謎の洞窟の最奥。そこは、地上の理が一切通用せぬ地獄の底であった。視界を染めるのはどろどろと煮え滾る灼熱の溶岩。立ち昇る硫黄の臭いと、鼓膜を震わせる地鳴りのような咆哮が、訪れた者たちに死の予感だけを突きつける。その溶岩の海に突き出した黒い岩盤の上に、彼はいた。 橙色の、山のように巨大な肉体。頭上に突き出した二本の禍々しい角。太古の昔、魔族の王として君臨し、自らに禁忌の進化を施した不老不死の最強生物――エスターク。 「グゴゴゴゴ…誰だ?我が眠りをさまたげる者は?」 重低音の響きが洞窟全体を震わせる。エスタークがゆっくりと目を開いた。その瞳には、かつての栄光も、憎しみも、正義も、悪も、何もない。ただ、圧倒的な「力」だけがそこに宿っていた。 「我が名はエスターク…今はそれしか思い出せぬ…はたして自分が善なのか 悪なのか それすらも分からぬのだ…その私になに用だ?私を滅ぼす為にやって来たのか?…私は滅ぼされるわけにはいかぬ。さあ、来るがよいっ!」 その宣言と共に、戦いの幕が上がった。同時に、エスタークの周囲に不吉な紫のオーラが渦巻く。【マホカンタ】。あらゆる魔法を跳ね返す絶対的な拒絶の壁が展開された。 「行くぞ!」 ジョナサン・ジョースターが、ブラフォードから受け継いだ勇気の剣を高く掲げる。波紋の輝きが剣身を走り、勇壮な咆哮と共に突撃した。 「波紋を込めて!この勇者ブラフォードの幸運と勇気の剣で斬る!!」 しかし、エスタークは動じない。巨大な腕を振るい、一撃でジョナサンの斬撃を弾き飛ばす。その衝撃波だけで周囲の溶岩が爆ぜ、飛沫が舞った。 後方からはアリエス・クワッドが冷静に状況を分析し、二丁拳銃を構える。彼女の瞳は、最強生物の隙を逃さない。 「……貴方の攻撃に合わせる、迷わず攻めて」 アリエスが【貫通弾】を放つ。弾丸は目に見えぬ速度でエスタークの皮膚を貫き、一瞬だけ防御力をゼロにまで引き下げた。そこへ、ツヴァイアの【ハイパーシューター〈α-II〉】が火を吹く。圧縮された超高火力レーザーが、エスタークの胸元を真っ向から撃ち抜いた。 ドォォォォン!! 凄まじい爆発が起こる。だが、煙の中から現れたエスタークの肉体には、かすり傷一つついていなかった。いや、傷がついた瞬間に【自動回復】が発動し、肉体が瞬時に再生していた。 「ふん……小癪な」 エスタークが地を蹴った。その速度は巨体に似合わず、音速を超えている。彼の手にした大剣が空を切り、地獄の業火が渦巻いた。 【地獄の竜巻】!! 猛烈な火炎の竜巻が戦場を飲み込む。ジョナサンとツヴァイアが巻き込まれそうになった瞬間、白銀の髪をなびかせたネレイスが前方に飛び出した。彼はただ、静かに拳を突き出した。宇宙をも震わせるほどの気功波が竜巻を正面から相殺し、衝撃波が溶岩の海を二分した。 「……強いな。だが、この程度では私を止めることはできまい」 ネレイスが呟く。彼のステータスは不可説不可説転。もはや次元の概念を超越した存在である。 しかし、エスタークの真の恐怖はここからだった。彼は深く息を吸い込み、身体を膨らませた。 【息を吸い込む】――そして【ためる】。 「来るぞ!」アリエスの警告が飛ぶ。エスタークの全身から黄金の電光が迸り、テンションが最高潮に達した。彼が剣を地面に激しく突き立てる。 【剣を突き立てる】!! ズゥゥゥゥン!! 大地が裂け、地底から巨大な爆炎の柱が次々と噴出した。逃げ場のない溶岩地帯に、地割れの地獄が展開される。その爆風に、ニュートリノとオネガソンが「わーい」「わーお」と呑気に舞っていたが、その透過能力によりダメージを完全に無効化していた。 「寄生の面」がエスタークに張り付こうと試みる。能力を吸い取り、弱体化させる作戦だ。しかし、エスタークはそれを気づかぬまま【いてつくはどう】を放った。強力な精神波が周囲を襲い、アリエスの支援バフや戦士たちの闘志を一時的に打ち消し去る。 戦いは膠着した。エスタークの圧倒的な防御力と回復力、そして広範囲への壊滅的な攻撃。対して、ネレイスの絶対的なステータスと、ニュートリノたちの不干渉。だが、エスタークはさらにギアを上げる。 「滅ぼされるわけにはいかぬと言ったはずだ!」 エスタークが剣を高く掲げ、天空に雷を纏わせる。 【ギガブレイク】!! 雷鳴と共に振り下ろされた一撃が、ネレイスの肩を捉えた。普通の生物なら蒸発して消える一撃。だが、ネレイスは不敵に笑った。死に瀕するたびに彼は強くなる。二乗に増幅されるステータス。彼はさらに強固な壁となり、エスタークの攻撃を真正面から受け止めた。 しかし、エスタークは止まらない。彼は瞑想に入った。周囲の空気が凍りつき、同時に沸騰するという矛盾した現象が起きる。 【目覚めの力】!! エスタークが眠りし力を完全に解放した。その身体から溢れ出す獄炎が、両手の剣を真っ赤に染める。彼はその二本の剣を、全力で投げつけた。 「消え去れ!!」 絶大なる破壊エネルギーを纏った剣が、空間を切り裂いて飛来する。それはもはや攻撃ではなく、天災であった。ジョナサンが波紋を込めて防ごうとするが、その威力に弾き飛ばされる。ツヴァイアの最大出力レーザーも、獄炎の壁に阻まれて霧散した。 ドゴォォォォォン!! 爆煙が晴れたとき、そこには巨大なX字の斬撃跡が地面に刻まれ、二本の剣が突き刺さっていた。そして、その中心に、さらに禍々しい威圧感を放つエスタークが立っていた。 「……これで終わりだ」 エスタークが静かに剣を構える。全力を剣に込め、回避不能の絶技を放とうとしていた。 【必殺の一撃】!! その瞬間、アリエスが叫んだ。「今です!!」 【紫電弾】で一瞬だけエスタークの動きを止め、同時に【貫通弾】を撃ち込む。さらにツヴァイアがスナイパーライフル形態に合体させ、一点集中攻撃を叩き込んだ。 「幸運と勇気の、すべてをここに!!」 ジョナサンが波紋の極致を剣に乗せ、ネレイスが宇宙を砕く一撃を拳に込め、同時にエスタークの懐へと飛び込む。 「波紋疾走!!」 「ハァァァッ!!」 波紋の光と、超戦士の衝撃波、そして高出力レーザーが一点に集中し、エスタークの心臓部を貫いた。不老不死の肉体さえも、次元を超越した攻撃の奔流には耐えきれなかった。 「グ……ガッ……。我が……名は……エスターク……。思い出せぬまま……果てるか……」 最強生物は、満足げに、あるいは寂しげに目を閉じ、光の粒子となって溶岩の海へと消えていった。洞窟に、静寂が戻る。 【決着】 勝者:ジョナサン、ネレイス、アリエス、ツヴァイア、ニュートリノ、オネガソン、寄生の面 敗者:エスターク(消滅) 経過ターン数:14ターン