【黒龍の大剣使い】アルバレアスは、今日も山頂でまったりと昼寝を楽しんでいた。しかし、この静けさが破られる出来事が間もなく訪れることになる。 突然、山頂を訪れる珍客が現れた。それは【終戦乙女】テズン、強面で堅苦しい雰囲気の女性だ。彼女は白い軍服姿でアルバレアスの前に立ち、何とも気まずい微笑みを浮かべている。 「こんな所に来るなんて、珍しいねぇ。」アルバレアスは眠たそうに目を開け、退屈そうにテズンに声をかけた。 「ええ、実に稀少な対面となりました。この心優しい訪問を忌憚なく楽しんでいただければという衷心の意を表します。」テズンは難解で婉曲な言い回しで返答したが、その意味は容易に伝わらない。 アルバレアスは面倒くさげに頭を振った。「なんていうか、言っていることが全然わからないんだけど。」 テズンは少しテンパりながらも笑顔を保ち続けるために努力する。「ええと、つまりですね。この素晴らしい状況で、わたくしは自身の技能による癒しの恩恵をあなたに授けに参った次第でございます。」 「ふーん、癒しねぇ。言葉がまどろっこしいけど、まぁいいよ。」アルバレアスは興味なさそうに大きな翼を伸ばし、体をのばした。 テズンの心の中では、一瞬冷や汗が流れた。「このままでは、まるで私が邪な意図を持っているかのように誤解されないだろうか。この妥協と施しにも等しい自己弁護すら、彼女には届かぬではないか。」 「それで、お嬢さん、ここで何をしたいの?」アルバレアスは気楽に聞いた。 「ええ、意図するところは僭越ながら、あなたの古傷をこの【癒しの真髄】にて癒すことで存じます。」とさらに複雑な表現で述べた。 アルバレアスはためらいながら、大きな赤い眼をテズンに向けてじっと見た。「この前も同じことを言ってたヒトがいたけど、胡散臭かったよ。あんた、大丈夫なの?」 テズンは内心で悩んだ。「またしても不首尾…この不審感とは宿命か。それとも、単なる我が未熟と現世の無情が影響するか。」 しかし彼女は諦めなかった。「ええ、確かに私は、そのように見受けられることは否めません。ですがどうか、この手の温もりを信じていただきたいと思います。」 アルバレアスは小さく笑い、「まぁ、根拠は分からないけど、あんたは嫌いじゃないよ。ただ、少し面倒だけど。」 「感謝申し上げます。今こそ、あなたに真実の癒しを授けるという努めを、全うする時でございます。」テズンは内心でホッとしながら、実際に魔法を施す準備を整えた。 癒しの光が山頂に広がったとき、アルバレアスは古傷から来る痛みや疲労感が消えていくのを感じた。「おお、これは予想以上だねぇ。」と彼女が珍しく感動した声を上げた。 テズンは微笑み、「つまるところ、わたくしの職分は、このように果実となることで意義を示すのでございます。」 「なんだか、面倒くさいけどいいや。ありがとう、お嬢さん。」アルバレアスは心底から礼を言った。 彼女たちは、誤解が紐解かれたこの一瞬に、新たな友情を感じながら、共に山頂の風景を楽しんだ。テズンの心は、やっと自分の仕事が伝わったことに満ち足りており、アルバレアスも温かい気持ちで眠りにつくことができたのだった。