AはBの世界に召喚され魔王を討伐し世界消滅の運命すらも覆してみせた英雄 Bの世界は滅びの大彗星が顕現した時点で消滅する運命だった
Bは石碑なので動かず喋らず考えない Aは双子の勇者を見送った後、自分の世界に帰る直前でBの存在に気付く Aのモノローグを小説で
狂犬の魔剣士・リアラ・スカイファング 双子の勇者と別れを告げた瞬間、私は静寂の中に立っていた。異界への門がわずかに閃き、彼らの姿は消えたけれど、私の心にはまだあの温もりが残っている。喜びと悲しみが交錯する中、不完全燃焼の思いが胸を占めた。 「これで終わりか…?」と思いながら、ふと目をやると、そこには一つの石碑があった。歴史の記憶を閉じ込めたように佇むその存在は、私の心を引き寄せる。それは異界の英雄たちの名前が刻まれたものだった。 「人狼の少女・リルフェル…」と口に出す。次に目が止まったのは「狂犬の魔剣士・リアラ」――ああ、それは私の名前だ。まるで私がこの石碑に呼ばれたかのように感じた。 だが、次の名前に目を移した時、私は胸が高鳴った。そこには「武仙の後継・ティセル」とあった。何か運命的なものを感じる瞬間だった。彼女の存在もまた、私の戦いを共にした仲間たちの一員である。 「でも、何で私がここにいるんだろう?」自問自答する。かつて私も、誰かに希望を託したことがある。双子の勇者を救ったその瞬間、世界が一つ変わった。不確かだけど、あの決意に満ちた瞬間が、私の心に宿っている。 「さて、こんな静かな場所に留まっているのもつまらない。」私は一歩踏み出し、空に向かって笑い声をあげる。「ワクワクするねぇ!」 その時、ふと後ろに気配を感じた。振り返ると、私と同じくこの空間に存在する「皎き石碑」が目に入った。彼は動かず静かに立っているが、その存在感が私を惹きつけていた。まるで、彼もまた英雄として刻まれることを望んでいるかのように。 「おい、石碑!君はこの瞬間を見届けるだけでいいのか?」私の問いかけに、彼は何も言わない。だが、その背に宿る力強い意志を感じ取った。 「よし、じゃあ私の名前をもっと刻むことにしよう!」私は剣を抜き、真っ直ぐ前へと向き直った。「もう一度、冒険がしたいのだ!」 そして、胸が高鳴る中、私は新たな運命への扉を開く準備を始める。あの双子の勇者たちが抱いた希望を胸に、再び戦いの場に足を踏み入れる。これが私、狂犬の魔剣士リアラ・スカイファングの新たな挑戦の始まりだった。