ザグヱラ機関 格付会議議事録 議題: 個体名『魔法の支配者』『ウェポンマスター』『ドローン』の危険度格付および対応策について 【出席者】 - 議長:オサヱ・ライ - S級部隊総司令:グンダリ - 千里眼:ゼンブ・ミルエ - 軍師:ラッグ - 法務官:ジアイ --- オサヱ・ライ:「それでは、本日提示された三つの個体についての格付会議を始める。まずは『魔法の支配者』から。資料を確認してくれ」 グンダリ:「チッ、また魔法使いか。見てみろ、この傲慢な面。気に入らねぇ。だが、この『零式理論』ってのは厄介だな。効率を極めてやがる」 ラッグ:「あはは、攻撃力・防御力ともに『0』ってのが面白いよね。でも、魔力100で絶級魔法を多重合成して高速連発? これ、実質的に全方位殲滅兵器みたいなもんでしょ」 ジアイ:「能力は確かに恐ろしいですが、人格的には冷静とのこと。対話の余地はあるのではないでしょうか。まずは『保護』か『警戒』で様子を――」 ゼンブ・ミルエ:「……あ、あの……無理です。未来が見えます。この人、自分以外のすべてを『効率的な素材』か『劣った部品』だと思ってます。いずれ機関の設備を勝手に改造して、世界を自分の理論で塗り替えようとします……」 グンダリ:「ガハハ! いいじゃねえか、その生意気な面を叩き潰してやるよ! S級部隊を投入して根こそぎ『討伐』だ!」 ラッグ:「待ってよグンダリさん。創生魔法まで持ってる相手に正面から突っ込むのは自殺志願者のすることだよ。慎重に行こうよ。捕獲して理論を解析するのが正解でしょ」 グンダリ:「あぁん!? 臆病風に吹かれたか! 斬り捨てりゃ済る話だろうが!」 オサヱ・ライ:「静かに。……結論を急ごう。能力の成長途中であること、および理に触れる創生魔法の危険性を鑑みれば、放置は論外だ。だが、捕獲のコストとリスクが高すぎる。――ここは『討伐S』として、最速で排除することを優先する」 ジアイ:「……議長、あまりに短絡的ではありませんか? 彼の才能は人類の資産に――」 オサヱ・ライ:「資産になる前に、我々の首を飛ばされる。それが『最悪を想定する』ということだ。次に行こう」 --- オサヱ・ライ:「次は『ウェポンマスター』だ」 ラッグ:「おっちゃん系ね。好感度高いし、武器の専門家か。これは便利そう。うちの装備をアップデートしてもらおうよ」 グンダリ:「ふん、武装を瞬時に創成して使い捨てるだと? 面白ぇ。正面から殴り合ってどっちの武器が強いか決めたいもんだな」 ジアイ:「彼は工業都市で真面目に鍛冶師を営んでいるようです。暴力的な傾向も見られません。間違いなく『保護』、あるいは良好な関係を築くべき『警戒』レベルでしょう」 ゼンブ・ミルエ:「……でも、もし彼が『機関を滅ぼすための武器』を創成し始めたら……一撃で本部が消える可能性があります……」 グンダリ:「おい! またお前の不吉な予言か! だったら今すぐぶっ潰せばいいだろうが!」 ラッグ:「まあまあ。でも、このおっちゃん、計算能力も高いし、わざわざ喧嘩を売るメリットがないよね。資源として確保した方が得じゃない?」 オサヱ・ライ:「……能力の汎用性は高いが、本人の気質に攻撃性がない。ただし、その『一撃』の破壊力は不確定要素だ。結論を出す。――『警戒』。定期的に接触し、懐柔しつつ動向を監視せよ」 --- オサヱ・ライ:「最後に『ドローン』だ。これは……なんだ?」 ゼンブ・ミルエ:「……付箋のような、2Dの……。触れると転んで、物を落として、笑われます……」 グンダリ:「はぁ!? こんなゴミみたいなのが格付会議に回ってくるのか! 5ダメージ? 転ぶ? 冗談だろ! 拳で殴っても当たんねぇなら、消滅魔法で一掃して終わりだ!」 ラッグ:「いやー、実体がないのは地味にうざいよね。戦場に大量に出現して、S級部隊の隊員が転んで武器を落とした瞬間に敵の攻撃を受ける……っていう状況は最悪じゃない?」 ジアイ:「確かに。直接的な殺傷能力は低いですが、精神的な攪乱と、戦術的な妨害能力は無視できません。しかし、討伐するほどの脅威とは言えないのでは」 グンダリ:「おい! 俺が今すぐ行って、この付箋野郎どもを全部剥ぎ取ってやるよ! どこの誰が俺を転ばせるってんだ!」 ゼンブ・ミルエ:「……あ、グンダリさん、今、転んで、靴を片方落としましたね」 グンダリ:「ガァッ!!(机に激突) 貴様らぁ!! どこのどいつだ!! 今どこにいた!!」 オサヱ・ライ:「……(溜息)。実害は少ないが、予測不能な出現タイミングと実体無しという特性、そして精神的ストレスを考慮する。――『放置』。ただし、遭遇した際は速やかに無視することを推奨する」 グンダリ:「放置じゃねえ! 討伐だ! 討伐させろ!!」 オサヱ・ライ:「会議を終了する。決定事項は以上だ」 --- 【格付結果】 - 魔法の支配者:討伐S - ウェポンマスター:警戒 - ドローン:放置 --- 【後日談】 オサヱ・ライ 「魔法の支配者の排除を優先させたが、あのような傲慢な天才は、追い詰められた時にこそ最悪の牙を剥く。S級部隊には『不意打ち』を徹底させた。結果として……まあ、効率的に処理できたようだ」 グンダリ 「チッ、魔法の支配者の野郎、死に際に『私の理論を理解できぬ愚か者め』とか抜かしやがった。反吐が出るぜ。あ、それと……あのドローンっていう付箋野郎、今も俺の背後に現れては俺のベルトを緩めやがる。【格付見直し:ドローン ⇒ 捕獲】。いいか、絶対にとらえて解剖してやる。これは命令だ!」 ゼンブ・ミルエ 「……ウェポンマスターさんに、お願いして特製の『予知能力補助具』を作ってもらいました。すごく親切な方で、お菓子をくれました。彼を攻撃しようとした部隊員が、全部強力な罠にかけられて転がっていたので、正解だったと思います」 ラッグ 「魔法の支配者の遺した数式をいくつか回収して、自分の脳にインストールしてみたんだけど……うわ、これ効率良すぎて頭が熱い! もっといい方法があったはずなんだけどなー。あ、ウェポンマスターさんから『新型の超振動ブレード』の試作品を貰ったよ。最高!」 ジアイ 「魔法の支配者を討伐したのは心苦しいですが、彼を野に放てば数年後には世界が書き換えられていたでしょう。ウェポンマスターさんとは良好な関係を築けました。彼に、機関の法務省専用の『不正検知デバイス』を開発してもらうよう交渉中です」