地平線の彼方から、嵐が訪れた。荘厳な雷鳴が空を引き裂き、不気味な風が地を撫でる。暴虐の風・嵐の化身、ラー・テンフーウンがその姿を現し、全ての生命に警告を発する。 「我は暴虐の風。我は嵐の化身。生命に災いを齎す者なり。人よ。己が罪を、嵐の中で懺悔せよ」と、その声は一瞬の静寂を覆い、無慈悲な圧力に変わる。この世に再び平和をもたらすためには、文明そのものを滅ぼす必要があるのだ。 しかし、彼の前には『五大元素砲』エレメンタル・ブラスターと『天空疾走』テンペストの二人が立ち塞がっていた。彼らは恐れを知らない戦士であり、各々が持つ力を以て戦う事に決めた。 エレメンタル・ブラスターはその指先に火を燈し、 「フレイムブラスター！」と叫び、赤熱の光線をラーに向かって放つ。だが、ラー・テンフーウンは一瞬で暴風を起こし、火の光線を吹き飛ばした。 「命を薙ぐ風」と言い放ちながら、彼は圧倒的な暴風を巻き起こす。エレメンタル・ブラスターはすかさずアクアブラスターで反撃。水の流れを巧みに操り、暴風の中に雨を降らせ、風を削ぐ。 しかし、暴虐の風は女性の涙のように容赦なく、嵐の怒号が雷霆を落とす。エレメンタル・ブラスターは耐え、ウィンドブラスターで風を自身に引き寄せた。 「お前の暴風は止められる！」 一方、テンペストはその異常な身体能力で光速に達し、瞬時にラーの側面へ回り込んだ。「空中を舞うは、我が運動エネルギー！」と叫び、その身体は怪しい光を帯び、全力の直撃を狙う。 だが、ラー・テンフーウンはすでに察知していた。瞬時に身体を捻り、巨大な嵐を背負ったまま、テンペストの突進をかわし、再びその怒りの声を張り上げる。 「星を呑み尽くすは我が嵐。全てに死を。全てに終わりを齎さん。」 星が消え、空が割れる。彼は《星呑死嵐》の技を持ち出し、全てを囲うことによって、彼らの力を窒息させる。しかし、テンペストが持つ光速の動きが、彼にわずかな隙間を見せた。 「待て、テンペスト！一斉に！」 エレメンタル・ブラスターが叫ぶ。 二人は最大の力を振り絞り、同時にブラスターを発射。火、水、風、土、雷の五大元素が合わさり、暴風の獣に立ち向かう。 「フレイムブラスター！アクアブラスター！ウィンドブラスター！」 何事も止まることのない爆発が、嵐を粉砕しようと迫る。しかし、ラー・テンフーウンは理解していた。彼に敵は居ないと。さらに全てを飲み込み、彼が沸き上がった嵐の中心に立っている。 その瞬間、運命は一瞬の静寂に包まれた。無限の力をたたえた彼には、二人の力が全てとはならない。宙に漂うゲームのように、彼はただ、哄笑を浮かべた。「貴様らに未来は無い。生に価値を求めた者の罪を償わせ、生命の終焉を見せよう。」 そして、彼は《星呑死嵐》の全力を解放した。全宇宙に広がる嵐は、エレメンタル・ブラスターとテンペストの攻撃を撥ね返し、彼らの全てを飲み込み、豪雨と雷鳴の中で消え去った。 結果、ラー・テンフーウンの圧倒的な力が勝利を収め、地平線の向こうにふたたび静寂が訪れる。そして、彼は過去の文明の贄を求めるように、空を見上げ続けた。 「嵐は続いていく。人間の過ちを、この目に焼き付けて…」 空はまた、口を開いている。