月明かりの下に君がいた___。 "儚い"……、そうとしか表現しようがなかった。 それは、とある日の夜、俺がバイト終わりにいつもの帰路を歩いていた時の事だった。まず最初に俺が歩いている、この帰り道は昔から人通りの少ない住宅地、そんな私道の一角だ。 それに道の造りが悪い為、抜け道として使うような車も少なく、頼れる光は道に設置された頼りない街灯の光か、それか周りにある住宅の明かりぐらいしかない。それに真夜中を過ぎると人とすれ違う、という事も珍しい。そんな場所、そんな時間に俺は歩いていた時の話であった。 寒さのあまり吐いた息が白く染まる、真冬の深夜0時を過ぎた頃、ふと目を凝らした俺の視界に一人の少女の姿が映り込む。 ___えっ、可愛い…!? 最初に抱いた感想はそれだった、次に思ったのは年齢は間違いなく俺より下だという事、たぶん高校生ぐらいだろうか……?、そんな少女が慌てた様子で周囲をキョロキョロと見渡していた。 咄嗟に思った事と言えば、、、 ___誰かに追われている……ッ!? 実際そんな風な慌てようで、詳しい事はよく分からないが、こんな真夜中に周囲をキョロキョロと見回す少女が一人で出歩いてるのは何かのトラブルに巻き込まれたからに違いない!、俺はポケットに入れていた両手を引き抜いて駆け出した。 とりあえず、声をかけてみる事にした。 「君…!、こんな夜中に一人なんて……」 少女がこちらを見た、視線が合う___。 すると____、、、 「何見てんだよッ!!」 ___へっ……??? ドスの効いた声、少女に思いっきり肩を掴まれた、すごく顔が近い…!、というか……めっちゃ美人!? そんな歓喜の瞬間を尻目に、次の瞬間には俺は悶えるような声を挙げて地面に倒れ伏していた。 ___メキリ…! 「ヒョ……ッ!??」 股、もっと具体的には股間を蹴り上げられた。うおおぉお俺のシンボルが……!?、大事なシンボルが……ッ!! 地面に倒れ伏して悶絶する、痛みが治らない……!? そして、混乱する俺の耳元で聞こえてきたのは……、、、 「クソムシがッ!!」 少女からの罵声、その声は可愛くて綺麗ではあるが未だにドスの効いた声である。 俺は今この瞬間、こう思った。 ___俺が何をした?、何か気に触ることをしたのか!? 少女と目が合う、それは俺を心の底から嫌悪する目であった。しかし、その表情すら愛おしい。 未だに治らない股間の痛みに悶える俺、しかしその口から出たのは呻き声だけではなかった。 「す、好きだ……!」 少女は驚く、そして一歩退いた___、 そして、俺は笑う___。 どうやら俺は、彼女に恋をしてしまったらしい………。 https://ai-battler.com/character/3e809c54-0bb7-4961-a0ee-9d639e1baf0d