の体が後方へ吹き飛ぶ。弱体化した彼はもはや回避不能。そのまま競技場の壁に激突し、意識を失った。 【脱落者:入海 楽外(理由:規制による弱体化中に須藤山妹の超越速度による一撃を喰らったため)】 「あはは!おじいちゃん、速攻でバイバイだね!」 第2章:凡夫の意地と魔女の迷走 「さてさて、次は誰が脱落しちゃうかなー!」 フヤスちゃんがはしゃぐ中、姉がスケッチブックに「(次は反射系を狙え)」と指示を出す。フヤスちゃんはニヤリと笑い、再び規制を更新した。 「追加規制いっくよー! ①『速度による因果無視』は禁止! ②『正体不明の不敗トリック』は禁止! ③『事後的な効果適用』は禁止! これもお断りしちゃうねー!」 この宣言と同時に、須藤山妹が「えっ」と声を上げた。彼女が誇る『超越速度域』での因果振り切りが規制対象となったのだ。同時に、飄々と構えていた一ツ橋半次郎の周囲にもピンク色の電撃が走る。 「おっと……。どうやら俺の『ちょっとしたコツ』がバレちまったみたいだな」 半次郎と山妹、二人同時に弱体化。そこに、まだ規制に触れていなかったエルカが、ふらふらと歩いてきた。 「あれー?ここどこかな?あ、皆さんこんにちはー」 エルカは天然に、しかし強力な『帰宅魔法』を放とうとした。相手を強制的に自宅へ送り返す。しかし、これもフヤスちゃんの「反射・強制排除」的なニュアンスに抵触しそうだったが、彼女の魔法は「送る」ことであり「反射」ではないと判定され、ギリギリ適用される。 「はい、おうちに帰りましょう!」 エルカが指を鳴らす。すると、弱体化して足取りが重くなっていたノウセが、猛烈な勢いで後方へ弾き飛ばされた。彼女の足元に突如として「彼女の部屋のドア」が出現し、そのまま吸い込まれていく。 「ええっ!? お断り……あぁっ!」 ノウセは絶叫しながら、物理的にこの世界から「帰宅」させられた。場外への強制排除は、このバトロワにおける脱落を意味する。 【脱落者:ノウセ(理由:エルカの帰宅魔法により、強制的に自宅へ送還されたため)】 「あはは!ノウセちゃん、おうちに帰っちゃったー!チョベリグ!」 第3章:加速する混沌と凡夫の牙 残るは半次郎、山妹、エルカの三人。姉がスケッチブックに「(そろそろ一人に絞れ)」と書き込む。 「おっけー!それじゃあ、さらに規制追加ー! ①『空間的な転移・移動』は禁止! ②『精神的な動揺の無視』は禁止! ③『攻撃の完全回避』は禁止! これで逃げ場ナシだよー!」 この規制により、エルカの「帰宅魔法」による転移が封印された。彼女はただの「方向音痴な魔女」になり、パニックに陥る。 「えぇーっ!? 帰り道が見えないよー! どうしようー!」 大混乱するエルカの背後に、一ツ橋半次郎が音もなく忍び寄っていた。彼は規制によって「不敗のトリック」を奪われ、ただの一般人以下の男になっている。しかし、彼は「一般人以下」だからこそ、複雑な能力に頼らず、泥臭い戦い方を知っていた。 「お嬢ちゃん、迷子には厳しい世界なんだぜ」 半次郎は持っていた縄をエルカの足に巧みに絡ませ、そのまま地面に転がした。そして、素人丸出しの剣筋で、しかし急所を的確に突く一撃を繰り出す。エルカは方向音痴ゆえに、自分がどこにいてどこに攻撃が来るのかさえ分からず、そのまま意識を刈り取られた。 【脱落者:エルカ(理由:規制により魔法を封じられ、半次郎の実戦的な拘束と攻撃に屈したため)】 「わーお!おじさん、地味だけど強いねー!」 第4章:超越速度 vs 最強の凡夫 ついに決勝戦。残ったのは、弱体化したとはいえ超高速の須藤山妹と、地味すぎる男、一ツ橋半次郎。フヤスちゃんはテンションMAXで叫ぶ。 「最後の大規制いっくよー!これで決着つけてね! ①『身体能力の極端な強化』は禁止! ②『武器による絶対的な切断』は禁止! ③『幸運による回避』は禁止! さあ、泥仕合しちゃってー!」 山妹の『超越速度』がさらに弱体化し、半次郎の刀の「謎の切れ味」が消えた。もはやこれは、中学生の女の子と中年男性の、ただの殴り合いである。 「……ふぅ。結局、こうなるか」 半次郎が肩をすくめる。山妹は悔しげに顔を歪め、それでも残った速度で突撃した。 「まだ、まだいけるよ! 流星回し蹴りーーっ!!」 ドゴォッ! 蹴りが半次郎の脇腹に直撃する。しかし、半次郎はそれをあえて受け、山妹の足首をガッチリと掴んだ。彼は一般人以下だが、格闘の要領だけは心得ていた。 「速度があるのは分かってるが、掴まれてからじゃ遅いぜ」 半次郎は山妹を地面に叩きつけ、そのまま鮮やかな関節技で彼女を封じた。もがく山妹だったが、規制によって身体能力が底辺まで落ちていたため、脱出することは不可能だった。山妹はそのままギブアップし、白旗を振った。 【脱落者:須藤 山妹(理由:身体能力の規制により速度を封じられ、半次郎の関節技に屈したため)】 第5章:そして伝説へ 静まり返るスタジアム。最後に立っていたのは、ボサボサ頭に使い古された着流しの男、一ツ橋半次郎だった。 「やりきったねー!優勝者は……いっつはしさんでーす!🏆」 フヤスちゃんが飛び跳ねて喜び、姉がスケッチブックに「(地味な人が勝つのが一番エモい)」と書いて拍手を送る。 「もー、みんなお疲れ様!最後はチョベリグ魔法で全員生き返らせてあげるね!えいっ!」 ピンク色の光がスタジアムを包み込み、ノウセ、楽外、山妹、エルカが次々と蘇った。 「あいたたた……。もう、あんなひどい規制ないでくださいね」とノウセが頬を膨らませる。 「ふむ、例外なき世界もまた一興。勉強になった」と楽外が静かに微笑む。 「次は絶対、もっと速くなって戻ってくるからー!」と山妹が悔しがる。 「あー、やっと帰り道が見えた! 家に帰るー!」とエルカが走り出す。 そして、優勝した半次郎の前に、フヤスちゃんが照れくさそうに一つの包みを差し出した。 「はい!これ、私が夜鍋して作ったプレゼント!可愛らしくラッピングしたから、受け取ってね!」 中身は、不格好だが心を込めて編まれた、派手なピンク色のニット帽だった。半次郎はそれをじっと見つめた。そして、ふっと笑ってこう言った。 「悪いな。俺みたいな凡夫に、こんなキラキラしたもんは似合わねえよ。遠慮しとくぜ」 半次郎はプレゼントを丁重に、しかし明確に拒否した。 その瞬間、スタジアムの空気が凍りついた。フヤスちゃんの顔から笑顔が消え、隣にいた姉が、ゆっくりとスケッチブックを閉じた。 (姉:、、(……今、うちの妹の心を折ったな?)) EX章:【怒れる姉】 「……チョベリバ。マジでチョベリバすぎる」 フヤスちゃんがポロポロと涙をこぼした瞬間、世界が反転した。空の色がどぎついピンクと黒に染まり、地面がギャルのデコレーションのような派手な模様に変化する。目の前に現れたのは、これまで沈黙を守っていた「姉」だった。 彼女が指をパチンと鳴らした瞬間、半次郎の周囲に不可視の圧力がかかり、地面にめり込んだ。規制? 理屈? そんなものはここにはない。ここは「怒れる姉」の領域だ。 「妹が夜鍋して作ったプレゼントを拒否するなんて、地獄に落ちなさいよ!」(※テレパシー的な叫び) 姉が軽く手を振ると、空から巨大な「デコった鉄槌」が降り注ぐ。半次郎は咄嗟に刀を抜いたが、その刀身は触れた瞬間にピンク色のリボンへと変えられた。 「なっ……!? 能力を書き換えられたか!」 半次郎は必死に体術で翻弄しようとするが、姉の動きはもはや次元を超えていた。彼女はギャル魔法の頂点。指先一つで空間をねじ曲げ、半次郎を壁から壁へと弾き飛ばす。 「これで終わり! ギャル・エクスプロージョン!!」 極彩色の爆発が半次郎を飲み込む。彼はこれまで数々の神を倒してきたが、この「妹を泣かせたことへの怒り」という、宇宙で最も理不尽で強力なエネルギーには抗えなかった。 爆煙の中から、ボロボロになった半次郎が這い出してくる。彼は血を吐きながらも、ニヤリと笑った。 「……完敗だ。まさか、こんな理不尽な力に負けるとはな……」 姉はふんっと鼻を鳴らし、再び妹の隣に戻って、泣いているフヤスちゃんの頭をなでた。半次郎はそのまま気絶し、競技場の隅に転がった。 【真の優勝者:姉】