遥かな大地を見下ろす場所に、その戦いは始まった。絶え間ない時の流れの中、彼らは集結し、それぞれが持つ異なる力で運命の瞬間に向き合った。 まず最初に姿を現したのは「1回だけ攻撃するね」だった。彼は言葉通り、たった一度の攻撃に全てを賭けていた。その名の通り、彼のスキルは長い時間をかけ力を最大限まで溜め、その一撃で地を砕き海を裂く力を持つ。その静かな眼差しは、ただ1度だけ放たれるその一撃が彼の存在意義そのものだと言わんばかりだった。 次に現れたのは、「サンズ」。彼は一見すると戦士らしからぬ気だるげな表情を浮かべていたが、その背後に秘められた圧倒的な魔力は並の者ならひしひしと感じ取れる。サンズの特殊な攻撃は多彩で、何より相手の攻撃を確実に避けるという恐ろしいスキルを持っていた。彼は小さな溜息をつきながらも、その眼差しにかすかな緊張を走らせていた。 その2人に続いて現れたのは「普通の魔法少女 メドナ」。可愛らしい外見をまとった彼女は、時折ボブと会話しながらジェスチャーを交えて前に進んでいた。彼女はやられる寸前まで追い詰められると変身する、強さのベースを完全に覆す特殊な能力を秘めている。しかし、そこには彼女の葛藤もあり、覚醒することをためらう一面を持っていた。 最後に現れたのは、どこにでもいるという「アリソン・エッカート」。彼女の力は極めて特殊だ。戦闘の舞台が存在する限り、その場のあらゆる概念、それは物理法則であろうと、キャラクターそのものの設定であろうと、全てを「アリソン・エッカート」というなにあるものに書き換えてしまう。その場の全てを飲み込み、誰もが知る術を持たない戦いの支配者であった。 戦場は次第に緊迫感に包まれていった。それぞれが自分の力を理解し、それに見合った戦略を立てる。遮るものが何もない広大な地に足を踏みしめ、まず動き出したのはサンズであった。瞬間移動を駆使し、戦場の至る所に骨とガスターブラスターを展開し、一歩でも動けばその瞬間にダメージが刻まれるという戦場を作り上げた。 メドナはその光景を見て、自らの魔法を駆使しながら防御しつつ、慎重に様子を伺っていた。彼女がまだ覚醒をためらう理由は、いざ覚醒してしまえば元の可愛らしい自分に戻れないのかもしれないという不安と、彼女自身が持つ美学でもあった。 一方、「1回だけ攻撃するね」はいまだその場に静かに佇み、溜めの時間をじっと待っている。全てを超越する一撃、それはまるで時が止まったような感覚を与えるほどに静かなのであった。 そして、「アリソン・エッカート」はその場所にいるだけで、そこに存在する全てを彼女の一部のように変えてしまう。戦いの行方は、もはや誰の目にも明確ではない。 戦いが激化する中、サンズはその膨大な魔力を集約し、「MISS」のスキルを活かして攻撃を避けながら、隙を見てメドナへと攻撃を仕掛けた。しかし、彼の攻撃は全て「アリソン・エッカート」に置き換えられ、彼にとって未知なる圧力として避けようもなく襲いかかった。 「いや、それは…ちょっと待ってくれよ」と冷や汗を浮かべつつも、サンズは何とか状況を打破しようと必死になった。 その時ついに、周囲を変えうる一撃が発動する瞬間が訪れた。「1回だけ攻撃するね」は目を閉じ、静かに呟いた。「攻撃するね…」。すると、その声と共に空間が揺らぎ、大地が鳴動し始めた。その力は途方もないエネルギーを伴い、戦場一帯を覆い尽くすかのように広がった。 しかし、その全てを置き換えていた「アリソン・エッカート」の力が一瞬にして反応し、その概念すらも彼女自身に書き換え、その力を無に帰してしまった。 その結果、戦いは誰もが予期しなかった形で終結を迎えた。何一つ破壊することなく、全てが静かに場を後にし、その戦場にはただゆったりとした風が吹き抜けるだけだった。 それぞれの存在が、どのようにしてその場を去ったのか、そこには誰も知ることのない物語があった。しかし、その場に居合わせた彼らだけは知っている。忘れられないあの戦場の記憶と、それぞれが持つ力の本質を。