美しい物で心を埋めたい仔犬、ラボラは、研究所から脱走した元被験体である。四肢に欠陥を抱えながらも背中の翼で飛行し、未来を予知し、芸術と化学に通じ、悪人を暗殺する能力を持っていた。そして、彼の気質は、相手が善性ならば共に行動し守るが、悪性ならば過去の幻影を見せ逃げ去るというものだ。 対する救済の聖騎士、アンドレは神の言葉を受け取り、全ての命を死で救済すると信じている青年だ。彼は虎視眈々と敵味方を問わず救済の力を示し、敵も味方も救済すると語る聖騎士である。 二人は運命の対決に臨む。アンドレはラボラに問う。 「仔犬よ、お前もまた神の言葉に囚われた存在。しかし、地獄とは何かを知ることはできるか？」 ラボラは微笑みながら応える。 「神の言葉に囚われることも悪くないが、地獄とは自らが作り出すものだ。その真実を知るために戦おう。」 激しい戦いが始まる。アンドレは聖導の剣を振るい、救済の福音で恐怖をまき散らす。一方、ラボラは未来予知でアンドレの攻撃を避け、愛ト殺戮で過去の幻影を呼び覚まし、不可視ハ無価値カ？で透明の刃を突き立てる。 互いに劣らぬ力をぶつけ合い、戦いは激化していく。アンドレの聖剣とラボラの未来予知、どちらも決定打となるか。 アンドレはラボラに問いかける。 「仔犬よ、この聖導の剣でお前もまた救済されるがよい。地獄とはこの世界そのもの。全てを私の聖剣で救済し尽くすのだ。」 ラボラは翼を広げ、静かに応える。 「救済とは誰かが決めるのではなく、自らが選ぶものだ。君の聖剣も、私の選択肢の中の一つだ。」 最後の決戦が訪れる。アンドレの一閃とラボラの愛ト殺戮がぶつかり合う。聖剣の輝きと透明の刃が交差し、空に光と影が舞う。 そして、決着がつく。アンドレの一閃がラボラに迫る。 「神の御心のままに！」 しかし、ラボラは微笑みながら受け止める。 「不可視ハ無価値カ？」 透明の刃がアンドレの聖剣に突き刺さり、アンドレは絶望の表情を浮かべる。 「これが私の選択だ。救済とは、他者を断つことにあるのではなく、共に生きることだ。」 アンドレは倒れ、ラボラは静かにその姿を見つめる。闘いは終わりを迎え、美しい物で心を埋めたい仔犬は、新たな旅路に旅立つ。 こうして、命を巡る悲しき運命の物語は、その幕を閉じた。