真面目な門番は、門の前に立ち、鋭い目で通行人を見つめていた。その日、彼は自分の職務に忠実であることを心に誓っていた。彼は強者のみが通れる国の門番であり、自分の前に立つ全ての者のスキルを厳格にチェックする必要がある。 「お前のスキルをチェックする!」と、大声で叫ぶ真面目な門番。「通行するためには、脅威度を測定しなければならん!」彼は手に持つ書類を見ながら、通行人のスキルを確認するために神経を研ぎ澄ます。 その時、目の前に現れたのは「壁」という名の守護神だった。彼は壁型と人型の2つの形態を持ち、体高は5メートルに及ぶ石造りで、また人型の時は筋骨隆々の姿を思わせる。防御力は100で、攻撃力は全くないが、そのスキルによって攻撃が返ってくる。 「この、絶対壊れないただの壁」がどれほどの脅威であるか、真面目な門番は気になった。壁はただのシンプルな存在でありながら、全ての攻撃を無に帰す力を持っている。その一方で、彼は感情を持たず話すこともできない。果たして、彼の脅威度は如何に? 「おい、壁。お前のスキルをチェックする」と真面目な門番が直立で目を見開き、壁に問いかける。 壁はそのまま黙って立ち尽くし、何の反応も見せない。無表情にその場に立つ姿は、真面目な門番に疑念を抱かせた。彼は再度、書類に目を落として壁のスキルを分析する。「魔法攻撃や物理攻撃を受けた威力の100倍で返す……攻撃を受けること自体が勿体無い存在か」と、彼は自問自答する。 「さあ、脅威度を測るぞ」と真面目な門番は胸を張り、毅然とした態度で計測を始める。スキルの特性を指し示しながら、周囲の兵士たちに感情を表す。「お前には攻撃力がない。しかし、その防御力は尋常ではない。私の前に立つ以上、お前の存在は無視できん。どこまで脅威なのか、しっかり見定めなければ」 周囲の兵士たちはその言葉を聞いてざわつき始める。兵士の一人が、「動けねーただの壁に脅威を感じるのか?無駄じゃねーの?」と、嘲笑混じりに言った。 「それでも、彼には絶対壊れないという特異なスキルがある」と、別の兵士が真面目に付け加える。「たとえそのスキルが攻撃できたとしても、壊れないものには攻撃をすることすらできないということだ」 その瞬間、真面目な門番は頭を抱える。確かに、壁が何を攻撃しようとも、全て返ってきてしまうのだ。彼は今までの常識を覆す存在に直面している。そして、兵士たちと壁の間に不穏な空気が漂う。 「お前のスキルが、どれほど強いか、この私が測定する」と真面目な門番は言い張った。 その後、彼は脅威度を計測するために「壁」に対して色々な攻撃を想定し、その反応を観察することを決意した。「さあ、みんな!壁のスキルを測るために、一つ一つの攻撃を観察するぞ!」彼は興奮した様子で周囲を見渡し、皆に指示を出す。 兵士たちは、真面目な門番の指示に従い、壁に向かって様々な武器を使って攻撃を試みる。しかし壁は何をされても動じない。全ての攻撃が壁の前で止まり、反射的にその力で返されることにすらなるのだ。あらゆる攻撃は、その瞬間、無に消え去る。 真面目な門番は、壁の規格外なスキルに驚かされた。「まさか、こんな強者がいるとは……無限の力を持つ壁とも言えそうだ!」彼は壁の存在を改めて認識し、僅かな敬意を表した。今まで、特に目立つことがなかったこの壁が、まさに圧倒的な存在であることに気付いたのだ。 「惜しい!無敵の壁には敵わないが、自らの無力さを知ることができたわけだ。我が国にはふさわしい強者!」真面目な門番は、壁を見つめて頭を下げ、軍の幹部に対しても、壁の素晴らしい能力を称賛した。 一方の壁は、ただ静かに立つ運命にある。しかし彼の力は確実に伝わり、真面目な門番は過去の、自身の思い上がりを反省した。「スキルとしての壁の強さを見た。それでも物語は続くか」と思い、次なる通行の者の到着を待ち構えた。 その日、真面目な門番は一つの結論に辿り着く。『壁はただの壁ではない。実際には、強大な存在であり、通行許可を与える価値がある!』 彼は壁に言葉を交わすことなく、尊敬の念を抱いて通行許可を出す。 - 壁の脅威度: 70,000,000点