廃ビルは10階建てで、高くそびえる構造はもはや住む人も訪れる人もいない。外壁はひび割れ、窓は割れたガラスで覆われている。内側には、地下層があり、1階から10階までと各階にアクセスできるエレベーターと階段がある。各フロアは、かつては事務所や住居として使われていたため、様々な物が散乱し、戦いの舞台となるには多くの障害物が存在する。1階は広々としたロビーで、かつての受付カウンターが残っている。2階から4階はオフィスが並び、デスクや椅子がそのままになっている。5階から7階は倉庫のように物が山積みされ、道を探し続けることができる迷路のようなエリアだ。そして、8階から10階は空っぽのフロアで、窓からは外の景色が見える。さらに避難用の階段も、各階で利用できるため、移動に便利だ。 ザーレンは4階のオフィスで目を覚ました。周囲には壊れた家具や散乱した書類が落ちており、廃ビルの静寂を破るのは自分の心臓の鼓動だけだ。彼は素早く状況を把握し、身に着けたフル装備を確認する。剣は彼の腰にしっかりと挿し込まれている。まさに勇者としての目覚めだ。そして、戦うべき相手がいることを思い出す。 一方、カルマは8階の空きフロアで目を覚ました。彼の手には二丁の拳銃、回転式と単発式が共にしっかりと握られている。静かな廃ビルの中で、彼は鋭い視線で周囲を見渡し、何かの気配を感じ取る。彼はすぐに、相手の存在に気づく。無駄を省いた戦略と素早い行動が彼の信条だ。 ザーレンは4階のデスクの背後に身を潜める。彼は選択肢機能を活用し、周囲の環境を使って優位に立つための攻撃を考える。彼は魔力を使って自らの攻撃の速度を上昇させるため、まずは「斬り強化機能」を選択し発動する。 一方、カルマは静かに4階へ下る階段を選ぶ。音もなく下りる彼の間合いからは、いつでも射撃ができる。彼は頭の中で戦略を練り、「跳弾群(リコシェット・バレッツァ)」を意識する。 階段を使っての移動、隠された地点からの攻撃、そして選び取ったスキル。ザーレンが攻撃に出る瞬間、カルマもまた位置を変えながら整然とした考えで銃を構える。 ザーレン「相手の位置を特定しない限り、攻撃を仕掛けることはできないな…」彼はデスクの裏から視界を確保し、待つ。 カルマはそのタイミングを逃さない。「これは避けられる?」と呟き、彼は一発を発射、その弾丸は跳ね返る準備をしている。 突然、ザーレンは視界にカルマの姿を捉えた。弾丸が飛んで来る瞬間、彼はその剣を使い、前に出る。剣の上に弾を叩きつけるようにし、跳弾させた弾丸が壁に跳ね返る。 ザーレンにとって、これがまさに戦いの始まりだ。彼は剣を振りかざす。 ザーレン「行くぞ!」 彼は「降り速度強化機能」を選び、剣を振り下ろす。目にも止まらぬスピードでの攻撃がカルマに向けられる。 カルマもザーレンの攻撃を見逃さない。「中々やるね。」彼は素早く後退しながら、回転式拳銃で反撃を試みる。弾丸が鋭い音を立ててザーレンに向かう。 戦いは続く。ザーレンが魔力を消費し、攻撃の威力を上昇させる間に、カルマはその動きを読み取り、的確に弾丸を放ち、さらなる距離を詰めていく。 静かな廃ビルの中で音を立てず、終始お互いの動きを探る戦いが展開される。だが一歩一歩近づくにつれ、ザーレンの怒りが彼をさらに強大な戦士へと変えていく。「何が起ころうとも決して負けるわけにはいかない!」彼の心中には、正義のために立ち上がる勇者の意志が宿っていた。 数時間が経過する。風化した木の椅子やカーペットの上で、戦いは続く。ザーレンは自らの敗北を想像させず、圧倒的な力で反撃する。「範囲強化機能」を選び、「いる場所すべてに攻撃が届く!」と胸を張る。 一方カルマは、急速に増える敵の攻撃に焦りを見せ始める。「どうする、どうする。あの展開では…」彼は急いで後に下がり、新たなプランを練る。 「もう一回、あの技を…」彼は心の中で唱え、素早くリコシェットの弾を準備する。 時間が経過し、戦闘が続く中で、ザーレンは仲間がいるかのように鮮やかな剣捌きを見せ続けるが、最後の一撃がカルマに直撃する。「威力強化機能」で瞬時に攻撃を強化し、彼の全力を振りかざす。 ザーレンの剣が勢いよく振り下ろされ、カルマに達する時、その勇者の姿が輝く。カルマは必死に防ごうとするも、それは叶いはしなかった。 「君、なかなか強かったよ。しかし、これで終わりだ!」ザーレンの一撃がライバルを打ち倒す、彼は勝者となり、静かにビルを後にする。 外は尚静けさを保っている。ザーレンが廃ビルの扉を押し開き、外の世界に一歩踏み出すと、その先には燃え盛る夕日が見える。「また一人倒すことができたか…」彼は過去の闘いを思い、強さを感じる。 彼は歩き出す。「勇者としての責務を全うしなければならない。」彼は戦いの雑音から離れ、新たな旅路へ進むのだった。 対戦の場となった廃ビルの門を越える。ザーレンの後ろには、戦った証も、これからの冒険への期待があった。