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どこか儚げな美少女 Ver6

 ___私は、恐怖した………。  こんばんは、いい月明かりが昇る日ですね。  私の名前は愛…、伯内 愛(はかうち あい)と申します。  最近は色々と面倒事に巻き込まれてばかりです。  と、言うのも……  先日、家出した猫を捜索中に変質者に絡まれ、即座に撃退、その際に告白されてしまい私は困惑……いえ、恐怖しました。  正直、イカれてますよ……。  そして今日、再び変質者に遭遇、幾度も撃退しているにも関わらず付き纏われ大変でした。  それに私を助けたい、手伝いたいと叫んでいて本当に怖かったです…。  でも、そんな彼に根負けしてしまったのが私の敗因ですね。  夜が深く染まった時間、そんな時間まで彼と一緒に捜索を続けましたが、とうとう見つけられませんでした……。  しかし、ふざけた行動は多かったですが悪意などはなく、真剣に私を手伝ってくれた彼に対する評価を改めなくてはですね。  そう言えば、名前をまだ聞いていませんでした……。  それに……、昨日の告白の件についても……  そんな矢先の事でした、  彼が手掛かりを思い出したらしいのです…!、私は嬉しくて仕方がありませんでした。  だから彼に、お礼を言ったのです。 「ありがとうございます…!、ですが___」  私は言葉を中断する、そして不思議に思って彼の顔を覗き込みこう呟いた。  「なぜ……私にここまで良くしてくれるのですか、私は貴方を言葉で傷つけ、そして貴方の体を傷つけた……それなのに何故、貴方は私を助けようとしたのですか…?」  正直なところ、私はあまり魅力的な肉付きでもなければ、性格が良いわけでもありません。むしろ他者を傷つけてばかりの……こんな私に彼は何故…、良くしてくれたのだろうか……?、どうして……そんな私の事を好きだと言ってくれたのか………  それが知りたかった……。  そんな時のことでした___、  ___私は、恐怖した………。  彼が何か叫んでいたまでは分かるのですが、私の心境はそれどころではありませんでした。  彼の背後から放たれる殺意、私は思わず目を見開きました。  女性がいた、彼の背後から歩み寄ってくる女性の姿を視認した。  だが、それは人間の関わっていい領域ではない___!  放たれた殺気、剥き出しの害意、そんな彼女のことを同じ人間であるとは到底思えなかった。  「に、逃げて……」  上手く口元が動かなかった、化け物が彼の後ろに佇んでいる様子を見ている事しか出来なかった。  不意に彼もまた気配に気づいたのか振り向いた___。  しかし、私の予想とは反対に彼はその存在に気さくに話しかけていた。  でも……、  その存在は相変わらずの脅威を身に纏い……彼を___ッ!!  咄嗟の事でした___、  私は本当に馬鹿です、大馬鹿者です___、  自分一人だけ逃げれば良いものを、何で___。  怪物の一撃、放たれた地を割るほどの蹴りに合わせて、こちらもカウンターで全身全霊の蹴りをぶつける。  ___ズバァン……ッッ!!!  瞬間、世界が揺れた。  衝撃で体が吹き飛ばされるのを耐える。  なんて重たい蹴りであろうか………、ズキズキと痛む脚を庇うように少女は身構えた。  体が震えて止まらない、呼吸が上手く続かない。  でも___、  「ようやく希望が見えたんです、だから彼は殺させません…!」  怪物の表情が強張った___、  「希望…?、彼…??」  瞬間、視界から消えた。  ___ダッ!  「死ね……」  鳩尾に感じた衝撃、鍛え込まれた拳が……剛金と差異のない拳から繰り出される一撃が少女の腹部で爆ぜた。  ___ズバンッ!  「カハッ……!?」  吹き飛ばされる、後ろは崖……ッ!?  ガードレールを掴もうとした手先が滑る、少女は血を吐きながら落下していった。  「殺す…!、殺す!、コロスッ!」  怪物はガードレールに脚をかけて下へ降りようとする、自らの手で確実に息の音を止める為に身を傾ける。  「待て瑞稀___ッ!!?」  瑞稀の動きが一瞬止まった___!  ___あれ?、フウタローの声が聞こえた気が……それに私は、何を………??  フウタローの静止を振り切り、瑞稀は崖下に消えていく。獣のように濁声を掻き鳴らし、暗闇へと身を落としていった。  「クソッ……何がどうなってる!?」  ガードレール越しに崖を見下ろしたフウタロー、状況が理解できない……しかし、止めなければ少女が死ぬ!?、そしてこのまま放置していれば瑞稀が……大切な幼馴染が……、俺の知っている瑞稀ではなくなってしまうのだ。  「あーもー!、えぇいままよ!」  俺、山田風太郎は人生で初めて死を覚悟した。一度目は瑞稀の襲撃、二度目は今ちょうど崖下に飛び降りた瞬間である。  「イィヤァ〜〜〜〜ッッ!!?」  どうか神よ、もしも実在しているならば俺を無事に生かしてくれる事を祈ります。  そして、傲慢な願いではありますが___  いや___、  だからこそお聞き下さい、そして聞き届けて下さい。  あの二人を…、俺の大切で大事な絶対に悲しませなくない二人を………  どうか、お救い下さい___。 https://ai-battler.com/character/5bcc3af2-7acd-44a9-8704-ac5f058b0f1d