願流島コロシアム、熱気と興奮に包まれた場の中央に、闘技者たちがそれぞれの道を進んでゆく。観客たちの期待の眼差しが集まる中、拳願会の司会を務める少女・ありさの声が響く。 「皆さん、お待たせしました!今夜のメインイベント、決勝戦の始まりです!西からの刺客、影の拳聖、龍谷 龍虎選手!」 観客の拍手と歓声が一斉に上がる。 影の拳聖と称される龍谷は、28歳の武道家。黒い道着を纏い、筋肉質なその体躯は観客を惹きつけてやまない。冷静沈着な表情で瞳を光らせ、鳳凰のようにその場に立つ。 彼には、蛇のような素早い動きと流れるような戦闘スタイルが求められる。決勝戦までの試合では、彼の鋭い直感と強靭な肉体が証明され、観客はその実力に圧倒されていた。 続いて、東から入場するのは、デルタ。艶やかな赤い髪が特徴的な彼女は、緋の道着姿で登場した。回避と攻撃の天才として知られるその実力に、観客は熱視線を向ける。 「対するは、回避の天才、デルタ選手!」 両者の姿を観察する滅堂会長、老獪な商人の目が光る。彼は髭を撫でながら言う。「龍谷には瞬発力が勝っているが、デルタの回避能力も侮れん。おそらく激しい攻防が繰り広げられるだろう。」 龍谷とデルタは、それぞれ戦闘前の挨拶を交わした。 「お前の技、見せてもらうぜ。」と、龍谷が低い声で言う。「私も全力で向かうわ。よろしくね、龍谷!」と、デルタはしっかりと目を合わせる。 戦闘開始のゴングが鳴り響く。 互いの間合いを計りつつ、まずは龍谷が攻撃を仕掛ける。「動きが鈍いな、もう一度やり直せ。」 言い放つやいなや、龍谷は実に素早い動きで前進し、デルタに向けて鋭い一撃を繰り出す。しかし、デルタはそれを見越し、優雅にその攻撃をかわす。その瞬間、彼女の動きがまるで龍のような流麗さを持ち、周囲の空気を震わせる。 「来い、まだまだ足りない。」龍谷はこれに続いて、さらなる攻撃を重ねる。無数の拳がデルタに向かって突き出されるが、彼女はその全てを瞬時にかわす。「甘い、あなたの攻撃、見え見えよ!」 そして、デルタは瞬時に隙を見計らい、逆に鋭いカウンターを繰り出す。「獅子王拳!」攻撃は龍谷の側面を捉えた。 「くっ、流石だな。」と、龍谷はその攻撃を受け流しながらも、自らの「龍の力」を発動。彼の体が一瞬、光り輝き、攻撃力が飛躍的に向上する。 「今度はお前の番だ!」 龍谷はまるで影が踊るような素早さでデルタの死角に移動し、拳の閃光を放つ。「拳の閃光!」無数の攻撃がデルタに向けて突き出され、周囲が混乱に巻き込まれる。 だが、デルタは高い技術を駆使し、次々と回避に成功する。「奥義・紅龍落!」発動後、彼女の動きが鋭敏に、そして力強くなる。 「全てを見通す、隙を見せるな!」彼女は龍谷に迫り、一撃を放つ。それはまるで獅子が捕食するが如く、強烈な衝撃を伴う。 二人の肉体は互いに激闘により疲労と傷を背負い、観客の視線を引きつける。観戦している社長陣も興奮を隠せず、「どうなる、これは一大決戦だ!」と声を上げる。一撃の威力、回避の妙、そして彼らの技巧の全てがここに集結する。 長い間繰り広げられる攻防の果て、どちらが勝者となるのか、運命の結末が迫っていた。 それぞれの力量がぶつかり合い、肉体と精神を趣きとする究極の決戦は、今、幕が上がる。