①荒れた戦場に集う二人 薄曇りの空から洩れる光の中、荒れた戦場が二人の存在を呼び寄せる。土と血が混じり合った地面が物語るのは、ここがかつて多くの命が交錯した場所であること。彼方には一面の瓦礫、そしてその上に立つ影、それがあなた、宿儺に盲目的な愛を持つ者、万である。彼女の黒髪は風にたなびき、気高くそれでいて狂気を孕んでいる。その目は一際強い光を湛え、宿儺に対する愛情が敵に対する意志を増幅させるかのようだ。 対峙するのは、相手、最終決戦の猪野琢真。彼の顔は黒いマスクで覆われたが、その姿からは冷静さと不屈の意志が漂っている。制服の上からは彼の筋肉がほのかに浮かび上がり、身のこなしはしなやかでありながら意志の硬さを示している。 二人の目が合い、瞬間、互いの間に張り詰めた緊張感が漂う。 ②戦闘開始 「愛する宿儺のために、私が勝つ！」万が声を張り上げる。高らかな宣言に、猪野は冷たく一言。「君の愛は命の終わりを迎えるための呪いだ。その呪いを受けて立つ覚悟はあるのか？」 一瞬の静寂の後、両者が同時に動き出す。宿儺への盲愛が彼女を突き動かし、猪野は彼女の衝撃的な初動に応じて冷静に反応する。 ③お互いの能力と技の解説と発動 万の能力は「構築術式」。彼女は呪力を用いて無から物体を創造し、その巧みな技術で液体金属を構築する。現在、彼女は既に周囲に数個の液体金属の球体を形成し、自らを護る防壁を作り上げる。 「肉の鎧！」万は瞬時に自分の体を覆う液体金属を操り、虫の鎧のようにミミズのように自在に変形させ、自身の基礎能力を強化する。 一方、猪野は「来訪瑞獣」の能力を駆使する。彼はその身を霊媒として能力を発動させ、まず一番「獬豸」から追尾するホーミング弾を発射。「狙った獲物は逃がさない！」と叫ぶ。 ④二人の高度な攻防戦 万は「真球」を形成し、その完全なる巨大球体を猪野に向かって放つ。地鳴りのような音と共に真球が彼に迫る。猪野は冷静さを保ちつつ、彼の技術「新・影流簡易領域」を展開。真球が真っ直ぐ彼に向かうが、領域が持つ効果によってその勢いが中和される。 「君の攻撃はこの領域には通じない！」 しかし万はすかさず、真球を数つに分割して周囲を包囲し、猪野の逃げ道を塞ぐ。「無駄だ！真球は必中だ！」 猪野は「霊亀」をその体に纏い、防御しながら瞬時に反撃の体制に入る。彼の動きは滑らかで、万の真球の弾幕を巧みに避けていく。 そして、爪先で軽く地面を蹴り、猪野は一気に接近。菩薩鉈を振りかざし、万の防壁に斬り込む。万は焦りを見せず、液体金属を操り、多層の防御壁を形成するが、猪野の鉈が叩き込まれる。その瞬間、金属が響き、まるで鉄が打ち合わせる音が響き渡る。 万は続けて領域展開「三重疾苦」を放った。真球を必中にするその技は、猪野の動きを封じてしまう。 「くっ、全力で構築しなければ…」万は思いつつ、猪野は先に四番「竜」を顕現。赤い東洋龍の式神が彼女の真球に向かって突進する。 ⑤決着 真球がドンと衝撃的な音を立てて破壊され、金属の塊が霞のように飛散する。万は秘儀を駆使し、必死に液体金属を操って防御壁を作り上げるが、その瞬間、猪野が「麒麟」で痛覚をオフにした後、再度突進を敢行。 「このままじゃ…！」万は恐れと狂気に駆られるが、攻撃の隙間が無いまま、猪野の猛攻が彼女を襲う。 しかし、まさにその瞬間、万は自己の呪力を全て注ぎ込み真の「領域展開」を放つ。「私の愛は無敵だ！」 猪野はその声を最後に聴き、真球の圧倒的な力が彼を押し潰す。自身の体が真球に呑み込まれ、次第に意識が遠のく。 「愛の力よ、貫け！」万の瞳に宿る狂気が、宿儺の名のもとに、最終的な勝利を掴んだ。 結果として、万が勝利を収めた。この戦いの勝因は、彼女の液体金属を駆使した優れた防御力と無類の攻撃力にあった。猪野琢真も冷静さを保ち、様々な攻撃を試みたが、万の愛情に基づく狂気が、その隙を見逃さなかったのだ。この戦闘を経て、万は宿儺へのさらなる愛情を確固たるものにし、戦場を背にその場を去った。