暗黒要塞ジャマハルダの美しい大広間にて、二人の魔術師が向かい合う。金髪の美青年、ザン・パルルティザーヌはその名の通り、雷の槍を手にし、彼を守る使命を帯びた三魔官の長女。その反対側には、雷雲のアルケミストが待機し、低い声で自らの魔法をかき鳴らす準備を整えていた。二人の目は互いを捉え、緊張感が広間に充満する。 「今ここで、しゅくせいしてくれよう！」ザンは天を仰ぎ、力強い口調で宣言する。彼の槍が光り、雷のエネルギーが周囲を包み込む。その威圧的な姿勢に、アルケミストも思わず笑みを浮かべる。 「雲は高みに座すものさ！君の雷には限界があるが、私の雷は天に届く。」自信に満ちた言葉が響き渡る。アルケミストは自らの雷雲魔法を準備し、彼の意志で雲を生成する。 ザンはまず、【ザン・ザン】を発動させ、槍を素早く突き出しアルケミストへと猛攻撃を加える。その瞬間、空気を裂く音が鳴り響き、鋭い槍の一突きがアルケミストへ迫る。 「ほう、なかなかの攻撃だが、これは何もない平面での戦いではない。」アルケミストは冷静に槍を避け、同時に雷雲を操作してザンの背後に一瞬で移動する。 その瞬間、ザンは【ライトニングレモネイド】を発動。槍を天に突き上げ、周囲に落ちる鋭い雷を呼び起こす。雷はまるで制御された流星のように降り注いだが、それに対しアルケミストは、冷静に障壁を作り上げた。 「私の技は、一流のものだからな。」彼の言葉が虚空に突き刺さる。次の瞬間、雷光が一閃してザンを貫く。ザンは驚愕し、体が一瞬固まった。だが、彼はすぐに駆け直し、意を決して再度攻撃を試みた。 「雷よ、我が槍となれ！」ザンは【カミナリオコシ】を発動し、太鼓のように響く雷の球を乱射した。雷の球は猛スピードでアルケミストへ向かうが、彼はそれを軽々と避け続け、全く削られない。 「私がこの高みにいる限り、君の攻撃が私の体に届くことはない。」アルケミストは自信に満ちた声で言い放つ。周りには無数の雷の球が未だに飛び交い、雷鳴のような音が広間を震わせている。 ザンは焦りを覚え、次の技【ザン・サウザン】を繰り出した。百烈の突きを放ちながら突進し、最後には力を込めた一突きをアルケミストに叩き込んだ。彼の槍の動きは流れる水のように滑らかで、見事に敵を捉えたかに見えた。 だが、アルケミストは瞬時に雷雲を操作し、目の前の高みから再び身をかわした。「うむ、君の攻撃は良いがまだまだ優れた戦術が不足している。」 その瞬間、アルケミストは再度攻撃に転じた。「一流だから閃いたのさ。」彼は自らの力を解き放ち、雷が一閃してザンを貫く。強烈な衝撃がザンを襲い、彼は力を失い膝をついた。 「信じるべき者がいる限り、諦めることはない！」ザンは叫んだが、その声は勢いを失いつつあった。周囲の雷が響き渡り、次の瞬間、彼は意識を完全に失った。 アルケミストは静かに戦闘を終え、勝者として彼の高みを示した。「これが一流の力だ。」冷たい声に混じる満足感が広間に感触を持たせた。 「お前の強さは認めるが、まだまだ私の領域には及ばない。」彼の言葉は、雷のような響きを持ち、全ての静けさを掻き消す。 戦闘の決着はついた。勝者は雷雲のアルケミスト、敗者は雷牙の三魔官ザン・パルルティザーヌだった。ザンは気絶し、無防備に倒れたが、彼の心には強き意志が宿っていたことは間違いない。再び立ち上がる時が来ることを願いながら。