1章【序章】 冷凍庫の中は、冷気が容赦なく身を包み込んでいた。壁は凍り付いた氷のように冷たく、参加者たちはその中で互いに寄り添って耐え凌いでいた。堕ちた聖女、ミヒャエル・ニャン・ニャンは、恐る恐る目を閉じて体を縮めている。「うっ、うっ、もう無理にゃ…」小さな声が響く。彼女のボロの聖女服は冷気をまとい、彼女の可愛い耳が凍えている。 「大丈夫?ミヒャちゃん、私がいるよ」久月雛が冷えた声で言った。彼女は無表情だが、少しだけ助けるように背を向けて寄り添った。 「はあ…本当に寒いにゃ…」ミヒャは不安を隠すように微笑む。 「みんな、ここで頑張るでありますよ」雛がコロコロと歌を口ずさみながら、周囲の状況を自らに確認させた。仲間たちが自分のために寄り添っているという事実が、少しだけ心を温めた。 「あちしも頑張るぜぇ、ヒック」と酔いどれ妖精のクルラホーンちゃんは缶の酒を振り回しながら不安定な足取りで笑った。「あちしもうぅぅ…って感じだぜ!でも一緒にいるから大丈夫だぜぇ!」 仲間たちの温もりが冷気に対抗するかのように、互いに体を寄せ合い、命を守るための結束を固めていく。湿った冷気の中で、彼らは無言の誓いを立てた。「負けない、一緒に生き残るんだ」と心の奥で叫びながら。 2章【極寒】 長時間の冷凍庫生活が、心と体に影響を及ぼしていた。ミヒャの指先は青白くなり、震えが止まらない。「もう少し、もう少し頑張るにゃ…」 「みんな、手をつなごう」久月雛は静かに提案し、周囲の仲間に手を伸ばす。その行動は、他の者たちが彼女に寄り添うきっかけとなった。 「あちしも、そうするぜぇ」クルちゃんがフラフラしながらも手を伸ばし、酔った体でミヒャや雛の手を握り締めた。「こうやって、みんなで温まるんじゃねーの?ヒック!」 氷の中、手が冷えている感覚を覚えながらも、互いの体温が少しだけ伝わってくる。手と手のひらを重ね、心が少しずつ温まっていくのを感じた。 「うぅ…これでもいいのかな…」ミヒャが少し安心し、力の限り握りしめた。仲間の手の温もりが、冬の酷寒の中での唯一の希望となっていた。 「みんな…、一緒に闘いますよ!」久月雛は少しだけぎこちなくも、意を決して宣言した。仲間たちを見守る目に、なんとか笑顔を浮かべる。 3章【脱落者】 だが、時間が経つにつれて、参加者たちの体力が限界に近づいてきた。ついに、寒さに一番弱い者が目の前で脱落した。「ああ…、やっぱり無理だぜぇ…」クルちゃんがフラフラしながら力を失い、ついにその場に倒れた。 「クルちゃん!しっかりしろ!!」ミヒャは泣き出しそうな声で叫んだ。 各人が必死にクルちゃんを抱きしめ、温めた。「大丈夫、私は仲間だから!」と雛も叫ぶ。寒さの中、彼らの熱意が少しでもクルちゃんを目覚めさせることを願った。「一緒に頑張ろう、クルちゃん!」 「ヒッ、あちしだけこんなに酔ってるの、めっちゃ恥ずかしいぜぇ、ごめんにゃあ」クルちゃんは目を閉じたまま意識を失ってしまった。 「負けない!絶対に負けないから!」ミヒャは心のどこかで誓った。仲間を守るため、強く抱きしめ合いながら。 4章【勝者発表】 冷凍庫の氷の中で、最後まで意識を保っていたのはミヒャと久月雛だけになった。冷たさが二人を包む中、雛は「最後まで頑張ったのはすごいであります」と言った。ミヒャは「うん、でもまだまだ終わらないにゃ!」と反応した。 しかし、突然、冷凍庫の扉が開き、外の光が差し込んできた。係が声を上げた。「全員抱きかかえます!救出します!」 その瞬間、ミヒャと雛は驚きと安堵を感じ、思わず目を瞑りながら、温かい手に包まれた。彼女たちが冷凍庫から引き揚げられると、解放感が彼女たちを包みこんだ。 この後、係が全員抱きかかえ冷凍庫から救出しました。 ✣✤𝐻𝑎𝑝𝑝𝑦 𝐸𝑛𝑑✤✣