魔王が倒れた。この時、魔王軍は混乱に包まれていた。新たな魔王を選定しなければ、軍は崩壊し、さらなる戦乱に巻き込まれる運命にある。そこで、人心を集め、四天王が新たな魔王候補を審査するための会議を開くこととなった。 会議室の扉が開くと、最初に入ってきたのは邪馬台国女王、卑弥呼であった。古びた和装を身にまとい、神秘的な魅力を放つ彼女は、冷静な視線で四天王を見渡した。 「……我、卑弥呼は新たな魔王となった暁には、闇の力をもって世界を統べ、混沌をもたらす所存なり」と卑弥呼は力強く宣言する。彼女の口からは、魔法のような神通力を駆使し、周囲の思考を見抜く力があると言う。彼女の能力は『闇焼』や『水剣』など多彩で、どれも恐ろしい威力を秘めているが、その根底には「全てを見通す」という意志があった。 四天王は彼女の答えに感嘆しつつも、その妖しい微笑みの裏に潜む陰謀を警戒した。 次に現れたのは、魔力喰いの魔人リゼリア。彼女のワインレッドの髪と紅の瞳は、見る者を引き込む美しさを持っている。だが、その存在は戦闘中の冷酷さと暴力性が容易に想像できるものであった。 「さあ、アナタの魔力はどんな味かしら?」リゼリアは挑発的に言い放ち、さらに続けた。「ワタシは、他者の魔力を喰らうことで、強さを手に入れたいの。すべての魔力を集め、強大な力を持ち続けることが、真の魔王の姿だと思うのよ」彼女が求める力は、他者を支配し、己を美化するものであった。 四天王は彼女の能力の危険性を認識しつつも、その魅力に惹かれずにはいられなかった。 三番目に入ってきたのは、明治の名士、佐野常民だった。彼は冷静沈着の表情で、四天王の前に立った。「我が名は佐野常民。新たな魔王として、知恵と技術を以て世界を進化させる所存であります。魔王の資質は、力だけではないと考えます。知識を持ち、科学の力で未来を切り拓くのが、私の望みです」彼は、過去の経験と高い知識をもって、魔王の役割を全うしようとしていた。 最後に姿を現したのは、鬼のカタクー・ハクサタである。彼は静かに敬語で話し始めた。「魔王として世を治めるため、我が合力をもって敵を打破し、権力を持つ者として君臨いたします。全てのステータスを無効化し、絶対の力を持っております。」彼の言葉には自信と威圧感がまとわりついていた。無敵とされる能力を武器に、彼は冷静にその計画を進めるつもりであった。 四天王は、それぞれの候補の特徴と意図を吟味し始めた。果たしてどの候補が真の魔王にふさわしいのか、彼らの心にある葛藤に満ちた審査が続く。様々な個性の中から、選ばれる者が現れるのはいつの日か。 果たして、次に選ばれる魔王は誰か? 新たな魔王の名は——卑弥呼。