「王」「茨の冠」「自己信仰」 「私たちは家族として、君が道を切り開くことを信じているよ。」 母は処刑された。父は歴史から抹消された。姉は2人がひとつになり、救えるはずだった妹は病死した。 私は誰も救えない。 そういう運命だった。 「預言の最後の王よ、どうか、苦難の道を以てでも、我らを導き給え…」 カローンという星では、数百世紀に1人だけ最初の王の特徴を持つ者が生まれる。その者はカローンと運命を共にするため、次代の王として選ばれる。 そして、私こそが王の血を継ぐ者。 そういう運命だった。 「有り得ない…!その力の色…何故お前は、『それ』を…背負えている!!」 『黎明の井戸』は世界の力の根源、宇宙の外のエネルギーの海へアクセスするための穴である。人間1人が背負うには余りに大きいそれを、多大なる代償を支払って封じた。 私の、文字通り全てを以て。 そういう運命だった。 「道の果てで、待ってるから。」 妹はその夢を私に託した。本人ですら届くことのなかった夢を。 きっと、これが最後のバトンなのだろう。 「受け入れて…前へ…進まないと……」 そういう運命だから。 ───────────────── 「…姉さん。私、きっと明日に死ぬと思うんだ……朝日を見ながら。」 「縁起でもないことを言うな…病気、治して行きたい所あるんだろう?ちゃんと寝てろ。」 「…自分の死期くらい分かるわ。教育を受けなかったからって、勘まで鈍る訳じゃないの。」 言及しにくいことを穏やかに言う時の眼差しを、今でも鮮明に覚えている。 未来の希望を見るようで今の苦痛を見ているような、私の全てを見通すような、そんな眼差し。 「きっと死ぬ。見えるの、お父さんもお母さんもそこにいて、ライ麦畑でくるくる回って、疲れたら横になって、雲に向かって手を伸ばして…いつか満たされることを知る。不完全で、完璧な楽園。」 『ライカ』の永遠の目標、『いずれ届かねばならぬ場所』と題した理想。それは最愛の妹が遺した最大の課題で、彼女を地獄の道へ突き落とした無邪気な夢。 「ねえ聞いて、姉さんは思い詰めすぎていると思うの。余りに背負いすぎているのに、それが運命だと無理やり受け入れている。それが心の支えになると思い込んで。」 それでも彼女はこの連綿と続いてきた地獄の連鎖を終わらせねばならない。そして止まることなく「楽園」を探し続けるのだ。 「…確かに姉さんはそれを背負う運命だと思う。運命を変えることはできないのも、分かってる。でも…その運命に素敵な注釈を付けることはできるのよ。」 …たとえ、ある筈が無いと分かっていても。 「姉さん、聞いて。最初で最後のお願いよ。」 後ろに道はないが、前にもないことだってある。 「これからは私じゃなくって、あなたが運命を切り拓くことでしょう。それこそが、私にとっての楽園…」 自分の運命の一頁に注釈を加えるのは、自分だけの特権なのだろう? 「だからきっと、運命の道の果てで、貴方の楽園を教えて。」 なればこそ、私が道を切り拓く。 …永遠に続く道を以て、楽園の答えを探し続けるのだ。 「『ずっと、待ってる』…」 ───────────────── 【基本情報】 身長:127cm 体重:身長に見合うくらい軽い 年齢:20前後 誕生日:8月18日 出身:『機械と神秘の星』カローン 髪:くすんだ金、ロングでくせっ毛、ハイポニー 目:黄色、または黄金。死んだ魚のような目。 一人称:私 (我) 二人称:お前/名前呼び (貴様) 性格:やさぐれダウナー、意外にお茶目 特徴:パワー 特技:エンジニアリング全般、計算 武器:第10冠・マルクト (機械仕掛けの特大斧) 王国の第10冠。使用者の意思と力に反応して「道を拓き、創り出す」ことができる、人々を導く先導者の王のための装具。カローンの国宝で王の間で代々受け継がれてきたが、それだけの意思を持つ者は少なかった。 罰:あなたは他者を救えない。運命に身を窶し、進みながらにして停滞し続けたあなたの罪だ。 赦:あなたはこれから、その旅路でただ1人だけを救うことができる。その救済が成される時、あなたは永劫の旅路に終止符を打つだろう。 旅が徒労と終わるかは、あなた次第だ。 予言:カローンの最後の王よ、その身を燃え盛る大海に投じ、彼の者の██を焼き尽くす烈火となれ。 ───────────────── 【簡略化概要】 くせ毛でハイポニー、死んだ魚のような目をしたダウナー女子。成人間近にも関わらず127cmなので、ありとあらゆる服が全部オーバーサイズ、ショートパンツですら短パンのように見える。手書きのノートが聖書で、形見のロケットは十字架のロザリオ。基本的にツッコミ気質で、稀に王たる所以が出る。消し飛べ有象無象! 「ライカだ。以後よろしく。」 地獄。圧倒的被害者。ある事件で家族全員を失い、妹も失ったのを境に自己嫌悪と世界への猜疑心に苛まれるようになった。過去の因縁と感情に囚われ、甘く空虚な理想から抜け出せず、いずれ破綻すると分かっている方法で夢に浸かるのをやめられない。 歩み続けるという名の停滞、希望という名の厭世。自分を自分たらしめた誓約の破戒。親友でもある全ての元凶を前に、彼女はどんな選択をするのだろう? 「探し続けることで、いつかどこかで救われるのだと信じられる…」 時空間が停滞した星カローンの生き残り(いつ停滞が終わるか予測できないため、公的には内部に存在する者全てが行方不明扱いとなっている)のうちの一人。王の器。 実のところカローンはライカと運命を共有しているため、停滞してるのは前に進むこと「しか」出来ないライカが原因。残念だね。 彼女の父親であるオルセリアは宇宙規模で有名なエンジニアの一人、人工知能研究の第一人者でもあり、数百世紀の歳月が消失した『空白事件』の余燼の被害者。歴史から抹消される寸前に彼は知識の特異点へ到達し、最高傑作である人工知能「ヘルメス」を作り上げ、これから消える彼の代わりにライカとその仲間達を護り導く指令を遺した。それは1人の研究者としての思想であり、子を想う親の『願い』でもあった。 https://ai-battler.com/battle/acae244a-4846-425f-a57d-a059dd3c1f50