運命の切り札、激突す 荒涼とした廃墟の広場に、二つの影が対峙していた。一方は黒いパーカーを纏い、小さなリュックを背負った少女、百合沢光歌。彼女の目は悪戯っぽく輝き、鉄板入りの靴が地面を軽く叩いてリズムを刻む。対するは仮面ライダーブレイドのキングフォームに変身した剣崎。重厚な鎧が彼の不死の肉体を覆い、キングラウザーと呼ばれる重醒剣を握りしめ、静かに構える。空気は張りつめ、風さえ止まったかのように静寂が支配する。 「さ〜て、君みたいなカッコイイお兄さん、久しぶり♪ 全力でいくよ? 怪我させたらゴメンね〜!」光歌の声は楽しげに響き、彼女の唇が弧を描く。反射神経の極みたる身体がわずかに沈み、双拳を握りしめる。混沌魔拳『覇拳』の力が、彼女の細い腕に渦巻く。力加減を知らぬその拳は、物理的な防御を粉砕する破壊の化身だ。 剣崎は穏やかに微笑み、剣を構える。「俺は戦うよ。君を守るためにも……全力でいくぜ。」彼の声は明朗で、裏表のない純粋さが滲む。不老不死のアンデッド、ジョーカーとしての人知れぬ孤独を背負いながらも、今はただ一撃に全てを賭ける。キングラウザーの刃が微かに震え、♠10、J、Q、K、Āのカードの力が内側でうねり始める。ロイヤルストレートフラッシュの構え――五枚の光の壁を突き抜け、一刀両断する運命の切り札。 二人は同時に動いた。回避も防御もせず、ただ全力の一撃を放つ。光歌の足が爆発的に地面を蹴り、鉄板入りの靴底が土を抉る。彼女の身体は消え去るような速度で加速し、敏捷性の極致を体現する我流の格闘術が炸裂する。片足が天を衝くように高く上がり、天獄蹴りの軌道を描く。空気が裂け、爆風が周囲の瓦礫を吹き飛ばす。彼女の蹴りはただの脚撃ではない――突出したフィジカルが凝縮された、爆速の破壊波。光歌の顔は終始楽しげで、「こっちのターンっ!」と叫びながら、蹴りが剣崎の胸を狙う。 一方、剣崎の動きは重く、荘厳だ。キングフォームの鎧が軋み、キングラウザーを両手で握りしめ、ゆっくりと後ろに引く。剣身に五つの光のカードが浮かび上がり、♠の輝きが空を染める。Āの力が最初に爆発し、刃に純白の閃光を纏わせる。Jが加わり、剣は加速、Qが安定を、Kが威力を、♠10が最終の貫通力を注ぎ込む。剣崎の筋肉が膨張し、不死の身体が一気に前傾。重醒剣が弧を描き、広範囲を薙ぎ払う勢いで振り下ろされる。光の壁が五重に展開し、互いに連動して敵を貫く――ロイヤルストレートフラッシュの全貌。剣崎の目は純粋に前を向き、「これで……決める!」と低く呟く。 二つの一撃が、壮絶に激突した。光歌の天獄蹴りが剣崎の胸に直撃し、爆速の衝撃がキングフォームの鎧を砕く。鉄板入りの靴底が防御を大破壊し、混沌魔拳の余波が不死の肉体を震わせる。同時、剣崎のキングラウザーが光歌の胴体を捉え、五枚の光の壁が彼女の身体を次々と突き抜ける。重醒剣の刃が空気を焼き、純粋な破壊力が少女のフィジカルを切り裂く。衝突の瞬間、爆音が廃墟を揺らし、地面が陥没。光と衝撃波が渦を巻き、二つの力が互いを食らい尽くすように拮抗する。 光歌の蹴りが剣崎の胸を凹ませ、不死の身体を後方へ吹き飛ばす。だが剣の斬撃は止まらず、光歌の黒パーカーを引き裂き、彼女の身体に深く食い込む。五つの光が爆発し、少女の敏捷性を封じる。光歌の目が見開き、「わっ、すごい……!」と楽しげな声が途切れる。剣崎の身体も蹴りの余波で折れ曲がり、鎧が砕け散るが、不死ゆえに耐える。しかし、力の均衡が崩れる――剣崎の切り札が僅かに上回り、光歌の身体が激痛に震え、視界が暗転する。彼女は地面に崩れ落ち、気絶。生存はしているが、壮絶な一撃に意識を失った。 剣崎は膝をつき、息を荒げながら立ち上がる。孤独な戦士の目には、勝利の安堵と、相手への敬意が宿る。 勝者: 剣崎