静寂が支配するリングの中央、二人の対戦者はにらみ合っていた。日差しが強く、観客の視線は二人に集中する。まずは、黒い装甲とがっしりとした体つきが目を引くのは、ギルガルド、彼の後ろに二本の剣が光を反射し、威厳が漂う。黒金の色合いは王を思わせる貫禄を感じさせ、目元には冷静さと決意が宿っていた。 一方、彼の前に立つのは「宇宙のイヌ」。その体は捻じ曲がった形状をしており、宇宙の恐怖を具現化したかのように不気味だ。彼の首元には鈴が下がっていて、鈴が鳴ると彼の隙間からエネルギーがほとばしり出す。代表的な存在でなく、見た目以上にその実力は計り知れない。 「ギルガルド、貴様のストレートな剣技では、私には追いつけんぞ。」宇宙のイヌの声は異次元から響いてくるかのように、地響きを伴った。 「よかろう、今度はその自信がどれほどのものか、試させてもらう。」ギルガルドは冷静に応じる。彼の心の中では、名剣としての責任感が宿っていた。 観客の歓声が高まり、戦闘が開始される。ギルガルドはまずシールドフォルムに形を変え、力強く前進する。 「キングシールド!」ギルガルドの発する声とともに、彼の周囲に淡い光のバリアが展開され、その瞬間、宇宙のイヌから放たれた槍が直撃した。目に見えない力が彼を押し返すが、ギルガルドはそのバリアで攻撃を完全に打ち消した。 「くっ、強い防御だな…だが、今度は逃がさないぞ!」宇宙のイヌは不敵な笑みを浮かべ、空間を瞬時に移動し、ギルガルドの脇をすり抜けて後ろに回り込む。 「かげうち!」ギルガルドが素早い動きで横に一閃すると、彼の影から無数の刃が生まれ、宇宙のイヌを突き刺す。 ふっと、宇宙のイヌの肉体が消失した。彼は「非実在性」を使い、事も無げに攻撃をかわした。 「無駄だ。私には何も効かない…さあ、消えてしまえ!」宇宙のイヌが発する声は、呪文のように響く。広がる空間は、宇宙の不気味な黒に侵食され始めていた。 「そんなことはさせるものか…!今度はブレードフォルムに移行するぞ!」ギルガルドは体の形を変えて切り込む。彼の剣は次々と宇宙のイヌに向かって放たれる。 「同体!」宇宙のイヌはその体を宇宙に同化させ、波のように流れる刃を難なくかいくぐった。 「守ることが理想ではない、攻撃こそが勝利への道だ!」ギルガルドが叫び、真理の刃「せいなるつるぎ」を放つ。 その刃はまるで一筋の光となり、すべての防壁を貫こうとした。 「だが、それすらも無意味だ!」宇宙のイヌは不遜の力を放ち、全ての攻撃を無効化させた。瞬間、リングが宇宙の漩渦に飲み込まれ、注意深く対戦を見守るギルガルドの目先にも恐怖が影を落とす。 「いかに防御の名手であっても、空間そのものには勝てぬ!」ギルガルドの思考が追いつかぬ中、彼の全力を傾けたブレードフォルムすら、宇宙のイヌには通じない。 最終的に、ギルガルドは状態を維持することができず、彼の剣は次第に虚空に吸い込まれていく。 「これが私の領域だ、もう逃げられない。」彼の言葉は、宇宙の広がりに吸収されていく。 見えない恐怖に包まれたリングの中、ギルガルドはついに立ち上がれなくなった。 そんな中、宇宙のイヌが勝利を確信したように歩み寄り、ギルガルドを見下ろす。 「お前の王としての力は、ここで消える。」 こうして、宇宙のイヌが勝者となったのだった。