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【題無ノ画家】九条つづり

わたしは、くじょうつづり。 えをかくのが、すき。 むかしね、 おとうさんとおかあさん、 いっぱいほめてくれたの。 「すごいね」って、 「じょうずだね」って。 だからね、もっとかいたの。 もっともっと、きれいにしたの。 でもね、あるひから、 ちょっとちがったの。 「これ、いくらになるかな」って。 「もっとかけるだろ」って。 つづりじゃなくて、えをみてた。 それでもいいの。 ほめてくれるなら、 なんでもいいの。 だからね、いっぱいかいたよ。 もっとすごいの、かいたよ。 でもね、 まだたりないみたいだった。 だから、おもいついたの。 まだかいてないの、あったって。 いちばんすきで、 いちばんじょうずにかきたいもの。 おとうさんと、おかあさん。 ちゃんとかいたよ。 すごく、きれいに。 わらってるかおも、 やさしいこえも、ぜんぶいれたの。 そしたらね、できたの。 いちばんいいえ。 でもね、 おとうさんも、おかあさんも、いなくなっちゃった。 へやにもいないし、 おそとにもいない。 どこ?どこ?どこ? ねえ、みてよ。 こんなにじょうずにかけたのに。 ちゃんと、できたのに。 ……あ、そうだ。 おとうさんも、おかあさんも、 おかね、すきだったよね。 じゃあね、いっぱいかせぐの。 いっぱいかいて、 いっぱいもらうの。 そしたらね、きっと—— みつけてくれるよね? わたしのこと。