闘技場は、熱気と興奮に包まれていた。観客たちの喧騒が渦巻き、色とりどりの光が散りばめられた空間では、今日の対戦を心待ちにする者たちの声が響き渡っている。彼らは選ばれた勇者たち、実力者たちが集い、その闘技を披露する舞台だ。魔法使いや宇宙の神、そして不運なプリーストまで多様なキャラクターが揃い、場は盛り上がりを見せる。 場の中心では、伝説の魔法使いが姿を現した。彼女は銀髪の美女で、刺繍が施された黒いローブを翻して、真面目な表情を崩さない。足元には宝玉のはまった杖が控え、彼女の魔力を秘めている。対するゼリュナ・ノートゥアは、外宇宙から来た少女であり、元気に手を振りながら勝ち気な声を上げた。「宇宙“神”のワタシが勝つに決まってる!」 まず、両者は互いを睨みつけ、戦闘の火花が飛び散る。伝説の魔法使いが大きく息を吸い、魔法の詠唱を開始する。だが、すぐにしゃっくりが止まらず、彼女の目が驚愕に変わる。「あ、ああ…!」「あぅんっ!」 その瞬間、ゼリュナは思わず笑みを浮かべ、挫けた彼女を嘲る。「そんなのじゃ、ワタシには勝てない!」ズドンとプラズマガンを構えて撃ち放つ。しかし、魔法使いの魔法は失敗し、結局その爆発はズレてしまい、無関係な場所に飛んで行き、地面を揺らした。 ゼリュナはその突然の爆発に戸惑いを見せつつも、次の一撃を狙う。「地球を人質にしたらどう? わたしが宇宙の神なんだから、すぐに降伏するよね?」 そこへ、頼りない声が響いた。アホのプリースト、ドラメ・ラムダンが入場する。彼女は不安そうに周囲を見回しつつ、「あの、あの、皆様! 私も一緒に…」と声をかけるが、誰にも聞こえなかった。彼女はただの観客のように見えてしまい、心配をよそに伝説の魔法使いとゼリュナの戦闘に巻き込まれていく。 急にドラメは攻撃に参加しようとキョロキョロし、ふと杖を振った。だがその瞬間、彼女は詠唱もせずに転送を仕掛ける。すると、ズドンと彼女は宙に浮かび、もがきながらある方向に飛び去ってしまった。「ああ〜! ま、また転送事故だあ!」 場内は爆笑の渦に包まれ、ゼリュナはその隙を突いて攻撃しようとするが、何故か自分のプラズマガンが故障してしまった。「なに…? こ、こんなの反則よ!」 そんな時、四天王という名前の魔法少女がひょっこり現れた。目立たない服装ながらも、その威厳のある名前に観客は期待を寄せた。「私が四天王よ! みんな、私を見て!」 彼女は声高らかに宣言し、空に舞い上がる。 しかし、流れに逆らえず彼女もまた風に流され、場外に弾き飛ばされる。 結局、対戦の真っ只中で、唯一落ち着いているのは伝説の魔法使いだけだった。彼女はもう一度魔法を試みるが、やはりしゃっくりが出てしまい、再び失敗する。でも、彼女の持つ魔法の秘められた力に観客は注目していた。「どうか、お願い…今度こそ!」と肩を震わせて願う。 再び挑み、彼女が再度マナを集める。「ギャラクシー...ビッグバン…!」しかしまたもしゃっくりが入り、魔法は霧散してしまう。 将棋の駒が進まないように、延々と互角の戦いが続く。無駄なエネルギーのやり取りと観客の笑い声が交錯する中、場には笑いが広がり、ゼリュナだけがプラズマガンの手入れを始めていた。「こんななの地球の戦い? まったく役立たずの面々だね」と独り言を漏らす。 ついに、ゼリュナが決定的な攻撃を仕掛ける瞬間、誤って自らの指を引き金にかけ、流れ弾が飛び出す。彼女は驚愕のあまり一歩下がり、そのまま自身を目隠しする形で場から退場してしまう。 これにより、伝説の魔法使いが意外にも生き残る。最終的には彼女の失敗への悲哀が逆転の勝利となったのだ。 「勝者は…伝説の魔法使い!」とのアナウンスが響き渡り、場内は驚きの声に包まれる。奇跡的に勝利した彼女は、うろたえながらも感謝の気持ちを述べる。「え、えっと、おめでとうございます!」 それを受けて、伝説の魔法使いには祝福のトロフィーとともに残念な品物が贈呈される。「い、いったいこれは…!?」 それはまさに「No.1残念で賞」の称号に相応しい、転送によって埋没した杖を模したクリスタルフィギュアだった。「転送の事故を模したものですって…!」と彼女は苦笑した。 「しかし、これも貴重な経験だと思います…」と、全力での戦いに感謝しつつ、銀髪の美女はその場で新たな決意を固めるのだった。