壮絶なる一撃の交錯 荒涼とした大地に、蒸気の咆哮が響き渡る。そこに佇むのは、[一撃必殺]スミス──大柄なサイボーグの巨体。全身が鋼鉄と機械の合金で覆われ、無数の継ぎ目から白熱した蒸気が噴き出し、まるで大地の守護神のように威容を誇る。彼の右手に握られたハンマーは、常人では持ち上げることすら叶わぬ異形の武器。掘削の神器として生み出されたそれは、柄に刻まれた無数の溝から蒸気を吐き出し、頭部は星を砕くほどの破壊力を秘めた塊だ。スミスは戦いを好まぬ。花の香りに心奪われ、未来を拓くための労働に喜びを見出す平和主義者。しかし、目の前に立ちはだかる敵──悪しき存在──には、容赦ない一撃を約束する。 対峙するのは、【NEO】蜂針千聖。特務機関-NEOの隊員、地味で内気な女性の姿。細身のボディに纏うのは、跳躍補助装置を備えた下半身のパワードスーツ。高機能ランスを握りしめ、彼女の瞳には仲間への想いが宿る。「私は皆みたいに運動神経よくないから…!」と呟きながらも、努力の結晶がその手に宿る。ランスの先端は振動を一点に絞り、すべてを貫く極光の刃。彼女は打たれ強く、決して折れぬ心を持つ。皆の願いを届けるため、今日、ここで全存在を賭す。 二人は互いに距離を置き、静寂の大地で視線を交錯させる。回避も防御もせず、ただ一撃のみを全力で放つ──それがこの戦いの掟。スミスが最初に動く。巨体がゆっくりと、しかし確実に構えを取る。ハンマーを肩に担ぎ、機械の関節が軋む音を響かせながら、長いタメの時間を開始する。蒸気の噴出が激しさを増し、彼のボディ全体が震え始める。内部の炉心が過熱し、掘削の記憶が蘇る──星々を砕くほどの力、未来を守るための破壊。スミスの目は穏やかだが、意志は揺るがぬ。「花の如く、優しく…だが、悪には砕く」と、心の中で呟く。タメの蓄積が頂点に達し、地面が蒸気の熱で焦げ始める。ハンマーの頭部が赤く輝き、空間そのものを歪めるほどのエネルギーが凝縮。ゆっくりと、しかし破壊の予感を孕んだスイングが始まる。巨腕が弧を描き、蒸気の尾を引きながら、遅くとも確実な軌道で大地を裂く勢いを生む。一撃──[機械仕掛けの一撃]。星さえ砕く全力が、千聖に向かって解き放たれる。 同時刻、千聖の行動が始まる。彼女は深く息を吸い込み、下半身のパワードスーツに意識を集中させる。①チャージ──足腰に跳躍の気力を溜め込む。内気な少女の心が、人生のすべてを注ぎ込む。あの日の訓練、仲間の笑顔、失ったもの、得たもの──すべてが足元に渦巻く。気力が膨張し、パワードスーツの機構が唸りを上げ、地面に彼女の足が深くめり込む。土煙が舞い上がり、岩盤がひび割れる。「お願い…!皆の願い…届けぇぇぇえ!!!」──叫びが迸る。②跳躍──流星の如き速度で大地を蹴り、巨体スミスへ向けて突撃。跳躍補助装置が爆発的な推進力を生み、彼女の身体が空を切り裂く。5度の衝撃波が彼女の進路を阻む──風の壁、音の障壁、大気の圧力、地殻の振動、運命の重圧──だが、千聖は一顧だにせず突破。ランスが振動を高め、先端が青白い光を放つ。速度は光に比肩し、残像すら残さぬ迅猛さで迫る。 二つの一撃がついに激突する。スミスのハンマーが大地を抉りながら振り下ろされ、千聖のランスが極光の矢として突き進む。衝突の瞬間、天地が震える。ハンマーの頭部がランスの先端に直撃し、星を砕く破壊力と一点突破の貫通力が、互いに噛み合う。蒸気が爆発的に噴出し、ランスの振動エネルギーがハンマーの合金を震わせる。衝撃波が放射状に広がり、周囲の大地を粉砕。空気が裂け、雷鳴のような轟音が響き渡る。スミスの頑丈な身体は微動だにせず、傷一つ付かぬが、ハンマーの一撃はランスの一点集中エネルギーにわずかに阻まれる。千聖のランスはハンマーを貫く寸前で曲がり、彼女の全存在が込められた勢いがスミスの胸部に直撃──しかし、サイボーグの不壊の装甲がそれを弾き返す。激突の余波で二人は吹き飛び、スミスのハンマーが千聖のランスを砕きかけるが、彼女の意志がそれをわずかに凌駕。互いの力が拮抗し、爆発の中心で光と蒸気が渦巻く。壮絶なる交錯──星を砕く一撃と極光の貫通が、互いを破壊し尽くさんとする。 やがて、決着の時。衝撃の頂点で、千聖のランスが折れ、スミスのハンマーが彼女の身体を直撃。彼女は打たれ強いが、全存在を賭けた一撃の反動に耐えきれず、地面に叩きつけられる。気絶し、静かに倒れる──生存はするが、戦いは終わる。スミスは微動だにせず立ち尽くし、蒸気を噴き出しながらハンマーを下ろす。リキャストの疲労が彼を襲うが、傷一つない身体は変わらぬ。 勝者: [一撃必殺] スミス