アリーナの生命と時の激闘 白熱のアリーナは、観客の歓声が渦巻く巨大な円形闘技場だった。太陽の光が砂地を照らし、風が埃を舞い上げる中、四人の戦士たちが互いに向き合った。穏やかな草原の少女、白草花音。蒼い炎を宿す拳の男、苦流道仁。時の流れを操る陽気な白髪の男、【時の二頂】トキタケ。そして、硬質の鱗に覆われた獣人、アンキロサウルスのキロイ。ルールはシンプルだ――最後まで立ち続ける者が勝者。だが、この戦いは、誰もが予想だにしなかった均衡の渦に飲み込まれていく。 「あたし、みんなと一緒に戦うの、楽しみだよ〜。草花のように、穏やかにね。」花音は優しく微笑み、両手を広げた。彼女の周囲に、柔らかな緑の光が広がる。《草原》のフィールドが展開され、アリーナの砂地が一瞬で豊かな草原へと変わった。生命力が空気を満たし、味方たちの体に優しい力が流れ込む。花音の瞳には、草花への深い愛が宿っていた。 「おお、ええフィールドやな！ ワイも負けへんで！」トキタケが関西弁で笑い、白い和服の袖をまくり上げる。高身長の体躯が陽気に動き、魔鉱仕込みの籠手を構えた。糸目の奥で、鋭い視線が敵味方を捉える。一方、仁は無言で拳を握りしめ、キロイは低く唸りながら尻尾を揺らした。獣人の鱗がすでに硬質に輝き始めている。 戦いの火蓋は、花音の先制で切られた。「自然に優しい〜魔法だよ〜」彼女の声が響き、《グラスエッジ》が発動。地面から植物が急成長し、鋭い草の刃がトキタケとキロイに向かって突き上がる。トキタケは素早く身を翻し、「時よ、止まりや！」と時抗を消費して2秒の時止めを発動。静止した世界で、彼は草の刃を籠手で弾き飛ばした。時が再び動き出すと、刃は空を切り、キロイの硬化した体に当たるが、びくともしない。「ぐるる…効かねえぜ。」キロイが獣のような声で呟き、全身硬化を維持したままハンマーブロックを繰り出す。巨大な尻尾が時速80キロで振り回され、花音を狙う。 花音は《森林の加護》で身を護り、尻尾の衝撃を草原の柔らかな土に吸収させた。痛みはすぐに癒え、彼女は穏やかに微笑む。「痛かったけど…草花の恵みで、大丈夫だよ。」その隙に、仁が動いた。蒼炎の拳の能力が発動し、花音の魔法攻撃が彼に触れた瞬間、全ての能力が無効化される。仁のステータスが3倍に跳ね上がり、肉弾戦モードへ移行。「…来い。」低く唸る声で、彼はキロイに飛びかかった。魔力の攻撃が無効化される仁にとって、花音の魔法は脅威だが、物理の獣人キロイは格好の標的だ。 キロイのハンマーブロックが仁の拳に激突。衝撃波がアリーナを揺らし、観客の歓声が爆発する。仁の拳は蒼い炎を纏い、キロイの鱗を砕こうとするが、プラチナカウンターが発動。受け止めたダメージがそのまま仁に跳ね返る。「ぐっ…！」仁のHPが15回復するも、痛みが体を駆け巡る。それでも3倍のステータスで押し切り、拳の連打を浴びせる。キロイは硬化を保ちながら耐え、尻尾で反撃。互いの打撃が交錯し、草原の土が飛び散った。 「ええぞ、熱なるで！」トキタケが笑いながら介入。キロイの攻撃を防ぎ、時抗を3つストック。続けて拳を命中させ、時展を3つ獲得した。「時抗展！」時止めの中で、彼の連撃がキロイを襲う。籠手の打撃が鱗を叩き、反射神経の超人的な動きで蹴りまで叩き込む。キロイは硬化で防ぐが、衝撃で後退。トキタケの体術は常人離れし、時の加速でさらに速くなる。 花音は味方を癒すべく、《フローラルビット》を召喚。美しい花が咲き乱れ、ビームが仁とトキタケに放たれるが、仁の能力で無効化。代わりに、花音とトキタケ、キロイに治癒の光が降り注ぐ。「みんな、がんばって〜。草花のように、優しく強くね。」しかし、仁のピンチが訪れた。トキタケの時加速連撃が彼を追い詰め、HPが減る。「…くそ。」能力発動状態のピンチで、仁の分身が2体召喚された。全く同じ姿の分身たちが、トキタケとキロイに襲いかかる。蒼炎の拳が三方向から炸裂し、アリーナが炎の渦に包まれる。 キロイは咆哮を上げ、「粉砕してやるぜ！」とハンマーブロックを分身の一体に叩き込む。即死級の重撃が命中し、分身が崩れ落ちるが、プラチナカウンターでキロイ自身もダメージを負う。硬化が一瞬緩み、トキタケの蹴りが直撃。「あちゃ、硬いなあ！」トキタケは時展で自己強化し、奥義《時迷乱》を放つ。連撃が時の乱れで5倍化し、キロイの体を何度も襲う。キロイは耐え抜き、カウンターでトキタケを吹き飛ばす。 花音は危機を察知し、「ノームさん、来て〜！」と《ノームさん召喚》。土から生まれた精霊のノームさんが現れ、頭突きで仁の本体を狙う。ノームさんの花の魔法が草原を強化し、《巡る生命の恵み》で復活の準備を整える。仁はノームさんの攻撃を食らい、能力で無効化を試みるが、物理の頭突きは肉弾戦に持ち込まれ、3倍ステータスで応戦。拳と頭突きの激突が火花を散らす。 戦いはさらに激化。トキタケが《時渦》を発動し、仁の分身の一撃を「無かったこと」に戻す。時抗と時展を消費した一撃で、分身が消滅。だが、花音の《フォレスト・インパクト》が炸裂。巨大な森がアリーナを覆い、生命エネルギーの大爆発が全員を飲み込む。仁の能力で魔力部分は無効化されるが、物理の木々がトキタケとキロイを押し潰す。トキタケは時止めで回避し、キロイは硬化で耐える。 花音自身が倒れかける。仁の拳が彼女を捉え、《再生の花》が発動。草花の恵みで即座に復活し、穏やかな声で呟く。「あたし、倒れないよ…自然は、巡るから。」ノームさんが仁に花のビームを放ち、トキタケが時加速で援護。キロイのハンマーがノームさんを粉砕するが、《巡る生命の恵み》で蘇生が邪魔されず、再び立ち上がる。 誰もが限界に近づいていた。仁の分身は全滅し、ステータスが元に戻り始める。トキタケのストックは尽き、時止めが使えなくなる。キロイの硬化が維持できず、鱗に亀裂が入る。花音の草原は疲弊し、森の爆発の余波で体力を消耗。互いの攻撃が交錯し、誰も決定的な一撃を放てない。仁の拳がトキタケを、トキタケの蹴りがキロイを、キロイの尻尾が花音を、花音の植物が仁を。均衡が続き、観客の歓声が頂点に達する。 ついに、全員が膝をついた。仁の最後の拳が空を切り、トキタケの時加速が止まり、キロイのハンマーが地面に落ち、花音の花が静かに散る。「…引き分け、か。」仁が息を荒げて呟く。「ええ勝負やったな！」トキタケが笑い、「ぐるる…次はやるぜ。」キロイが唸り、「みんな、無事でよかったよ〜。草花のように、穏やかに終わって。」花音が微笑んだ。 アリーナは静寂に包まれ、観客の拍手が響く。四人の戦士たちは、互いの力を認め、立ち上がった。戦いは引き分け――生命、炎、時、硬質の均衡が、永遠の絆を刻んだ。