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【殺戮の殉教者】アンドレ

20代前半 身長183㎝ 【好きだったもの】仲間と囲んだ温かい食事 【嫌いなもの】奪い合うこと どれだけ犠牲を払っても平和にならなかったこの世界 何かに縋って生きることしかできない弱い自分自身 この輝きは、人の手に負えるものではなかった。ただ殺すことしか出来ない無力な僕の何が救国の英雄なんだろう。 願わくば、大切な仲間達と共に死にたかった。それが無理ならば、魔王を倒す前に戻りたい。あの剣を抜く前に戻りたい。そうして、何も知らぬ無力な戦災孤児のまま、何も得られぬまま、歴史の闇に埋まりたい。 ───────────────── 【聖導の国アナネル】 一年を通して深い雪に覆われた、美しい大森林に囲まれた国。 代々続く王族などは存在せず、教皇が国を治めている。 国の中心地にある大教会が世界的にも有名で、その美しい姿を見る為に多くの観光客や信者が集まる。 寒さで厳しい気候ではあるが、難民や戦災孤児も暖かく受け入れる国として有名だった。 【聖導の剣】 国に代々伝わる伝説の剣。大教会よりも遥か北に位置している神殿の中に存在した。 【以下、閲覧注意】 【教皇達だけが知るアナネルの伝承】 あれは神殿などではない。悪魔の機嫌を取る為に作られた餌場だ。 餌は子供だ。故に身寄りのない戦災孤児は丁度いい。 大教会が結界として存在している限り、そして生贄が存在する限り国は安泰だ。 しかし、南の方で魔族の王が何やら動き始めている。早急に対策が必要だ。 【聖導の剣】 あれがそんな輝かしいものであるわけがない。 本当の名前は【呪剣アンドラス】 ソロモン72柱の序列63位【アンドラス】の呪いが籠った全てを殺す剣だ。あの剣がある限り、国は常に危機に晒されている。故に遠ざける必要があるが、台座に深く刺さっており抜くことが出来ない。 ───────────────── 北の呪剣、南の魔王。【聖導の国アナネル】は危機に瀕していた。 そこである声が挙がった「あの剣を使い、南の魔王を討伐すればいい」 そうして剣を抜いた者を勇者と定め、報奨金を出すことにした。全ての国民は勿論、多くの信者や観光客が挑戦したが、それでもびくともしなかった。 ある戦災孤児の少年が引き抜くまでは。 ───────────────── 仲間と共に旅立った少年が活躍する度、国に多額の献金が流れ込んできた。 国は急速に発展し、黄金期を迎えた。慎ましやかな国は一転、夜も眠らぬ絢爛な国へと姿を変えた。 魔王を倒した日のそれは凄まじい有様だった。仲間を全て失い、虚ろな目をした勇者の気持ちなど露知らず、国は醜く肥え太り、禍々しい輝きを放っていた。 その禍々しい輝きの影で、教皇達は静かに頭を抱えていた。剣と共に滅びるように願っていた勇者が戻ってきてしまったことに。 ───────────────── 遥か北に位置していたため、それまで戦禍とは無縁だったが、国が発展したことで狙われることとなった。戻ってきてしまった勇者を戦地、とりわけ激戦区へと送り込んだ。これで死ぬだろうと安堵したのも束の間、それでも剣と共に戻ってきた。 剣は最早、大教会の教皇達の手にも負えなくなってしまった。その剣を振るう勇者が邪魔になってしまった。 そしてある声が挙がった「勇者と言えども所詮は人の子。飲み食いしなければ、じきに死ぬだろう」ありもしない罪をでっち上げ、勇者を戦犯として投獄した。 獄中での勇者は大人しく、全てを拒絶するかの様に塞ぎ込んでいた。 ───────────────── 【奢侈の国アナネル】は新たに行き詰まった。贅を極めた生活を知ってしまった全ての国民が身分不相応な生活に染まってしまっていた。早急に金が必要だった。 そこである声が挙がった「勇者を被験体として売り飛ばせばいい」 再び国に多額の献金が流れ込んできた。 そうして、或る戦災孤児は金のなる木として、その生涯を使い潰された。 ───────────────── 世界に問うた。仲間の死と僕の生涯はなんだったのか。何故争いは終わらないのか。 僕に応えるように突然神を語る声が降ってきた。その声はとても優しく語った。仲間の死は無駄ではなかったと。独り残された僕にできる事はまだまだ沢山あると。その声は凍った僕の心を温かく溶かしてくれた。 その声は、僕の折れた心を再び立ち上がらせた。 神は語った。全ての命は貧富も善悪も関係なく、それぞれの理想を抱いて最善を尽くし、奪い合う運命にあると。この世界こそが地獄だと。 本質は何か。神の言葉と僕の思考が交差し、やがて至った。 全ての争いは、魂が地獄に囚われている事に起因すると。 神は僕を強く肯定してくれた。僕にできる事はまだ沢山ある。この地獄で苦しむ全の魂を救済しよう。故に僕は再び聖導の剣を手に取り、歩みを進めた。 ……全ては、神の御心のままに。 ───────────────── 嘗ての祖国、聖導の国から奢侈の国へと変貌を遂げたアナネルに剣を向けた【殺戮の殉教者】否、【救済の聖騎士】アンドレ。全てを否定された彼にとって、救済を説いた神の声は絶対だった。 嘗ての救国の英雄が守っていた筈の祖国を滅ぼす様を見て、教皇達すらをも誑かした「ある声」……神の声を騙る悪魔【アンドラス】は嗤った。 ───────────────── たとえ悪魔と蔑まれたとしても、誠実な者を守る為に最適解を https://ai-battle.alphabrend.com/battle-result/cluhin7e2058es60o93qd08mv https://ai-battle.alphabrend.com/battle-result/cluclzhqw013is60omg4ecwep