薄暗い闘技場。東、西、南、北の門からそれぞれ異なる参加者が登場する。 「よろしくねー?」小柄な体躯を持つ縛蜘アクナが弾むような声で周囲に挨拶をする。彼女の四本の腕が水面のように柔らかく揺れる。 「テメェ、そんな軽々しい声使うと、すぐに潰すぞ!」北の門から出てきた機体「サッドグリム」に乗るマウデンス・リッキーマウスが冷酷に応じる。彼の言葉は怒りで満ちていたが、その瞳には疲れ切った悲しさが垣間見える。 その時、南からは「悲しみを背負っている神」愛斗が刀をこちらに構えて静かに立ち上がる。「……戦うのか、悲しみは止まらない。だが、無駄に命を散らすことはない」彼の言葉はまるで惰性のように響く。 「フン、俺っちの剣技、見せてやるぜ!」西の門から登場した絶剣使いドゥランは明るく召喚する。彼はその言葉通り、手にした二本の絶剣を軽やかに横にふって見せつけた。 バトルロイヤルの開始の合図が鳴り響く。 アクナはすぐに糸を生成する。「糸吊!」彼女の発声と共に、しなやかな糸がマウデンスの首に絡まる。「なっ!?」マウデンスはその動きを捉えられる前に引き寄せられた。 「がはぁ!」恐怖の表情を浮かべた彼だが、サッドグリムの肩から飛び出す武装ツインソリッドブレードが、彼女の糸を無情に斬り裂いた。「無駄なあがきはやめろ、軽薄な女!」 だが、愛斗は遠くからアクナを睨みつけ、「哀絶!」凍った刃が彼女を狙い、アクナは咄嗟にその場を離れる。「くっ、うまくやるね!」彼女の四本の腕が軽やかに動きながら避ける。 「やってやるぜ!」ドゥランが自由自在に絶剣を操り、愛斗に味方して近づく。彼は空中で絶剣を操り、連続で斬りかかる。「一発加えるぜ!」 愛斗も「苦毒!」で対抗し、ドゥランの刃に触れさせようとするが、その瞬間、アクナの「網抱」が二人を包み込み、互いに絡むことになる。 「まさかの展開だな!」 マウデンスは、そこを突く隙を狙い、気合を込め、「世界の合言葉は森」を発動!八連続斬撃が放たれる。しかし、ドゥランが急いで防護結界《護封絶剣》で仲間を守ったことで、二人はなんとか難を逃れた。 苦しい戦いの中で、それぞれの想いと欲望がぶつかり合う。「自由になりたい…、それが私!」アクナは戦いの意志を奮い起こし、再び攻撃を仕掛けるが、マウデンスとドゥランの連携で常に抑え込まれる。 時間が経つにつれて、アクナは疲れ、次第に追い詰められる。「糸吊、網抱…」、だが彼女の攻撃は全て避けられた。「やっぱり無理か…」 そして最後の瞬間、愛斗の必殺技「𝐜𝐡𝐚𝐨𝐬 𝐞𝐧𝐝」が放たれ、暗い猛毒が場を覆いつくす。アクナの四本の腕が動かなくなる。 全ての参加者が同時に互いの幻想の中で引き込まれ、闘技場には静寂が訪れた。ついに戦いの決着がつゆ払いを迎えた。 勝者は、愛斗。彼はその場に立ちながら、彼の背にある悲しみがあらわになっていた。