更木剣八は、何もない空間に立っていた。彼の目の前には、無表情な面持ちで立つウルキオラ・シファーがいた。死闘の予感が漂う中、剣八は眼帯をゆっくりと外し、その目に宿る霊圧を解放する。あふれるような力が彼の身体から溢れ出し、周囲の空気が震え、地面が揺れる。 「さあ、俺を楽しませてくれよ!」剣八は笑みを浮かべ、自身の斬魄刀「野晒(のざらし)」を構える。巨人のような両手斧に変形したその刀は、まさに破壊の象徴だった。 ウルキオラも静かに「鎖せ」と呟き、彼の霊圧が高まり、徐々に黒い液体が空中に現れ、悪魔の翼を広げていく。背中に生えたその翼は、恐るべき威圧感を放ち、周囲の空気を切り裂くようだった。 「お前はただの人間に過ぎない。虚無の前には無力だ」とウルキオラは淡々と語る。 「人間だ?俺は剣八だ。それだけで十分だ!」剣八は雄叫びを上げ、両手を広げた。巨大な斬魄刀を一振り、地面を叩き、衝撃波がウルキオラに迫る。 ウルキオラは瞬時に反応し、槍を手に取る。彼はその神速で剣八に近づき、攻撃を仕掛ける。しかし、剣八は表情を変えず、ただその一撃を受け止める。不意に彼の攻撃が弾かれ、ウルキオラはその圧倒的な力に押し戻される。 剣八は笑いながら、再び刃を振るう。「ガキの頃から、喧嘩が好きなんだ。本気で楽しませてくれよ!」と叫びながら、斬撃を繰り出す。鋭い刃先がウルキオラの翼に当たり、鉄のような音が鳴り響く。黒い翼が切り裂かれ、ウルキオラの身体が木のように揺れる。 「…破壊すべき対象としては、認めた」とウルキオラは冷たく呟く。再び槍を構え、すぐに反撃を試みるが、剣八は無慈悲な強さで立ちはだかる。彼は再三にわたり、力強く切り付け、ウルキオラの攻撃を全てゴリ押しで受け止め続ける。 そして、剣八が一閃した瞬間、ウルキオラの体に深い傷が走る。彼の表情に初めて動揺が見え、無表情な顔が一瞬だけ崩れる。剣八はこの瞬間を見逃さず、再び巨大な斬魄刀を振り下ろす。 「お前はここで倒れる。俺の名を刻んで、その死に顔を見せろ!」更木剣八の叫びと共に、最後の一撃がウルキオラを襲う。刃は彼の身体を貫き、ウルキオラはその威力に耐えきれず、地面に倒れ込む。 剣八は立ち尽くし、その目に無邪気な笑みを浮かべる。「感じたぜ、強者としての戦い。合格だ、ウルキオラ。」 ウルキオラの目の前に、倒れた彼は言葉を失った。ただ、彼の心の奥に宿った虚無は、静かに揺れていた。剣八の圧倒的な力の前に、ウルキオラは敗北した。その理由は、剣八が無心に、そして全力で戦ったからである。彼の力の前では、策略や小細工は意味を持たなかった。ただの力のぶつかり合いだった。彼らの戦いは、強者への憧れや戦闘の本能が織り成す、壮絶なものだった。