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どこか儚げな美少女 Ver60

 錯誤者は語る。  「管理者?、知ってどうする気なの?」  私は口を開きかけた。  「あ、やっぱいいや!、そういうのには関わらない方が身の為だからね?」  錯誤者は何やら昔を振り返ったように呟いた。  私は首をかしげ、彼女の言動を待った。  「いいよ、私の知ってる事は教えてあげる、その代わりに………」  ____ピトッ  錯誤者の指先、私の胸元を指すように触れた。  「君さ、ほんとに何者なのかな…?」  錯誤者はジトッ……とした瞳で微笑みを浮かべてみせた。  「……って嘘ウソ!、そんなプライベートな質問はナシナシ!」  なんだか彼女の言動はハッキリとしない違和感、もしくはそれこそが彼女の本質、もとい役割の一端なのだろうか?、そんな考察が私の思考を一周しては錯誤者の顔を改めて見つめる。  それに気づいたのか、錯誤者は少し照れたように視線を真横に逸らした。  「いや〜、なんだか真正面から見られるのは恥ずかしいような、そうでもないような……えへへへ」  錯誤者は自身の髪先をいじるように己の指先で触れる、そして………  「ねね!、手だしてよ!」  彼女に半ば強引にひかれた私の右手、それを彼女の両手が温かく包み込む。  ____そして、、、  「管理者、彼女は死んだよ」  そう私の耳元で囁いた、私は思考に浮かんだハテナを何度も見返すように錯誤者の顔を見返した。  「ふふっ、嘘か真か、君の目で少しずつ確かめてくといいよ」  握られた己の右手に感じた違和感、錯誤者の離さない両手から溢れる灼熱が私の肉体を一息に燃やし尽くそうと熱を発する。  「これは餞別だよ、今は持ち合わせがないから代わりに"ナニか"を君にあげる」  そう言って錯誤者は笑った、その表情を最後に私の視界は燃え盛る炎に呑まれていった。  暗闇が私を支配する。  誰かの話し声が聞こえた。  「君が新しい管理者でいいのかな?、初めましてが良い?、それとも久しぶりなんてどうかな?」  これは錯誤者の声、それに対する相手は………  「………?、私は貴方という存在を知りません。…と、私という記憶は強く断言します。」  表情に乏しい顔、管理者と呼ばれた存在が小首を傾げて錯誤者に断言する。  「ありゃ、それはそれで君と改めて仲良くなれそうで光栄かな」  錯誤者は気にも留めずに笑いかけた。そして、  「だって、私は君と初対面だもん。だけど、君とは久しぶりでもあるけどね…?」  からかうような口調の錯誤者、対する管理者はそんな事など耳に入れぬ様子で語る。  「さすがは現在まで消息を絶っている"歩行者"の忘形見、その行動理念は彼女譲りですか。と……私という思考は高らかに主張します。」  無表情ながら興味深そうに語る管理者、それに対して錯誤者は笑うように返す。  「まあね〜、君とは仲良くなれなさそうだね」  そんな返答、そう呟いた錯誤者の表情はひどく晴れやかであった。  「互いに権益のある行く末がある事を………と、私という意思を素直に表明します。」  管理者から差し出された手、それを錯誤者は伸ばした手で握り返した。  「ふふ…、君とは仲良くなれそうだ」  錯誤者は、そう清々しく呟いて笑ったのだ。  「そうですね。……と、私という存在はあなたを肯定します。」  ____みてるかな?  ____きこえてるかな?  ____これるかな?  ____と、私という役割は貴女に問いかけます。  "[2代目]管理者(きたい)"は、そう貴女に期待を抱きます。 ※コメント:以上で廃棄済;"管理システム〈空白〉"の一部復元データを終了します。  ____ピクッ…!  私という存在は目を覚ました、いや………私は目を覚ましたのだ。  ………ここは、何処だろうか…?  荒野に現れた水源、詰まる所"オアシス"と目される場所で私は目を覚ました、という事を寝過ぎで痺れた手足を解しながら私は今しがた理解する。  ____ん……?  「あ……、もう目が覚めたんだ」  誰かの声、私はその声がする方へと振り返る。  女性が立っていた、そして彼女は私に微笑んだ。  「私は"犠牲者"、あんたの方は何て名前なんだろね…?」  犠牲者、それこそが彼女から聞こえた最初にして最後の出会いの言葉であったのだ。 https://ai-battler.com/character/9e2aee57-169f-499f-b7c1-cdc34bde8018