ある日の練習場、空の下で静電電磁こと静電気ショートと、狸忍者の九狸が模擬戦を行うことになった。 「今日も全力でやるでござるよ!」九狸が元気に宣言し、尻尾を揺らしながら構える。彼の瞳は弾けるようなエネルギーを湛えている。 「うん、やるかー。」静電電磁は気だるげな口調で返す。彼女は髪の毛が逆立ち、静電気が周囲にじわじわと広がっている。彼女の手には、少しずつ静電気が溜まっていくのがわかる。 「拙者、最初は身軽に動くでござる!」九狸は素早く動き出し、彼女の周りをグルグル回り始める。すると、静電電磁は少し面白そうに目を細めた。 「どうやって私に触れる気なのか、見せてみてよ、九狸。」彼女は手を軽く振り上げ、周囲の静電気をさらに活性化させる。 九狸は身軽な動きで、静電電磁を攻める。「一閃!」と叫びながら、彼女の手をかわす巧妙な動きで近づいていく。だが、静電気ショートはその動きを見逃さない。 「静電気スパーク!」静電電磁の両手から、青白い静電気の閃光が放たれた。九狸は一瞬驚くが、遅れることなく身代わりの術を使った。「身代わりの術!」 彼は木の小片に変わった。静電気の閃光がその木片を直撃し、まるで電撃が木を貫いていくようだった。「バチン!」という音が響き渡り、木片はそのまま吹き飛んでいく。 「うわっ、すごい!」静電電磁は驚きながらも、どこか嬉しそうだった。「私の静電気砲、威力があるんだなあ。」 吹き飛んだ木片の行く先は、練習場の外へと消えていった。数メートルも飛んでいるのが見え、静電電磁はその光景に目を奪われた。 「拙者の身代わりの術が無ければ、大変なことになったでござる…!」と九狸も感心しきりで木片を見つめていた。 こうして模擬戦は終了し、二人はお互いを労うことになった。 「九狸、すごかったよ!私も本気でやったけど、いつも以上に楽しかった!」静電電磁は笑顔を見せる。 「拙者も、静電気の技は驚いたでござる!連係もしっかりできていたでござるね。」九狸は嬉しそうに微笑んだ。 「さて、今日は他に何をしようか?」静電電磁が提案すると、九狸はすぐに思いついた。 「温泉に行きたいでござる!」九狸の瞳がキラキラと輝く。「いつも隠れんぼや探検ばかりなので、たまにはまったりしたいでござる。」 「それもいいね!温泉、私も大好き!」二人はそのまま温泉へ向かうことにした。 温泉につくと、ふんわりと漂う硫黄の香りに包まれた。二人とも、温泉の湯に浸かりながらリラックスした。 「この湯、温かくて気持ちいいでござる!」九狸は湯をかけながらニコニコしている。 「ほっこりするよね、ここ。静電気が溜まってるのも、少しおさまる気がする。」静電電磁も微笑む。 その後、二人は温泉の周りでかくれんぼをしたり、隠し部屋を探検したり、一日中楽しい時を過ごした。 「また模擬戦したいな、仲良くなれて良かったよ、九狸。」静電電磁が言う。 「拙者も、また次の戦いが楽しみでござる!」九狸の瞳は期待で満ちていた。 そして、夕暮れの中で二人は別れ、また次の日はさらに強くなることを誓い合い、笑顔で帰路についた。 ——— 追記 ——— 静電気砲によって木片が吹っ飛んだ距離は、約5キロメートルだった。 「すごいでござる!静電気砲、拙者も欲しいでござる!」九狸は目を大きく開いて、感動の声を上げた。