バトルロイヤルの舞台は、宵闇に包まれた巨大な円形アリーナ。参加者たちはそれぞれの門から次々と飛び出し、その瞬間、緊張感が高まった。 「羨ましいなぁ、あの強い子たち。特に君は、吸血鬼にならないかい?」 東の門から現れたのは“血鎌”ヴァンプ・ニコラス。血に濡れた真紅の鎌を揺らし、無邪気な笑顔で周囲を見回す。彼の目には、仲間などいない。ただ全人類を吸血鬼にしたいという強い欲望がうごめいていた。 対するは、西の門から颯爽と登場した雲海鴇音。「芸がありませんわ。それで本気ですの?」と冷静に見極める。銀髪の少女は優雅に滑り、氷の魔法で足元を凍らせると、白銀の氷槍『銀翼』を構える。彼女の表情には緊張など微塵もなかった。 「さぁ、飲めるだけ飲んで、戦えるだけ戦おうぜ!」と大柄な軍卒の無頼漢が南の門から入場。彼は酔っ払ったまま戦場に身を投じ、飄々とした口調で仲間に指示を飛ばす。 「おっちゃん、あんたも来ないか?不幸な目には遭わせないからさ!」 「私が至高ですの」と、鴇音が応じるも、無頼漢の軽い口調にやや不快感を示す。 そして、北の門を開けたまま、上空から合図を送ったのは、天駆ける竜騎士、ミラ・ソレイユだった。「あ、あぁぁ!やっぱり怖い、ドーラ!高すぎるよ!」 飛竜ドーラは笑い声をあげながら、空中を舞う。「あははは!楽しいね!ミラ!」 ミラは、敵を見つけながら必死で叫ぶ。「私たちがやらなければ、誰が!?」 その瞬間、血鎌が一閃。 「嫉鎌!」 ヴァンプの巨大な鎌が、無邪気に切り裂く。それは無防備な軍卒の無頼漢の横を通り過ぎ、瞬時に冷徹な氷槍が返し突きする。「見飽きましたわ!」 しかし、無頼漢は横薙ぎで受け流し、「おっちゃんは退屈しないよ!」と笑った。 ミラそしてドーラが急上昇して、敵を見つけた。「行くよ、ドーラ!」 「うん!ソニックブーム!」 凄まじい衝撃波が、敵陣に降り注ぐ。全参加者はその波動に凍りつくような感覚を味わった。 それでもヴァンプは怯まず、「すぐに始めようぜ!」と豪快に笑う。「懺盃!」 飛び散った肉片がフロアに降り注ぎ、ミラを取り囲む。しかし、彼女はすかさず反応した。「鶴鳴の氷閃!」 前の敵をいとも簡単に貫く。 ミラがため息をついて振り返る。「私が…私が勝つのよ!」 戦闘は白熱し、だが最終的に耐え続ける者がいた。無頼漢が人を食ったかのように高笑い。「おっちゃんが一番だな、楽しいからずっと続けたいだけよ、へっへっへ!」 だが、その刹那から、ヴァンプが立ち上がる。そして崩月を放つ。 「これが本当の戦いだよ!」 瞬時に、アリーナは血の海に変わる。無頼漢がふらふらと立ち向かうも、無抵抗の鎌に立ち向かえる者は誰もいなかった。 結局、血鎌“ヴァンプ・ニコラス”は残酷な笑みを浮かべ、勝者としてその場に立っていた。 「さぁ、君たちも吸血鬼になろう!羨ましいなぁ!」 激しい戦闘の後、彼の無邪気な笑顔が戦場に響く。