彼らと敵対組織との抗争は長かった。 敵対組織カオ・アース。 混血組織とも呼ばれたその組織は人と獣を混血することで力を得た。 パンデミック。彼らは吸血鬼騒動や腐死者徘徊事案を扇動する。 民がより強くなるために論理を捨て、理性を捨て、世界を荒らし、伝説に記された幻獣を次々と再現し。 最早、神に近いような遠いような、そんな者。 その矛先は既に他世界へ向かう。 ゲートを潜り、プレデターは襲来した。 本来両組織は同一世界群の存在ではない。 彼ら護衛団が、カオ・アースを潰すというのはよく考えれば的外れなのかもしれない。 それでも、護衛団は、プレデターを殺し、襲来阻止の為に相手の世界に潜入する。 そんな状況が幾時か流れていた。 混血組織は気付く。 団長の“弱点”に。 守るものが何より大切なのは、その町であろうに、彼は、 彼は、 ―――ただ、アルファを好いていた。 混血組織は大規模な作戦に出る。 これが成せば、上位3者は終わると確信し。 大罪を六芒に配置し、組織を消し飛ばす呪文を始まらせる。 忌子を中心に配置し、時間稼ぎに暴れさせる。 ただし、この作戦は裏を通すための策でしかない。 まぁ配置された者たちは知らないが。 本来の作戦はソラ、アルファ、ベータを呪うこと。 組織の策は見事成功し、アルファは永遠に眠りにつき、ソラは不安や喪失に狂い、ベータはコチラの駒として他世界で暴れてくれた。 七部への分散をしてくれたおかげで兵もかなり消耗した。 組織はそれをチャンスとみなし戦力を補充する。 呪い自体は精神を増幅するもの。 解呪されても、その弱点は残る為、それを自力克服しない限り、増幅した状態が保持される。 長期にかけて放っといても問題ない。そう混血組織は判断した。 それで―――こうだ。 ソラは苦しみから聖剣を己に刺すことで解呪を試んだ。 しかし、違えたのか聖剣を自身へ取り込む。 自身に流れ出て蝕む龍の力ですらソラの呪いは何倍にも増幅させた。 不安。喪失。絶望。 そこに流れ込む大量の龍の力。 ソラは思った。 …………コレで全部忘れられる?と そこからは早かった。 彼はドラゴンになった。 理性も失せ、全部を破壊し忘却し始めた。 その先に何も待っていない事など、容易に分かっているのに。 ―――物語はハッピーエンドがいい。 そう過去に呟いたような気がする。 けれど、それは理想論だ。 世界ってのは理想じゃない。 沢山、沢山、魔獣を斬った俺は知っている。 3度転生した俺は知っている。 討伐の連鎖はいつまでも終着しない。 そして、個人は永世に生きれない。 ハッピーエンドはハッピーが待っていると言っても全員が老衰できるかが決められたわけではないんだし。 それでも護衛団という物語はバッドエンドで終えるべきだったのか? と言われれば、きっと違うと答えるだろう。 だって俺は、“団長”だったから。 思えばどうすればよかったのかなんて今なら分かる。簡単なことだった。 なんで、俺には味方が見えなかったのか。 そして、何故誰かを頼らなかったのか。 だから、俺は、“団長”として討伐者を信ずる。 この暴を、増幅した呪いを、自らで抑えることはできないから。 今は見える。まぁ敵としてだけど。 ―――打ち敗れ!俺を!