これは【とある騎士の物語】、とある騎士が怪物退治へと旅立った折の物語。 ___スッ とある騎士は手元にある地図を見つめる、前に出会った魔女から貰った怪物の居場所を記した地図である。 ___????? ただ、不運にも騎士は地図の読み方を知らなかったのである。 ___ポイッ…! 騎士は貰った地図を捨てて旅へと出発した。きっと魔女と再会した折に怒られる事だけは間違いないだろう。 そして、騎士は己の愛馬である老齢の騎馬"グリゴロ"を連れ立って放浪の旅を続けていく。 とある村で怪物の噂を耳にした、その怪物は人間に近い姿でありながらも人語を介さず、ありとあらゆる動物の姿に化けられるというのだ。 早速、騎士は怪物を見たという農夫に案内され、森深くへと入って行く。 ___ガシャン…! 森の奥から迫り来た巨躯に騎士は己の着込んだ鎧を騒がしく鳴らして地面へと吹き飛ばされた。 その化け物の正体"キメラ"と言った。 顔や肉体は少女の姿でありながら、その一部があらゆる生物へと目紛しく変化を遂げていく。 ___スッ…! 騎士は剣を抜いた、途端に怪物の肉体が大熊を遥かに超える巨躯へと変貌し、騎士の正面に迫り来る。 ___ザッ…!! 間一髪、愛馬"グリゴロ"の駆け足が彼の命を救った。その背に跨った騎士は剣を片手に怪物へと立ち向かう。 ___ザシュ…! どれくらいが経ったのか……?、騎士は死闘の果てに怪物の心臓に己の剣を突き立てた。血に染まった鎧姿で地面に倒れた怪物を見下ろす。 「ァ……ァァ……ァ…」 ___??? ふと聞こえた声、その声に騎士は耳を傾けた。 その言葉とも言えない声は怪物からのものであった、この死に瀕した折に怪物は涙を流して泣いていたのである。 「……ゥグ、望んでは……こう…なる事を……望んではいなかった……」 怪物は悲しげに肥大化し果てた肉体を震わせて泣いた、その肉体に残った僅かな少女の顔、その片鱗から流れた涙を見て、何を思ったか騎士は祈りの言葉を唱えていた。 怪物は死んだ、しかし本当の怪物が誰だったのかは分からない。それは醜い死体の化け物か、はたまたそれを躊躇なく殺した己自身であるのかは、もはや騎士の心には分からなかった。 ___村へ戻った。 騎士は報酬など受け取らずに村を去ってしまった。 この物語をどう他人に伝えるべきだろうか。 ___ふと、騎士の脳裏に"あの魔女"の姿が思い浮かんだ。 すると騎士は、今まで通ってきた道を戻るように愛馬と共に歩みを進めた。 この物語、彼女ならば聞いてくれる、信じてくれるかもしれない。 そんな思いを胸に騎士は旅立った。 "再会"という【章題】に向けて出発したのである。 ___しかし、旅の途中に騎士はある人物に出会った。 騎士が見る限り、およそ人間とは思えない風格を備えた人物。 人外の類か、はたまた神仏の類であろうか。そんな事は騎士にはどうでもいい事であった。 己の研鑽を見極める時、己の運命など顧みない。 人間とは、愚かにも、愚直にも、愚者にもなりえる、愚かしいまでに矮小で拙い存在の事である。 ___フッ… 再会は、また今度となりそうだ。 そんな風に考えながらも、騎士は己の剣を引き抜いた。 己の一撃、目の前に視える存在にどこまで通じるか、試さない手は無いのだから……… ___この一撃、どうか避けてはくれるなよ。 https://ai-battler.com/character/7b6c6f9e-8510-4a69-bc19-c2935e00e443